仙台はJ1第4節・Ｃ大阪戦を終え、大阪の地からソウル入り。移動した3月30日から現地で調整を行い、4月2日のACL・FCソウル戦に備える。

FCソウルの本拠地・ソウルワールドカップスタジアムの周辺を中心に、ソウル市内には仙台戦をPRする横断幕が見られる。2戦を終えてEグループ首位のFCソウルだが、まだ2位との勝点差は2。ホームの試合で抜け出そうと、攻勢をかけてくることは想像に難くない。なにより国内リーグでなかなか勝ち星をあげられない状況を打開するために、昨季のKリーグ王者はこのACLで勢いをつけようとしてくる。

ここでは、直近の3月30日に開催されたKリーグクラシック（韓国1部）第4節・慶南FC戦で得点した二人の選手に注目したい。
ひとりはエースのデヤン・ダムヤノビッチ。昨季のKリーグ得点王にしてMVPのストライカーは、チーム同様に序盤で苦しんでいたものの、調子を上げてきている。3月26日にモンテネグロ代表の一員としてW杯予選を戦い、イングランド相手に同点ゴールを決めてチームに帰還。国内リーグ戦でも得点と、これ以上乗せてはいけない相手だ。もうひとりの得点者・エスクデロ・セルヒオも、浦和の一員として仙台と対戦経験がある要注意人物。突破力を生かしてFCソウルの攻撃を引っ張っている。

仙台はこのFCソウルを相手に、今週と来週にそれぞれの本拠地で戦う事になる。強敵が相手だが、グループリーグ突破のためにはこの2戦が山だ。「まだACLでは2引き分け。勝利が欲しい」（佐々木勇人）、「まだ（公式戦で）アウェイでの勝点3を取っていない。今度こそアウェイで勝って、ホームに戻った時のために勢いをつけたい」（ヘベルチ）と、選手たちはFCソウル戦の重要性を理解している。

仙台にとっては敵地で強敵を相手にするとあっては守備重視の戦い方が現実的で、相手にボールを持たれる時間が長くなることも覚悟しなければいけない。だからこそ、ボールを持った時間の使い方がカギになる。J1第4節のＣ大阪戦ではボールを持った時にフィニッシュに持ち込むまでの工夫に課題があった。「この後のACLも含めて（Ｃ大阪戦の）課題、ボールを握れたときの失い方がもったいなかったところを修正して高めたい。もっとゴールを奪う可能性を信じて修正したい」と手倉森誠監督は攻撃面での課題に言及する。

コンディション面を考えて、仙台はＣ大阪戦からベンチ入りのメンバーを入れ替えた。赤嶺真吾や角田誠ら負傷者を欠くが、ACLのここまでの2戦で力を発揮してきたジオゴや蜂須賀孝治はこのFCソウル戦でも守備の強さを発揮してくれるだろう。あとはそこからどう攻撃に転じるか。「大量失点しなければ1、2点を取って勝てるイメージを持って戦います。中国での試合（第2戦・江蘇戦）のように粘り強くやりたい」という田村直也の言葉通り、仙台はこの厳しい一戦でもACL初勝利を目指す。

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2013.04.01 Reported by 板垣晴朗