11月22日（土）J1 2nd第14節F東京−東京V(16:00KICKOFF/味スタ）
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　近年、稀に見る大混戦のＪ１第２ステージ。優勝争いに最後まで残るのは、ＦＣ東京か、それとも東京ヴェルディ1969か……。首都・東京のサッカーファンが大いに注目する「東京ダービー」が明日22日、16時から味の素スタジアムで行われる。

　先週末の第13節では、痛い敗戦を喫している両チーム。ＦＣ東京は第12節時点で２位という好位置につけていたが、アウェーでガンバ大阪に破れ、５位に後退した。一方の東京Ｖも「勝てば首位」という状況の中、ホームでジュビロ磐田と対戦。ＦＷ平本一樹のゴールで先制しながら、後半に２点を失い、まさかの逆転負け。順位も６位に下げてしまった。
とはいえ、両者ともステージ優勝の可能性はまだ残っている。現在の勝ち点は20で、首位の磐田との差はわずか３。今回の「東京ダービー」で勝利した方が、タイトル獲得への望みをつなげることができるのだ。それだけに、両者とも闘志剥き出しでゲームに挑んでくるはずだ。

第１ステージの対戦（４月５日）は１−２で敗れているＦＣ東京だが、直接対決の通算成績では５勝３敗５分と、東京Ｖを上回っている。「東京ダービーはホームチームの方が強い」というジンクスを、彼らは今回も生かしたいところだ。

基本布陣が４−２−３−１のＦＣ東京。明日はメンバー的にほぼベストで行けるだろう。ただ唯一心配なのは、ＤＦ茂庭照幸。彼はカメルーン戦（19日、大分）のため日本代表チームに合流したが、月曜日の練習で右足首を負傷。試合出場することなくチームに戻っている。それでも本人は強行先発する意気込みだという。手堅い守りからしっかりビルドアップして攻めるというＦＣ東京にとって、1対1に強い茂庭は不可欠な存在。彼がピッチに立てるかどうかは、試合の行方を大きく左右するのではないか。

　攻撃のキーマンである右サイドの石川直宏、左サイドの戸田光洋、トップ下のケリー、ＦＷのアマラオはコンディション的に問題なさそうだ。特に石川は本来のキレが戻ってきている。一時は「持ち味のタテへの突破だけでなく、中へ入ったり、パス交換など幅広いプレーがしたい」と欲を出したことで、逆にプレーの怖さをなくしがちだったが、最近は本調子を取り戻しつつある。石川のスピードあるドリブルは相手にとって脅威に違いない。
そしてアマラオの動きも注目だ。つい先日「今季限りの退団」を発表した「ミスター・東京」の姿を目に焼き付けようと、明日の味の素スタジアムには多くの東京サポーターが駆けつけるはずだ。彼らの応援を背にするアマラオが頑張らないはずがない。これも見逃せないポイントだ。

　対する東京Ｖはオースドックスな４−４−２システムを採る。アルディレス監督就任後の彼らは実にバランスのいいサッカーをしており、その流れは変わらないだろう。

何よりもまず注目しなければならないのは、エムボマのパフォーマンスだ。19日のカメルーン戦にも出場した彼は、ボールを持つと恐ろしいほどの集中力と身体能力、パワーを見せ付けていた。彼の両足から放たれるシュートは、日本人ストライカーには決して打てない豪快さがある。エムボマとアマラオの両エース対決は、東京ダービーを大いに盛り上げるだろう。
米山篤志を中心とした守備、林健太郎のワイドな展開、若いボランチ・根占真伍の攻撃の芽を摘む読み、山田卓也の攻守両面のクレバーさ、ラモンの小気味いいドリブルとゲームメークなど、他にも見どころはある。スーパーサブとして流れを変えていた小林大悟がワールドユース出場のためチームを離れているのは痛い。しかし彼ら先発陣の動きがかみ合えば、堅守を誇るＦＣ東京も簡単には守りきれない。今シーズンの東京Ｖはそれだけの爆発力を持っている。

試合のポイントはやはり先制点だ。どちちが先にゴールを挙げるかどうかで、その後の戦い方は大きく変わる。１点を取るために、両者は積極的な攻撃をしかけてくるはずだ。明日は壮絶な打ち合いになるかもしれない。


2003.11.21 Reported by 元川悦子

以上

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