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【J2:第6節 京都 vs 徳島】レポート:徳島が京都に競り勝ち3連勝。京都は連敗となる(13.04.01)

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西京極での京都と徳島の一戦は、徳島が京都に競り勝ち3連勝、京都は連敗となった。
メンバーでは、徳島が1トップに高崎寛之を起用。京都は前節から復帰した中山博貴を中盤中央に配置した。試合は、大木武監督が「割と落ち着いて上手く入った」と語った通り、京都が丁寧に回す立ち上がりとなった。12分には工藤浩平が相手ボールをカットしてからチャンスを作り、逆に徳島は京都のボールをカットしてから縦に力強い攻撃を見せ、14分には高崎のポストプレーから、そこを追い越していった津田知宏へと渡りフィニッシュまで持ち込み、そのすぐ後には高崎がDFを引きずりながらシュートまで持ち込んだ。
京都が攻めて徳島が返すという図式の中、26分にスコアが動く。中盤でカットした徳島は右サイドに展開。太田圭輔を追い越した福元洋平がマイナスにクロスを入れるとそこには柴崎晃誠。柴崎がこれを決めて徳島が先制する。
これを受けて京都が前線のスペースへ早めに送る様になると、ゲームが動き出す。前半終了間際の44分、京都はCKからこぼれ球を中央へ送ると混戦の中、染谷悠太が決めるが、これはその前のプレーがオフサイドの判定となる。

後半、追いつきたい京都だったが、徳島に一瞬の隙を突かれる。後半6分、京都が徳島を追いたててGKにバックパスをさせると、GKがこれを大きく蹴りだす。これを処理しきれなかった京都は、徳島・高崎の守備に遭いボールをこぼす。それを大崎淳矢が前線の津田へ。津田が、京都DFの当たりをものともせず持ち込みゴールに流し込む。徳島が2-0とリードを広げた。
攻めるしかない京都は横谷繁(後半9分、out酒井隆介)、久保裕也(同16分、out宮吉拓実)、三平和司(同20分、out中山博貴)を投入。駒井善成、三平が両サイド、安藤淳がDFラインの前に入り相手2シャドーを見張る様な形にする。
後半30分には横谷がエリア内に入ってシュートを放つなど、京都は攻め立てるも徳島の堅い守備に阻まれる。そして追加タイム。横谷が中盤で前を向くと、DFラインの裏へ斜めに走り抜ける三平へ。完全にDFの背後を取りGKまでかわした三平はファールを受けてPKを獲得。これを原一樹が決めて京都は1-2と追いすがるもタイムアップ。結局、徳島が競り勝ち3連勝とした。

試合後、徳島・小林伸二監督は「今までの中で一番守備が出来た」と選手をたたえた。京都の攻撃について「回されている中で(京都の)攻撃がどうやって行われているか」という意識を持たせ、「(京都の攻撃が)どうしたら速くなるか」ということと「(京都が)展開している中で(京都の)トップライン(と徳島の最終ライン)の駆け引きがあるので、そこに必ず縦パスが必ず入る」ことをポイントに守備の準備をしていたことを明かした。
その様に分析されるだろう、とは想定できる。だが、京都は2列目がゴール前に入って得点を奪う形もあり、攻撃の引き出しは一つではないのだが、それを出せなかった以上は、悔しいが反論はできない。

京都のサッカーは「パスサッカー」と呼ばれる。だが「パスをつなぐ」ことよりも「主導権を握るサッカー」と「ボールを中心としたサッカー」というコンセプトの方が重要だと思う。
「主導権を握る」と出すと「ボールを支配する」とか「ポゼッション」と解釈されるが、主導権を取るというのは「こういう風にして相手ゴール前にボールを運びたい」の「こういう風が出来る」ことだと思う。「こういう風」が「パスをつないで」の場合もあれば、「スペースに送って」という場合もある。「サイドで」というのもあるだろう。チームによっては「ターゲットに当てて」とか「サイドチェンジを繰り返して」というのもある。やり方は色々あるが、やろうとしていることが表現できている時が「主導権を握っている」と言える、と思っている。
「ボールを支配すること」が必ずしも「主導権を握る」ことにつながらないと言う理由は、守備での主導権もあるからだ。つまり、「こういう風に相手からボールを奪いたい」の「こういう風に」が表現できれば、「やりたいサッカーが出来ている」ことになって、それは「主導権を握っている」ということにもなる。
そこで今節。京都はパスをつないで攻めようとして、徳島は奪って速く攻めようとした。徳島の力強い攻撃が出て、かつ、京都が徳島ゴールに迫ることが少なかったので、徳島の方が主導権を握っている場面が多かったとなる。それを続けて、京都が局面を打開しようとするのも手だが、それ以外に主導権の握り方について京都が視点を変えても良かったのでは、という印象が残る。それは、京都が徳島ボールを奪いに行く図式にすることである。
その時「ボールを中心にしたサッカー」というのもポイントになる。ボールのある所に一人、二人と必ず京都の選手もいる。プレッシャーを感じた相手が、パスをつなごうとすればそこを奪う。「奪いに行く京都」、これで主導権を握ろうとする。
相手の攻撃を止めようとする以前に、相手に攻撃させないという考え方。相手DFのボールを奪いに行くことで前へ送られるボールの精度を下げさせる。それでも入ってしまうならまたそのボールを全力で奪いに行く。これは「ボールを中心にしたサッカー」をしないと表現できない。また、それ以上に、ボールを奪えばそこから人が湧き出る様に展開できる。第2節の東京V戦と今節の京都は雰囲気に違いがあった様に感じさせられた。相手が1トップ2シャドーに早く入れてくるからその対応を徹底しようとしたのも分かるが、「長いボールを蹴らせない」ことを強く意識させる、という考え方もあったのではないか。

最後に、今節、途中出場した横谷の頑張りは高く評価したい。「前でボールを待つ」のではなく、ボールをもらいに行き、ボールに触ってリズムを作って、何よりも、一つ前、もう一つ前と、相手陣内に入り込んで行こうとしていた。相手エリア内に入って前を向いてシュートを放ったのは今節が初めてではないだろうか。苦しい状況で「何とかしてやろう」という気持ちが伝わって来た素晴らしいプレーだったと思う。
負けたのは悔しいが「何とかしてやろう」という選手が出てきたのは収穫でもある。前を向いて次に進んで欲しい。

以上

2013.04.01 Reported by 武田賢宗
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