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【J2:第10節 湘南 vs 草津 レポート】「勝ち点1」の明暗。3位湘南を相手に、最下位の草津が今シーズン初のドローを掴む(05.05.04)

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5月4日(水) 2005 J2リーグ戦 第10節
湘南 1 - 1 草津 (14:02/平塚/10,353人)
得点者:'16 佐藤正美(草津)、'59 永里源気(湘南)
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 草津の一員として昇格して初めて踏んだJ2のピッチは、奇しくもかつて在籍していた古巣のホームグラウンドだった。昨年見舞われたケガから復帰し、今シーズン初スタメンを果たした小島伸幸は、「いいシュートだったね」と、湘南に奪われた同点弾を振り返った。
 
 後半14分、左サイドの高い位置でボールを受けた佐藤悠介が、中央に上がってきた永里源気へパスを送る。「狙っていた」という思惑どおり、永里が放ったシュートは草津ディフェンス陣の間隙を縫って、クロスバーを叩きながらゴールへと吸い込まれた。

 だが湘南が小島を脅かしたのは、このシーンだけだった。小島は言う。「うちのチームはあまり背の高い選手がいないので、相手にフリーキックを許したときは空中戦の不安がありました。ただ流れのなかでは、中をしっかりと守っていたので、さほど心配はなかった」

 事実、前半から押していたのはホームの湘南ではなく、前節まで1勝8敗と、昇格1年目の手痛い洗礼を受けてきた草津だった。左サイドの高須洋平を起点に、中央の樹森、右サイドの小久保純らが中に絞って連動し、ゲームをつくる。そこにサイドバックの押し上げ、そして2トップの吉本淳と佐藤正美のディフェンスラインの背後への動き出しを絡め、試合の主導権を握る。シュートで終ろうとする姿勢も、リズムを生み出したといえよう。

 対する湘南は、前節の仙台戦で後半に見せたように、佐藤がトップ下に近い位置でボールをキープし時間をつくるものの、思うようにパスが回らない。ときに繰り出す最終ラインから中盤を越えるパスも前線に収まらず、ボールは草津へと渡ってしまう。「入り方が大事」と課題を掲げていた両チームだったが、まずはアウェイの草津が流れを引き寄せた。

 掴んだ流れを草津がかたちにするのは、前半16分のことだ。自陣で湘南からボールを奪うと、中央の佐藤から左に開いた吉本にパスを捌き、スピードを緩めずそこに再び走りこんだ佐藤が左足を振り抜く。カウンターとはいえ、残っていた湘南DF3人を相手に、草津FWが2人でゴールをこじあけ、喉から手が出るほど欲しかった先制点をあげた。この日、小島と同じく今シーズン初先発となった湘南の村山祐介は、「吉本と佐藤の2人を簡単に前を向かせたこと、そしてアプローチが遅れたことが悔まれます」と、先制の場面を振り返った。

 リズムに乗った草津の攻撃を1点に凌いだ湘南は、後半に入り、佐藤が左右のさらに高い位置でキープするなど前がかりに攻める。また草津の左サイド、湘南にとっては右サイドの裏を再三狙われていたこともあり、サイドバックの永里と田村雄三の左右を交代する。14分の同点弾は、左に回った永里の積極的な攻撃参加や、前線に構える柿本倫明へのスルーパスなど、徐々にラインを押し上げた流れから生まれたゴールだった。

 その後も湘南はパスを繋いで攻め立て、また小島が不安視していたフリーキックも奪うが、ゴールには届かない。対する草津も、小久保がDFの裏を狙うなど追加点を目指すが得点には至らず、ドローのまま笛の音を聴いた。

 「いままでは先に失点して、追いかけるパターンばかり。もちろんリードしたまま終わりたかったが、まずは負けなかったことがよかったと思います」と、小島は引き分けにもチームの進歩を見出した。一方、湘南は、みな一様に勝てなかった口惜しさを表情に滲ませる。ともに手にした「勝ち点1」――しかし、その意味において、両チームの明暗がくっきりと分かれていた。

以上

2005.05.04 Reported by 隈元大吾
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