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【J1:第4節 鳥栖 vs 神戸】レポート:「鳥栖が見せたようなハードワークが、神戸の持ち味だったはず…」敵将を唸らせたハードワークで、鳥栖が神戸に完勝。(12.04.01)

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「鳥栖には、名の馳せた選手もいなければ、多くの経験を持った選手もいない。だから、相手より走らないと…」
尹晶煥監督が、常々口にする言葉である。謙遜でも、お世辞でもない本心なのである。だからこそ、90分間走りまわり、ボールを追い、常にゴールを目指すサッカーを求めている。選手たちも、異口同音に自分たちの立場を語る。
「うちはどこと当たっても相手が格上。90分間を走りきるつもりで最後まで頑張る」とは、DFラインを統率し続けたセンターバック小林久晃の試合後のコメントである。今節を迎えるにあたり、MF岡本知剛も「鳥栖より下のチームはない。だから、全員で攻めて守る」と語っていた。他の選手たちも同様である。だからこそ、試合中に誰一人として手を抜かない。選手たちは、現実を踏まえ、自分たちのやるべき事とできる事を理解し、共通認識としてもっているからこそ、最大の力が発揮できるのだろう。言い方を変えると、『自分たちの形を持っている』からこそ、迷わずに邁進できるのである。これを駄目押しとなる3点目を決めたFW池田圭は、「相手がどこであれ、自分たちのサッカーをやっていければ勝機もある」と表現してくれた。今節の3得点全てに絡んだ選手の言葉だけに重みが増す。今節の鳥栖も、自分たちのサッカーを推し進めた結果が、良い形となって現われた。

対する神戸は、和田昌裕監督だけでなくMF橋本英郎も「ピッチの中で修正できていない。明確なところがあれば、修正もできるのだろうけど…」と目指す“ボールを動かす”サッカーができなかった事を試合後に語った。ここで言う“明確なところ”とは、目指すサッカーをするための手段のことと推測する。ボールを動かす方向や、距離、タイミングが、ピッチの中で明確にならなかったために、鳥栖のプレスをまともに受けてしまい、リズムを作ることができなかったのだろう。ここのところを和田監督は、「足元へつなぐにしても、ダイレクトが入るだけで、リズムに変化をつける事ができるのだが、そういうプレーが少なかったのかなと。ボールを止めてパス、止めてパスという一定のリズムだったので、鳥栖も狙いやすかったのではないか」と分析していた。確かに、一定のリズムであればプレスもかけやすいし、ボールの狙いどころも見えてくる。その典型的なプレーが、15分に鳥栖のFW豊田陽平が、高木和道にプレスをかけてボールを奪い、MF水沼宏太のシュートを引き出したプレーだった。

お互いに10本以上のシュートを相手ゴールに向かって放ってはいるが、ボールを奪ってからシュートまでの過程には大きな違いがあった。28分のMF野田隆之介の先制点、43分の豊田の追加点ともに、複数の人数でプレスをかけて奪った後に素早く流れを作って奪ったものだった。90+5分のFW池田のダメ押し点は、神戸のファールで得たFKのクリアボールを拾ってからカウンター気味に奪ったものだった。

対する神戸は、筆者の記録によると、2点ビハインドの状態の後半(71分、77分)に見せた物ぐらいしか、流れの中から生まれたシュートはなかったようだ。神戸が攻撃の形を作れなかったのか、鳥栖が作らせなかったのか、今節の試合に関しては、後者の感がある。

水沼宏太(鳥栖)は、「点を奪うための守備」と今の鳥栖の守備の意識を代弁してくれた。続けて、「(同じ守備でも)意識の持ち方で、これだけプレーに違いが出てくると気づいた」と語ってくれた。他の選手も口にこそ出さないが、プレーで体現してくれている。今節も鳥栖の「点を奪うための守備」が機能した一戦だった。

ボールを奪われた瞬間に守備に回る。ボールを保持しないと得点を奪うどころか、シュートを放つ事さえできない。
点を奪うスポーツは、相手はそれを阻止しようとするわけで、そこに選手たちの瞬間的な判断と技術が求められる。
正しい判断とミスを出さないために、日頃からの練習と意思疎通は欠かすことができない。
サッカーは、11人の想いがひとつになったときこそ最高のパフォーマンスが発揮されるスポーツなのだから。

以上

2012.04.01 Reported by サカクラゲン
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