なでしこジャパン日本女子代表は、7月13日のワールドカップ準決勝でスウェーデンを逆転で破って初の決勝進出を決めたが、この試合のMVPに選出されたMF宮間あやは、いつも通りの姿勢で臨んだことが奏効したと振り返った。
「大きな試合だが、みんなで一丸となって戦う試合には変わりがない。気負うことなく、いつも通りの自分たちでいようと、試合前に選手同士で話していた」と宮間は言い、前半11分にはスウェーデンに先制を許したが、チームに動揺はなかったという。
「サッカーの試合ではビハインドの状況はいくらでもある。特にみんな動じることもなく、自分たちがやってきたことをやれば、必ず結果は付いてくると思っていた」と話した。
その言葉通りに、宮間は冷静なプレーで、前半18分にFW川澄の同点弾、後半60分のMF勝ち越しゴール、同64分の川澄のダメ押しゴールを演出した。
「川澄選手のゴールも澤選手のゴールも、2点とも粘って得点に結びつけたもの。もう少し崩せるところはあるし、攻めていける。そうしないとアメリカには勝てない」と気を引き締め、「最後の笛を聴いたときは、次に向けて始まりだと思った。アメリカには負け続けているので、いい加減、負けるわけにはいかない」と言った。
MF阪口も、「やってみると相手のプレッシャーがなく、ボールもどんどん回せたので、これはいけるのではないかと思った。失点したが取り返せるという自信はあった」と振り返った。
今大会初めての先発出場で2得点をあげ、守備でも貢献した川澄は、「自分はスタメン1試合目で出場時間もぜんぜんなかったので、コンディションはすごくよかった。2得点出来てうれしかったが、それくらいできないといけないんじゃないかというプレッシャーを自分に与えながらやった」という。
「1点目はいいボールがきたので合わせるだけだった。入ったと分かってうれしかった。2点目は追加点がとれるといいと思っていた時だった。GK前へ出ているのがわかったので、思い切って打った」と振り返った。
この日のゴールで通算得点を79ゴールに伸ばしたMF澤穂希も、「普段と変わらず、リラックスして出来た」と言う。
前半11分には、DF岩清水へのパスを相手にさらわれて、先制点につなげられていたが、その場面を振り返り、「いつもの感覚でやったら、芝が長くて(思ったようにパスが)伸びなくてまずいと思った。ハーフタイムにみんなに謝って、『自分で(点を)取って帳消しにしてください』と言われた。みんなに助けられた試合だった。(得点した)川澄にはありがとうと言った」と話した。
澤は、「大会前から、メダルを取れるメンバーだし、このメンバーじゃないと取れないと言ってきた。チームメイトにすごく助けられながらやってきている。この勢いで頂点を取りたい。ワールドカップのメダルはずっと夢見ていた。(金、銀)どちらの色のメダルでもうれしいが、一番いい色のメダルを取りたい」と言った。
右サイドで攻守に貢献したMF大野は、45000人以上の観客で沸いた試合に、「あれだけのお客さんが見にきてくれる中で、日本のサッカーを見せられるチャンスだと思ってやった。楽しかった。ドイツ戦での(自分のプレーに対して)悔しさがあったので、今日は、失うものは何もないので思い切りぶつけていこうと思っていた。準決勝だと意識することなく、1年間トータルで戦う上での1試合に過ぎないと(選手間で)話をしていた。そこで勝てて、結果的にファイナルにつながっている」と話した。
同点弾の場面では、右でボールを受けるとドリブルで中央に切れ込み、左サイドにいる宮間へパスを出した。「前の試合で、自分が中に入った時は宮間選手に左サイドに入ってほしいと言ったことがあり、それが生きたかたち」と言う。「決勝の舞台に立つことはまだ実感がわかないが、アメリカを倒して優勝したいと(みんなで)話している」。
試合の終盤、途中出場で今大会初めてプレー機会を得たMF上尾野辺は、「試合に出られてうれしかったが、ここで満足しないで、もっとプレーしたいと思う。次の試合もチーム一丸で、楽しんで思い切りプレーしたい。サブだとしても、チームを支えたい」と言った。
以上
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