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【J2:第37節 群馬 vs 京都】プレビュー:ボトム3・20位群馬とトップ3・3位京都のバトル。群馬は京都の連勝を止めて下位脱出を図る。(13.10.20)

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ボトム3に位置する20位群馬とトップ3に位置する3位京都が正田スタで激突する。36節を終えた時点で両チームの勝点差は29。この結果が示すようにチームの総合力の差は決して小さくはない。だが残り6試合となったシーズン佳境の戦いに、順位やチームの差は反映されない。降格ラインぎりぎりを彷徨う群馬は、破竹の5連勝中の京都から勝点3を奪ってJ2残留へのクサビを打ち込む。

安心している暇は一瞬たりともない。群馬は前節札幌戦で3−1で勝利を挙げて5試合ぶりの勝点3を獲得、連敗を4で止めてホームへと戻ってきた。だが、9月4連敗のうちのたった一つを返したに過ぎない。最下位鳥取との勝点差は6だが、今節群馬が負けて鳥取が勝利を収めればその差は3へと縮まる。群馬は40節に鳥取との直接対決を控えていることもあり、予断は許さない状況。さらに群馬の残り2戦は神戸とG大阪であるという現実を考えれば40節までに残留を決めなければいけない。群馬は今節からの4試合にクラブの未来をかける。

前節、群馬には救世主が出現した。ブラジル人ストライカー・エデルだ。7月14日の長崎戦以来12試合ぶりに先発出場したエデルは、これまでの鬱憤を晴らすかのように前線で闘争心溢れるプレーを披露。前半4分には青木孝太のラストパスを押し込んで先制、後半1分には保崎淳のミドルシュートのこぼれ球を拾って2ゴール。チームの窮地を救う活躍でその存在を大きくアピールしてみせた。「チームを残留させることが自分たちの役割。貴重な勝利に貢献できて本当にうれしかった」(エデル)。

今季11試合しかスターティングメンバーに入っていないエデルだがチームが挙げた8勝中5勝はエデルが先発。屈強なフィジカルを活かしたポストプレーがチームの潤滑油になっている。エデルとコンビを組むエース平繁龍一は「エデルがボールをキープしてくれるので自分の負担が減る。エデルとは良い関係でプレーできているので自分もゴールへ向かうことができる」とエデル効果を説明する。エース平繁とエデルの2トップにロビーニョを加えた攻撃陣が、対戦相手に一番脅威を与えられる布陣であることは間違いない。群馬は、揃い始めた駒をいかに使うかが焦点だ。

正田スタへ乗り込んでくる京都は前節最下位鳥取の粘りに苦しみながらも1点を守り抜いて5連勝を達成。シーズン終盤へ向けてギアを一気に上げてきている。前節、右サイドからのクロスを押し込む形でゴールを決めた1トップ横谷繁は5戦3ゴールと好調。4バックの整ったDFラインをベースに安定したサッカーを展開。山瀬功治、工藤浩平、倉貫一毅ら経験豊富な選手が流動的に動いてゲームを動かしている。

京都からの勝利を狙う秋葉忠宏監督は「京都は連勝中で勢いに乗っているが絶対に隙はある。1対1や球際などの局地戦で負けないことが勝利への絶対条件だ」と力を込める。11年まで京都に在籍した加藤弘堅は「京都はシーズン終盤になるとチームが完成してきて強さを発揮する。そのチームに勝ち切るには、1プレー1プレーに気持ちを入れる必要がある」と古巣撃破を誓う。

長かったシーズンも残り6試合。残留争いに真っ只中にいる群馬は今節京都、次節岡山のホーム2連戦のホームアドバンテージを活かして勝点を奪わなければいけない。守護神北一真は「相手はもう関係ない。自分たちが勝点を奪うしか生き残る道はない。サポーターのために自分たちのために1試合でも早く残留を決めたい」と京都戦へ集中を高める。群馬にとってここからの勝利、ゴールは単なる1勝、1点ではない。クラブの未来が懸かった勝利、ゴールとなる。選手は、クラブに関わるすべての人のために残留の意志をピッチで示さなければならない。

以上

2013.10.19 Reported by 伊藤寿学
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