Electronic Sports X J.League 明治安田生命eJ.LEAGUE

J.Leagueで開催する日本予選を勝ち上ってFIFA主催の「eWORLD CUP 2018」に出場しよう!

TALK「明治安田生命eJ.LEAGUE」開催記念スペシャル対談

取材・文=鴫原盛之(フリーライター)写真=J.LEAGUE

海外の大会では多い時には10万人くらいの人が視聴するので、今では多くの企業がeスポーツに関心を持ってくれるようになりました。プレイヤーとしての実力は、日本と海外とではどちらのほうが優れているのでしょうか。

「世界のウメハラ」が語るeスポーツの現況

  • まずは世界的に著名なプロゲーマーである梅原さんから、「eスポーツ」とはどんなものなのかを教えていただけますでしょうか。
  • 梅原:
    簡単に言うと、対戦型のゲームを使った大会で、実際にプレイする競技者がいて、それを応援する観客がいる、エレクトロニクス・スポーツ大会。選手はスポンサーの名を背負って出場し、大会自体にもスポンサーがついている。つまりたくさんの企業や人が絡んだプロのビデオゲーム大会です。
  • 岩政:
    スポンサーがつくようになったのはいつ頃からですか?
  • 梅原:
    僕がプレイしている格闘ゲームで言えば、賞金が出る大会自体はずっと以前からありましたが、企業がスポンサーとして入ってくるようになったのはここ10年くらいのことですね。今はeスポーツの大会がオンラインで配信されるようになりましたが、それによってたくさんの人が見てくれるようになった。それで企業が「広告を出す価値がある」と判断するようになったんだと思います。
  • 岩政:
    なるほど。自分がまだ学生の頃は、配信というシステムがなかったし、対戦する時はみんなで友達の家に集まっていましたからね。
  • 梅原:
    海外の大会では多い時には10万人くらいの人が視聴するので、今では多くの企業がeスポーツに関心を持ってくれるようになりました。
  • プレイヤーとしての実力は、日本と海外とではどちらのほうが優れているのでしょうか。
  • 梅原:
    格闘ゲームというジャンルに限れば、それほど差はありません。ただし、FPS(一人称シューティングゲーム)などの世界で人気のあるeスポーツのジャンルでは、日本はまだ全然ダメで、韓国のプレイヤーのほうがずっと強いですね。
  • 岩政:
    それだけ差があるのはなぜですか?
  • 梅原:
    アメリカや韓国とは違って、そもそも日本ではFPSというジャンル自体に人気がないという事情があるかもしれません。それから日本では、法律の関係で大会を開いても高額の賞金を出せないという問題もあります。アメリカや韓国では高額の賞金が出る大会が多く開催されるので、人気のあるタイトルで勝てばかなりお金が稼げます。その相乗効果でレベルが上がっていったんだと思います。
  • 今後、日本におけるeスポーツの知名度をさらに向上させ、普及させていくためには、やはり賞金を出すことが必要なのでしょうか。
  • 梅原:
    それが一番早いとは思います。その他にはメディア活動も考えられると思います。実は最近、多くの人に自分の名前が知られるようになって、街で声を掛けられるようにもなったんです。それがなぜかと言うと、ゲーム以外の一般メディアにもeスポーツの情報が載るようになったからということが大きいようです。多額の賞金が出せないのであれば、メディアを通じて注目度を高めてもらうのもいいかもしれません。
  • 岩政:
    梅原さんはeスポーツを取り巻く状況がいろいろと変わっていく中で、その時々の情勢を見極めながら活動してきたからこそ、ずっと活躍できているんでしょうね。
  • 梅原:
    僕は一貫して格闘ゲームだけをやり続けてきました。でもそれは「ただ好きだから」という理由で、その間に周りの環境がどんどん変わっていっただけなんです。もちろん、「今はこのゲームが人気だから」とか「次はこのゲームをやったほうがいいかな」みたいなことは考えますよ。でも、自分が世間を巻き込んで何かしようというところまでは、正直考えてはいませんでしたね。
  • 日本のプロゲーマーで大会の賞金やスポンサー契約料だけで生活ができているプレイヤーは、現時点で何人くらいいるんでしょうか。
  • 梅原:
    日本に限れば、格闘ゲーム以外のジャンルで食べていける人は、おそらくほとんどいないと思います。格闘ゲームでは20人くらいはいると思います。以前はプロゲーマーと言っても専業で食べていくのは難しいという状況が見られましたが、今は「プロ=食える」といいますか、最低ラインの収入レベルが上がって稼げるようになりましたね。
  • 岩政:
    どういうきっかけでプロゲーマーになるんでしょうか?
  • 梅原:
    9割以上の人は、実績や人気を認められて、スポンサーから話をもらってプロになっています。
  • 岩政さんは現在、東京ユナイテッドFCの選手兼コーチをされていますよね。プロサッカー選手として、サッカーだけで生活ができるようになるためには、やはりJ3以上に所属するチームとの契約が必須なのでしょうか。
  • 岩政:
    J3では選手全員がプロ契約をしているとは限りませんね。むしろアマチュアのほうが多いくらいで、サッカーだけで生活するとなると、おそらくJ2から上のチームになると思います。それから、今はJFLのチームの中にもプロ選手はいますし、自分がプレーしている関東リーグのチームにもプロがいますから、カテゴリーはあまり関係なくなっています。選手の契約がそこにあるだけで、3部だからとか5部だからっていう分け方にはならないですね。
  • では、eスポーツプレイヤーのセカンドキャリアについてはいかがでしょうか? サッカー選手の場合は、引退後は指導者になったり、テレビの解説者に転身したりといった道が確立されています。
  • 梅原:
    今は年間で何十回もの大会が開催されていますから、eスポーツプレイヤーにも現役引退後は実況や解説といった道も十分あり得るだろうと思っています。あとは、海外ではよくあることですが、ゲームを熟知しているからこそ、ゲームメーカーで開発者として活躍する元選手もたくさんいます。
  • 岩政:
    梅原さんのようなトップレベルのプレイヤーであれば大丈夫だとは思いますが、まだプロゲーマーになりたての若い子たちは、今後どうなっていくんでしょうね。
  • 梅原:
    もちろん、将来のことを考えていないわけではないと思いますが、eスポーツ史自体が始まったばかりなので、今はまだ何とも言えない状況ですね。

