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【J2:第32節 甲府 vs 川崎F レポート】甲府の粘りでスコアレスドローに。川崎Fは次節勝利でついにJ1昇格(内定)へ(04.09.05)

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9月4日(土) 2004 J2リーグ戦 第32節
甲府 0 - 0 川崎F (19:04/小瀬/8,911人)
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 このアウェイの甲府戦に向けて、川崎Fの選手に心中期するものがあったのは間違いない。

 確かに今シーズン、ここまで驚異的な強さで首位を独走し、昇格の栄誉をほぼ手中に収めてはいる。しかし、その成果の何割かに関しては「ジュニーニョが居るから」と言われかねない状況にあるのも事実だった。それは端的に言えば、31節までに31ゴールを上げたその高い得点力で説明できる。だからこそ川崎Fの選手は、どうしてもこの試合を勝ちたかった。

「外人の2人がいないから勝てない、といわれたくなかったので、どうしても勝ちたかった」と伊藤宏樹が口にすると、今野章も「ジュニーニョがいないときにしっかり勝ちたかった」とその心境を述べている。

 川崎Fは、昇格レースうんぬんを抜きにして、彼らのプライドを賭けてどうしてもこの試合をものにしたかった。しかしその一方で、甲府も非常に高いモチベーションの中で戦いに臨んでいた。

「この1週間、首位川崎Fと対戦するということで、選手たちにはかなりのモチベーションがあった」と甲府の松永英機監督は試合後の会見で述べている。

 首位を独走するチームに対して一泡吹かせてやろうと意気込んだ試合は、試合開始直前から激しい雨が降るあいにくの空模様の中で行われた。それでも小瀬スポーツ公園陸上競技場には8,911人もの観客が集まっていた。そうした状況の中でプロとして燃えない選手がいないはずがない。両チームとも勝つためのモチベーションを強く持った状態で、試合をスタートさせた。

 開始直後の時間帯にペースを握ったのは甲府。横浜FCからの移籍後、わずかに4日しかたっていない状態で先発した横山博敏が左サイドを何度か突破してクロスを上げた。しかし、川崎Fのゴール前を固めた佐原秀樹、箕輪義信、伊藤宏樹という3枚のディフェンスラインのクロス対応の強さはリーグ屈指のレベル。この試合を通して、簡単なクロスボールは全てはじき返されることとなる。

 甲府の攻撃を受け止めていた川崎Fが、序盤のピンチをしのいで徐々にペースを握り始める。高い守備力を背景に甲府のパス回しを抑制し、ボール支配率を高めた。

 甲府の最終ラインを担っている池端陽介は「川崎Fはとにかく攻撃が早かったです。他のチームとは違っていました。全部のスピードが違っていました」と振り返える。事実、ボールを奪った後、むだな横パスを一切無くし、一気にゴール前へと進むスピードやコンビネーションはさすがに今季77点を積み上げてきただけの高いレベルにあった。

 強烈な雨というコンディションにも順応し、お互いに0−0で折り返した後半。川崎Fの攻勢は続いた。

 たとえば後半23分。中村→久野智昭とつないで右サイドから早く鋭いクロスが入るが、これを我那覇が痛恨のシュートミス。直後の27分には長橋康弘からのクロスを今野がヘディングで合わせるが、これも枠に飛ばない。ビッグチャンスは何度もあるのだが、最後の詰めの甘さが響いた。

 川崎Fの、強豪チームとしての無言の圧力の中、集中して無失点を続けた甲府は、試合終了間際に須藤大輔がビッグチャンスを手にする。しかしこのシュートもGKの吉原慎也にはじき出されて得点に結びつけられなかった。

 結局この試合の最後のプレーとなったロスタイムのマルクスのシュートもゴールにはならずタイムアップ。

 最後のビッグプレーを決めきれずがっくりと肩を落とし引き上げてくるマルクスの表情が印象的な一方で、甲府の選手たちの表情は明るかった。32試合を戦った川崎Fが、今季2度目に喫した無得点試合であり、その結果として甲府は勝ち点1を手にした。甲府の小瀬での勝負強さは生きていた。

 ちなみに、4日に行われた32節の5試合を終えて勝ち点を集計した結果、川崎Fは次節の大宮戦を勝利すると無条件で昇格が決まる2位以内が確定し、昇格が内定する。

(昇格確定はJリーグ理事会の承認を経て決まります)

以上

2004.9.4 Reported by 江藤高志




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