11月17日、北九州はホーム本城での今季最後の公式戦を行う。まだアウェイの札幌戦も残っているが、2013年シーズンも終わろうとしている。昨季から残った選手７人の内の１人、宮本亨はシーズン開幕前にある目標を立てていた。「全試合フル出場」。昨年までは熱いプレーが災いし、カードをもらうことが多かった男の、今季に賭ける並々ならぬ決意を感じた。ここまでのことを聞くつもりはなかったが、普段とは違った顔で、静かに語ってくれた言葉を聞いてほしい。

Q：まだ残り２試合ありますが、今季はどんな１年でしたか？
「いろいろあったけど、誰も満足はしていない。常に上を目指してやってきたが、いろいろな状況を乗り越えなきゃならなかった。もちろん、プロとしてそれを言い訳にするつもりはない。シーズン当初は悩んだ時期もあったが、みんなチームとしての理解を深めて、良いサッカーをして勝とうと、毎日トレーニングを積んできた」

Q：シーズン前の目標、覚えていますか？
「柱さん（柱谷幸一監督）が掲げた「結果にこだわる・内容にこだわる・フェアプレー」に共感して、開幕前に全試合フル出場という目標を立てた。残念ながら開幕戦で叶わなくなったが、長いシーズンの中で、出ている時も出られない時も、どうやったら自分がチームのためになるか、結果を残せるか。 課題を見つけながらやってきた。今季はここまで累積での出場停止はなかったが、３枚の内２枚はいらないイエローカードだった。まだ技術やポジショニングに問題があって、それは改善できることだと思う。直せるし、もっともっと技術を向上させてうまくなりたい」

Q：明日は、ホームでの最終戦ですが？
「今季はあまりホームで勝ち試合を見せられていない（６勝３分11敗）。そんな中でも、サポーターの応援が力になった。その応援に応えるためにも、自分たちはもっと頑張らないといけない。今のチームには可能性があると感じている。細かい部分も要求しあっているし、コミュニケーションも取れている。残り２試合、しっかりと結果を残したい」

文字にしたら、とても短く感じるかもしれないが、ゆっくり時間をかけて考え、言葉を選び、１つ１つの言葉に間を取って話してくれた。終わった後に、いつもの顔に戻って「坂本さん、長いから嫌なんだよね〜」と笑いながら、まるで自分の照れを隠すように帰って行った宮本亨選手。 今、イエローカードは累積3２枚。ファン・サポーターの皆さんと同じく、宮本選手が最終戦のピッチに立てるのを祈るばかりです。

以上

2013.11.16 Reported by 坂本真