最前線で戦い続けるということ

  • お二人はともに現在36歳。eスポーツにおいても、年齢を重ねることによる影響などはあるのでしょうか?
  • 梅原:
    eスポーツの世界では、新しいゲームが出るとルールが変わってしまうので、「このゲームで勝つためにはこういう戦法が有効だ」とか、その都度対応していくのが大変なんです。年齢を重ねていくと、若い頃よりも「吸収力」みたいなものが落ちてしまいますからね。それまでに得た常識とかで思考が凝り固まっているせいで、新しいものをすぐに吸収できなくなってしまうんです。
  • 岩政:
    確かに、それは年齢からくるものでしょうね。サッカー選手も同じで、ベテランになると自分の価値観で凝り固まって、新しいものがなかなか入ってこないんです。
  • 梅原:
    レイヤーの入れ替わりも激しいですよ。今、eスポーツ界で世界で最も人気のある「League of Legends」(リーグ・オブ・レジェンド)というゲームでは、選手としての寿命が20代前半だと言われています。反射神経が大事な要素なので、その能力が衰えているとついていけなくなってしまう。2年前にスター扱いされていたプレイヤーが、今では全く名前を聞かない、というくらいに入れ替わっています。僕がeスポーツの世界で名前を知られているのは、長い間この世界にいるからなんですよ。格闘ゲームはあまり年齢に左右されないジャンルなので、それでやっていけているんだと思います。
  • 岩政:
    とはいえ、格闘ゲームでも新しい選手が後からどんどん出てきますよね?
  • 梅原:
    そうですね。なので、自分の戦略を常に見直しています。一度大会に出て優勝すると、その戦い方はすぐに広まってしまうので、すべてを変えるわけではありませんが、細かいところは変えていって、次の大会までに新しい作戦を考えておかないと厳しい。格闘ゲームのキャラクターの強さはいついかなる時も同じで、体を鍛えて能力を上げたりすることができませんから、戦略で相手を上回っていないと勝てないんです。
  • 岩政:
    実は僕も戦略が一番好きなんです。他のスポーツであれば、たとえばパワーを上げてごまかせる場合もあるとは思いますが、ゲームの世界ではそういうごまかしが利きませんもんね。そういう意味では、サッカーよりも戦略が緻密かもしれません。
  • 梅原:
    それと、ゲームの世界は「分業」じゃないっていうことも特徴ですね。技術練習のメニューも、どう戦うかという戦略も、すべて自分で考えなくてはならない。今後この業界が進歩していくと、プレイヤーはおそらく「プレイするだけ」になると思います。今のeスポーツ界を見ても、プレイヤーが純粋にプレイするだけの仕事に特化すれば、もっと上のクラスにいけるだろうなという人はいっぱいいます。でも、そういう人たちは自分で考えるのが苦手なので、今の僕は総合力で勝負しているという気がしますね。
  • 岩政:
    今後はeスポーツの世界にもトレーナーのような人が出てくる可能性がある、と。
  • 梅原:
    韓国にはすでにいます。チームで対戦するゲームにおいては、韓国や欧米にはすでにいます。才能があるプレイヤーはゲームに集中し、練習内容などはコーチやトレーナーが考える、という形です。
  • 岩政:
    も一方で、コーチがいない状態で一人で考えるほうが、選手寿命が延びるんじゃないかとも思います。サッカーの指導をしていて難しいのは、教えれば教えるほど選手自身が考えなくなってしまうということです。もちろん必要なことは教えますが、この教える、教えないのバランスがすごく難しい。
  • 梅原:
    単純に勝ったか負けたかを競うのであれば、やはり分業でやったほうが強いのかなとは思います。プレイ面だけを見ると、若手のほうが強いなと感じることがありますが、経験とか戦略のように年齢によって積み重なっていくものはあるじゃないですか? それらを駆使していくことで、僕は今でも勝負が続けられているんです。
  • 岩政:
    若い人のほうが有利というのはどんな場面でしょうか?
  • 梅原:
