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【J2:第37節 栃木 vs 東京V】プレビュー:手応えの継続+課題の克服=男の仕事の完遂。名門打倒を足掛かりに、栃木は上へ上へと突き進む。(13.10.20)

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図ったとしか思えないカードである。栃木にとって10月の東京V戦は因縁深い。ホームで2‐4と敗れた一昨年は昇格の芽を摘まれ、昨年はアウェイで1‐4の大敗を喫してプレーオフ進出の望みを断たれた。近年の対戦成績こそ悪くはないが、勝負所で名門の壁を打ち破れずに苦杯を舐めている。今回も逆転でのプレーオフ進出が懸かっており、この一戦は極めて重要な意味を持つ。それだけに、高木和正の言葉にも、自然と熱が帯びる。
「ヴェルディ戦に負けたら今年が終わる。先はないと思っている」
残り6試合で6位・長崎との勝点差は7。ひとつも落とせない、スリリングな状況が続く。置かれた状況は極めて厳しいが、そのプレッシャーを跳ね除けた時、松本育夫監督の言葉を借りれば「男の仕事」をやり遂げた時には、これまでに味わったことのない歓喜にありつけるはずだ。未知の世界への扉を開けるためにも、東京V打倒は不可欠なミッションになる。

「うちの選手も恐れずにやれていた部分、できていた部分もある。負けたからといって悲観することはない」(GK榎本達也)
栃木はミッドウイークに横浜FMに挑んだ。一時は同点に持ち込みながらも、さすがはJ1で2位のチームである。突き放されて1‐3で屈した。天皇杯は3回戦敗退となったが、少なくない収穫と改善すべき課題の両方が見付かった。つまり、今後に向けて有益な敗戦だったと言える。

「高い位置でボールを奪ってからチャンスを作れた」(廣瀬浩二)ことが、ポジティブな要素として挙げられる。前半こそ相手の勢いに押し込まれ、思うような展開に引きずり込めなかったものの、後半になると連動したプレスが効力を発揮したことで主導権を掌握できた。埋め難い技術の差は、勇気でカバーした。それは、4‐2で撃ち勝ったG大阪戦の勝因でもある。怯まずに立ち向かうメンタリティさえあれば、今の栃木ならばどんな相手にでも伍して戦える。前から果敢にボールを取りに行くことはリスクを伴う。ましてや相手はパス回しに長ける東京Vである。ひとつ外されればピンチになる確率は高い。だが、受けに回るようでは横浜FM戦の二の舞になるだけだ。「相手をフリーにさせない。攻撃の糸口を早く摘む」(松本監督)ことに特化した、今週のトレーニングの成果を発揮できれば横浜FMを慌てさせたカウンターを撃ち込めるはずだ。3バック+1ボランチの東京Vには、付け入る隙がかなりある。高い位置でのボール奪取から精度が戻りつつある堅守速攻に、相手を陥れたい。

ネガティブな要素は、バイタルエリアを侵略されてしまったこと。アンカーのパウリーニョと周囲の選手が挟み込む策は、トップ下の中村俊輔の巧みなポジショニングにより脆くも打ち砕かれた。東京Vは2トップの下に2シャドーが構える。経験豊富な西紀寛と飯尾一慶は、DFラインと中盤の間を漂うように動くことが予想される。そこで起点を作られてしまうと、栃木としては後手に回るケースが増える。「多少ファウル気味でもガツガツ行く必要がある。自分がFWだったら、厳しくされるのは嫌だから」と近藤祐介が言うように、タイトなくっ付くDFを意識できれば相手の攻撃力を削げるはずだ。前節、東京Vを零封した愛媛のような激しさが求められるだろう。

リーグ前半戦は堅守を誇った東京Vだが、一転して後半戦は失点がかさんでいる。そのため、11位と低迷中。前節は愛媛に4失点、天皇杯3回戦では川崎Fに3失点を献上した。愛媛戦では出足で劣り中盤でボールが拾えずに、全くチャンスを作れなかった。いかに前線から意思統一された守備ができるか。そこが栃木戦のポイントのひとつになるだろう。ふたつ目のポイントは、2試合連続無得点の攻撃陣の奮起だ。最大の売りが鳴りを潜めていては、勝機が薄れるのも言わずもがなである。元日本代表の高原直泰と巻誠一郎の2トップに良質なボールを届け、チャンスを生み出してゴールネットを揺らしたい。栃木同様、6位以内に黄色信号が灯る東京Vの浮沈の鍵は、何を置いても攻撃力が握るのは言うまでもない。果たして復調の兆しは見られるのだろうか。

「全部勝ちたいが、まずはひとつずつだね。落とせない試合が続くから一戦必勝で臨みたい。ヴェルディ戦に勝つことが、後に繋がってくる。非常に重要な一戦だと位置付けている」
リーグ戦はラスト6試合。その中でホームゲームは、わずか2試合だけである。「応援してくれた方、サポーターに勝利をプレゼントしたい」と松本監督は固く誓い、「選手の意欲が高まるように、そういう意識付けができるように僕が持っていく」と約束もした。稀代のモチベーターは、必ず「男の仕事」を果たしてくれるはずだ。栃木は名門の壁を乗り越え、松本体制2度目の連勝を狙う。

以上

2013.10.19 Reported by 大塚秀毅
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