本文へ移動

今日の試合速報

ルヴァン 準々決勝 第1戦
ルヴァン 準々決勝 第1戦

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第34節 仙台 vs 川崎F】プレビュー:今季で引退を決意した2人のためにも、自らの力で残留確定を。攻撃力のある川崎Fを迎え、今年最後に仙台は、試される一戦を迎える。(10.12.03)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
12月4日(土)J1 第34節 仙台 vs 川崎F(15:30KICK OFF/ユアスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スカパー!生中継 Ch308 後03:25〜
試合速報一覧 | クラブサポーター対抗totoリーグ
ギフト券10,000円分が当たるtotoアンケート!
----------
川崎Fはいざ知らず、仙台としてはこの最終節を、何もプレッシャーのない状態で迎えたかった理由があったのだが、それは後ほど触れるとしよう。

ともかく仙台はまだ残留を決めていない。状況として他の当該2クラブに比べ圧倒的に有利な状況ではあるのだが、何とも言えぬ重圧はかかっている(⇒詳細)。
仙台はまず自分たちが引き分け以上の結果を残せば、自力での残留決定。敗れたとしても、15位のF東京、16位の神戸が共に勝利を収めない限り残留。さらに万が一、上記の条件が仙台にとって最悪の展開をたどったとしても、仙台は得失点差で神戸を6上回っており、自分たちの大敗と神戸の大勝が重ならない限り、命からがらであるが仙台は生き残れる。
だが「たぶん大丈夫だろうという気持ちは危ない。個人的には、もう少し危機感を持っていてもいいと思う」とは、千葉直樹のコメント。普通にやれば大丈夫かもしれないが、第31節清水戦で朴柱成が前半に退場したように「普通じゃないこと」が起こることだってあり得る。さらにここにきて、富田晋伍、関口訓充に加え、前節広島戦での交錯プレーによってハムストリングを痛めた赤嶺真吾も負傷者に名を連ねることに。いずれにしても気を引き締めて、最終節には臨む必要がある。

では具体的に、仙台はどういった戦いを狙うのか。状況を踏まえれば、大敗を避けるべく手堅く守ることも選択肢の一つとなりそうだが、監督、選手のコメントを聞いていると、むしろ積極的な戦いの先に、自らの力で運命を切り開こうという様が見える。
「いよいよ最終節ということで、わき上がる気持ちだ。もう最後だから、思い切り戦うしかない。残留云々ではなく、力の限り戦ってベストを尽くし、今季の集大成と言える試合としたい」というのは、手倉森誠監督の意気込み。変に残留条件を意識するのではなく、いつも通りの戦いを演じ、ホームでの最終節に詰めかけるであろう多くのサポーター(チケットは既に完売となっている)に勝利をプレゼントすることで、結果的に残留をつかみ取りたい構えだ。
実際、2日の紅白戦で試された先発メンバーは、手堅い守備をベースとしつつも、そこから素早く前に出て川崎Fの隙を突ける能力に比重を置いた組み合わせだった。まさに一年前の天皇杯準々決勝で川崎Fを退けた時の戦いぶり再び、ということか。
その一方で、逆に、2点リードからまさかの3失点で大逆転負けを喫した、リーグ戦での前回対決(第16節)は、絶対に繰り返してはならない。

ユアスタにやってくるのは、前述の天皇杯以来となる川崎F。この時も結果的に関塚隆前監督のラストマッチとなったが、奇しくも今節も、高畠勉監督の退任前最後の一戦となった。関塚前監督の時と違い、今回は試合前からこのことがアナウンスされているだけに、4位に届くのも不可能となり、来季のACL出場が完全に断たれた川崎Fだが、選手たちには監督の花道を飾ろうとするモチベーションがあると考えて良いだろう。さらに、負傷で2試合メンバーから外れていた稲本潤一が、どうやら今節には復帰してくるという情報もある。
また、過去の対戦の様子を踏まえ、両チームの中でこの一戦のカギを最も握っている選手を考えるとしたら、おそらく川崎Fの側、中村憲剛となるだろう。延長で仙台が川崎Fを下した昨年の天皇杯では、仙台の中盤の獰猛さが中村をほぼ完璧に封じた(ボランチ入っていた田村直也が、大学の先輩である中村に厳しいマークを続けた)のだが、リーグ戦での前回対決では、早い時間に2点のリードを奪った仙台が攻守のバランスを失ったこともあり、間延びした中盤に開いたスペースで中村が躍動。2点ビハインドにも動じることなくゲームを支配し、ゴールこそ無かったが、黒津勝による2点目を引き出したスルーパスなど、攻撃を牽引し続けた。逆に言えば仙台は中村を上手く抑えることが出来れば、自ずと残留というハッピーエンドに近づくことが出来るが、この部分の争いはどうなるか。

さて、最後に、冒頭で触れかけていた、仙台がこの試合において抱いているもう一つの重要な意味について。
仙台にはこの試合を最後に、長い現役生活を終えることが発表されている2人の選手、千葉直樹と平瀬智行がいる。
共に高校卒業後にプロへと進み、現在33歳、現役生活に15年でピリオドを打つなど、ここまでは共通点の多い二人だが、描いたプロでのキャリアは対照的だった。
千葉が生まれ育った仙台市でそのままプロとなったが、そのスタートとなったブランメル仙台は当時は旧JFLに所属。だがそこから彼は、長きにわたり守備的MFとしてポジションを守り続け、このクラブ一筋に尽くし続けた。各種代表こそ最後まで縁がなかったが、そんなことで彼のキャリアの輝きが曇ることはない。
一方で平瀬は、鹿児島実業高時代からスターの道を歩み続け、プロとして加入した日本最強クラブの一つでもある鹿島でもポジションを獲得、2000年のクラブ3冠にも貢献。トルシエ監督下のシドニーオリンピック代表、さらにはフル代表にも名を連ね、一気にスターダムへ。その後はケガで思うようなプレーをすることができずに苦しむが、いくつかのクラブを経た後、一度は覚悟した引退を思いとどまって2008年からやってきた仙台で、彼はもう一度輝いて見せた。
こんな二人だが、共に仙台のサポーターから絶大な人気と尊敬を受けてきた。彼らの引退セレモニーはこの試合後に予定されているが、彼らが安心してセカンドキャリアに向かうためにも、仙台はただ残留を決めることはもちろん、その「決め方」にもこだわりたい。
様々な思いが交錯する今季最後のユアスタ。一節には雪が舞うかもしれないと言われている中、仙台のために来場する誰もが、クラブと、ここまで戦ってきてくれた選手たちのハッピーエンドを願っている。
そしてその結末は、与えられるのではなく、自分たちで掴まなくてはならない。クラブの今後のためにも。

以上
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/02(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田Jリーグ全ゴールまとめ【0830-0901】