    バたとえば、「この1点にだけ集中して反応してください」というテーマであれば、誰がやってもそれほど変わらないと思います。でも、何かが予想だにしないタイミングで起きた場合は、若い人のほうが素早く対処できるんですよ。その代わり、ベテランのプレイヤーは「対処しなくてはいけない部分だけ」を押さえながらプレイするのがうまいんです。「ここは見なきゃいけないけど、ここは見なくてもいいや」とか、「この相手は、こことここの組み合わせを見ておけば大丈夫だな」とか。ポイントを絞るわけですね。
  • 岩政:
    なるほど。長らくゲームの世界で生きてきた梅原さんのようなプレイヤーだからこそ、という部分ですよね。
  • 梅原:
    僕は、格闘ゲームのプレイヤーというのは個人事業主だと思っているんです。でも、これからレベルが上がっていくと、きっと一人ひとりが“駒”になっていく。僕の場合は一人で全部やることが好きで、だからこそ格闘ゲームにハマったわけですが、これからこの世界がもっと発展していけば、良く言えばシビアになって、悪く言えば自分だけの欲求が通らなくなる。でも、だからといって自分の欲求を押し通して試合に負けているようでは、プロとしてはダメなわけですよ。そこは難しいところですよね。
  • プロのアスリートであれば、当然ながら日々のトレーニングは欠かせませんよね?
    梅原さんは1日で何時間くらい練習をしているんでしょうか。
  • 梅原:
    この世界はまだサッカーほど洗練されていないので、最初はどれくらい練習すればいいのかが分かりませんでした。前例がなかったので参考になる情報もなかったのでね。でも、プロになった以上は人生のすべてを費やさなければいけないと思っていたので、最初の年は1日に16時間ぐらい練習をしていました。
  • 岩政:
    すごい! それは何歳くらいの頃ですか?
  • 梅原:
    29歳ですね。プロゲーマーになった最初の年は、がむしゃらに練習していました。でも、段々と痙攣が起きてくるし、精神的にもまともな状態ではなくなっていくんですよ。それで2年目、3年目とどんどんやり方を変えていくようになって、今が一番練習時間が短いと思います。長くて6時間、短い時は4時間くらいですね。
  • 岩政:
    試合の日が近づくと、練習の量を減らしたりして調整するんですか?
  • 梅原:
    トーナメント戦の大会ではいろいろな相手と対戦するので、それぞれの対策を立てる必要があります。3日間くらいかけて開催される大会が多いんですが、そういう時は量よりも質のほうが大事ですね。試合が始まるタイミングにどれだけ集中できて、どれだけ持続させられるかがポイントになるので、集中力が切れたと思った時は外に出て歩いたりします。
  • 岩政:
    試合前にはプレッシャーを感じますか?
  • 梅原:
    昔に比べたらだいぶなくなりましたね。中学生の頃から大会に出ているので、場の雰囲気に対する慣れはあります。でも、このくらいの年齢になってくると、慣れているせいで気迫が削がれてくる部分があるじゃないですか? 若い頃は、緊張していても「いいところを見せてやる!」って思ったりもしていましたが、最近は若い人に比べるとそういう部分がちょっと欠けてきたのかなって。だから今は「誰よりもハングリーでいよう」と意識するようにしています。
  • 岩政:
    いやあ、その気持ちはよく分かります。僕も全く一緒ですよ! ちなみに、試合を分析するデータみたいなものはあるんですか。
  • 梅原:
    今の段階ではデータも自分で取るしかないんです。若い頃は印象で決めていた部分もあったんですが、年齢を重ねるうちに客観的なデータが大事なんだなって思うようになりました。今、僕がプレイしている格闘ゲームはボタンが全部で6個あるんですけど、この場面ではどのボタンを押したらいい結果が出るのかとか、この技は弱いと思っていたけど、実は調べてみると強かったりとか、俯瞰して見ることで分かることがある。そういうデータを集められるソフトがあればいいんですけど、今は手作業なので大変です。
  • 岩政:
    確かにそういうデータやソフトがあったら誰でも欲しくなりますよね。
  • 梅原:
    今はオンラインで対戦ができるようになって、昔と比べるとプレイヤー間の差が生まれにくくなっているとは思います。でも、まだまだ発展途上の世界だからこそ、そういう面で差をつけられる部分があるとは思いますね。

