9月11日（土）J1-2nd 第4節 横浜FM vs 磐田（16:00KICK OFF/国立）
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2ndステージ第4節、国立競技場では屈指の注目カード、横浜FM vs 磐田の一戦が行われる。新旧の王者が激突する今節を、早くから楽しみにしていたサポーターも多い。
しかし、磐田が開幕から3試合勝ち星なしの、まさに「背水の陣」の状態でこの試合に臨むことになると誰が予想しただろうか。迎え撃つ横浜FMもまた、リーグ戦（名古屋戦）に続きヤマザキナビスコカップ準々決勝の浦和戦も落とし、ここ2週間は勝ち星に恵まれていない。確かにここまでリーグ戦2勝1敗と磐田とは事情が異なるが、完全優勝へ向け勢いを取り戻すきっかけを求めているのは同じ。お互い「ライバル」と意識しあうチームから、なんとしても勝ち点3を奪って今後に繋げたいところだ。

久保、松田、中澤ら代表組と、遠藤、ドゥトラを怪我で欠く苦しい布陣で先週のナビスコカップを戦った横浜FMは、2−3で浦和に惜敗。が、結果以上にチームにとっての痛手は、その試合で負傷した柳想鐵が「第7肋骨の骨折で全治2週間」と診断されてしまったことだ。代表組のコンディションも試合前日までわからない中、さらに怪我人が増え、磐田戦での『人手不足』が懸念された。だが、幸いここにきて朗報が入っている。まず3節の名古屋戦で左ふくらはぎを痛めていたMFドゥトラが驚異の回復力を見せ、9日の練習から通常メニューをこなし「問題なく試合はできる」（ドゥトラ）そうだ。加えてMF遠藤も磐田戦には間に合いそう。岡田監督は「代表組と同じく、前日の様子を見てから（2人の起用を）決めたい」としながらも安堵の表情を浮かべていた。また、韓国代表に合流していたFW安貞桓も9日にはチームに戻っており、チーム関係者の話によると11日は出場できる見通しとのこと。あとは代表組のコンディション次第だが、好調なFW坂田やDF栗原も控えており、メンバー的な大きな戦力ダウンは免れそうだ。

内容は悪くはないのに勝ちきれない、という試合を2試合続けてきた選手たちに、この1週間岡田監督が求めたのはメンタル面の変化。「内容より勝ちにこだわる気持ちを持てと何度も話があった」とMF田中は教えてくれたが、その岡田監督は磐田戦に向け「勝ちを拾いに行くんじゃなく、勝ちに行く」ときっぱりコメント。そして「お互い、観客が『Jリーグっておもしろい』と思えるアグレッシブな試合をしたい」と笑顔を見せた。

一方、ここまで1分2敗と苦しみ、どうにか横浜FM戦をチームが息を吹き返すきっかけとしたい磐田。しかし今節はさらにマイナス材料が目につく。横浜FMと同じくMF藤田、DF田中は代表から帰ってすぐの試合で体調に不安が残り、福西は出場停止。しかも今週、低迷するチームの中でも好調をキープしていたMF西が右ひざを手術し長期離脱が発表された。
この緊急事態に、クラブはU-19代表候補の合宿に参加中のFWカレン・ロバートを急遽チームに呼び戻し、横浜FM戦のメンバー入りを決定。福西のポジション（ボランチ）にはDF菊地が入る見込みで、FW前田、MF成岡らも加えた彼ら若い力が、現在のチームの苦境を打開していく原動力となれるかが注目される。その菊地は横浜FM戦を「正念場。だけど2ndステージの見せ場でもある」と表現。「上の人に任せてちゃいけない。僕たちがやっていかないと」とも話し、この試合に並々ならぬ闘志を見せている。

磐田のポイントは『先制点』。リーグ戦では前期も合わせて、ここまで9試合連続で先制点を許しており、うち逆転勝ちしたのは3試合のみ。横浜FM戦でも先に失点するようなことがあると初勝利に暗雲が立ち込めそうだ。逆に今季、先制した試合では負けていないことを考えても、是が非でも先に点を取っておきたい。

ここまでの両チームのリーグ戦通算成績は、13勝0分12敗でほぼ互角。
今後、横浜FMが磐田を突き放していくのか、磐田が意地を見せることができるのか、両チームのサポーターならずとも必見の試合となる。

以上

2004.09.10 Reported by 高木聖佳