「ゲーム出身のサッカーコーチ」は誕生するか

  • 梅原さんはeスポーツの世界で勝つために必要な能力は何だと思いますか?
  • 梅原:
    先ほども言ったように、格闘ゲームにはあまり年齢の影響がありません。でも、たとえ才能があっても、若い頃に努力しないでいると勝てなくなる。逆に言うと、若いうちから論理的に考えて勝ってきたプレイヤーは、年を取ってからもずっと強いんですよ。経験を積んできちんと考えて勝っているプレイヤーの場合は、むしろ30代が一番強い時期になるんです。
  • 岩政:
    勝ち続けるには、やはり論理的思考が求められる、と。
  • 梅原:
    長い目で見た場合には絶対に必要ですね。ゲームには才能の要素もあるので、一時期であれば勢いだけでも勝てますが、コーチがいるわけではありませんし、1、2年しか持ちませんね。そういえば、サッカーゲームの場合はピッチ全体を俯瞰して見ますよね? さらに、自分が走るわけではないので、実際のサッカーよりも数がこなせる。そうすると、サッカー選手としては成長しなくても、もしかしたら監督としての能力が磨かれるかもしれません。韓国には徴兵制がありますが、FPSのプロゲーマーは訓練での成績がすごくいいらしいんです。射撃が正確で、立ち回りや陣形をどうするかといった戦略を立てるのがうまい。サッカーゲームでは現実では考えられないほどの試合数をこなせるので、シミュレーション能力が高まると思いますし、いずれ監督やコーチが出てくるかもしれません。
  • 岩政:
    僕も子供がゲームで遊ぶことでシミュレーション能力が育つんじゃないか思っています。自分が子どもの頃もサッカーゲームはありましたけど、今はすごくリアルになっていますからね。子供の頃から実際のサッカーと並行してゲームも遊んで、いろいろとリンクさせながらやっていけば、もしかしたら変わっていくのかなって思います。
  • 梅原:
    レーシングゲームのプロゲーマーが、実際のレーシングカーを走らせてみたらすごくうまかったという話も聞いたことがあります。サッカーや野球のように、走ったり蹴ったり打ったりといった筋力が必要なものでは難しいかもしれませんが、マシンを扱うだけであれば、シミュレーションするだけでもかなり通用するんだな、と。
  • 岩政:
    試合中に「ここに自分が動いたら相手がこう動くから、次にこうしよう」みたいなシミュレーションができる子って少ないんですよ。そういう能力はすごく大事なんですけど、日本のサッカー界ではどんどん衰えているような気がしています。もしかしたら、ゲームがそれを解決するための処方箋になるかもしれせんね。
  • 梅原:
    「この場面ではこう動くべき」というように俯瞰しながら立体的に考える訓練としては、ゲームが活用できるかもしれません。
  • 岩政:
    もちろん、サッカーの練習はちゃんとしなきゃだめですよ(笑)。その合間に、ゲームでシミュレーションをするのがいいのかなと思います。実際、自分で考えながら会話ができる子が減ってきているので、ゲームを使えば仲間と話し合いをしながら考えやすくなる可能性はありそうですね。
  • 梅原:
    「FIFA」シリーズの上手なプレイヤーとサッカー選手が対談したら、実はサッカーのことがよく分かっているなあという新しい発見があるかもしれませんよ。彼らは、日々ものすごい数のシミュレーションをしていますし、ある意味、その能力だけを突き詰めてきた人たちなので。
  • 岩政:
    それはいいアイデアですね! 今度、僕も試してみようかな(笑)。
  • 将来的にはゲームの世界からサッカーの戦術担当コーチが誕生する可能性もありそうですね。
  • 梅原:
    十分にあると思いますよ。
  • そうした様々な可能性を秘めたeスポーツの世界にJリーグが参入し、「明治安田生命eJ.LEAGUE」が誕生しました。たとえばサッカーゲームで日本人プレイヤーが世界一になる可能性はあると思いますか?
  • 梅原:
    フランスのように、実際のサッカーが盛んな国はサッカーゲームも強くて、格闘ゲームよりも「FIFA」のほうが盛んですね。ゲームの場合は体格は全く関係ありませんし、指先だけの勝負なので、日本人でも勝てるようになる可能性はあると思います。
  • 岩政:
    ゲームの世界でも「日本人らしさ」というか、日本人ならではの特徴やプレイスタイルみたいなものはあるんですか?
  • 梅原:
    日本人は細かいですね。欧米の人たちは反射神経がよくても大雑把なところもあるので、反射神経が関係ないゲームでは日本をはじめアジア勢が圧勝しています。料理がこれだけ充実しているのも、アジアの人たちに緻密で細かい、繊細といった文化的特徴があるからだろうなと思います。
  • 岩政:
    こうして梅原さんとお話しする機会をいただいたおかげで、eスポーツにすごく興味が湧いてきました。自分はずっと「フィジカル系の選手」として見られていましたけど、試合中はどういう戦略で相手に勝つか、いつもそればかり考えていたんです。「明治安田生命eJ.LEAGUE」の場合は、まさに戦略だけの戦いになるわけですから、ぜひ試合を見たいですね。将来的には、サッカーとゲームの世界がうまくリンクしながら、日本サッカー全体の発展につながっていけばいいなと思います。
梅原大吾(うめはら・だいご)
梅原大吾(うめはら・だいご)

1981年5月19日、青森県生まれ。15歳で国内大会を制し、17歳で世界大会を制覇した格闘ゲーム界のカリスマ。2010年に米国企業とプロ契約を結び、日本初のプロゲーマーとなった。自身の生い立ちや勝負の哲学を綴った著書「世界一プロ・ゲーマーの『仕事術』 勝ち続ける意志力」(小学館)は、ゲームファンのみならずビジネスパーソンからも高い支持を獲得した。海外では唯一無二の先天的なプレイスタイルから「Beast」(ビースト)として知られる。

岩政大樹(いわまさ・だいき)
岩政大樹(いわまさ・だいき)

1982年1月30日、山口県生まれ。元サッカー日本代表DF。2004年に東京学芸大学を卒業し、鹿島アントラーズに加入すると、10年間でリーグ戦290試合に出場し、3度のJ1リーグ制覇を経験。鹿島アントラーズ退団後はタイのトップリーグに所属するテロ・サーサナとファジアーノ岡山でプレーし、昨年から関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCで選手兼コーチを務めている。