上井草スポーツセンターは、西武新宿線上井草駅から徒歩5分という好立地にあり、多くの方が利用している総合スポーツ施設です。サッカーをはじめとした球技だけでなく、水泳、弓道、アーチェリーなど、さまざまな競技に使われています。また、トレーニングルームの開放や各種スタジオ教室の開催など、活動は多種に渡り、幅広い年齢層が集まる憩いの場にもなっています。
「『指定管理者から地域貢献へのチャレンジ』が私たちの合言葉です。クラブ事務所がある小平市や、江東区、そして調布市などの近隣の市区町村ではそうした地域貢献がされていましたが、元々、その地域にある施設を利用して様々な発信をしていくことはクラブとしても初めての試みでした。そして、ひとつのコミュニティーを形成する中で、地域に根ざした活動をしていきたかった。FC東京だから『=サッカー』ではなく、私たちの中では『地域の方、利用者の方に喜ばれる施設』というキーワードを掲げて、多くの人たちに利用してもらえる施設を目指しています」
そう話すのは、施設の副支配人を務める安藤孝太郎さんです。安藤さんは2009年4月から、久保田健太さん(FC東京U-18出身)とともにFC東京普及部と、指定管理者業務部を兼務しています。2人は同施設に勤務し、地域貢献へのチャレンジを続けてきました。「地域になくてならない存在を目指します。」と安藤さん。近隣の防災訓練や、商店街のイベントにも積極的に参加し、地域に根ざした活動を行ってきました。
「今では利用者の方たちや、近隣住民の皆さんから、『スポーツセンターの安藤さん』と声を掛けてもらえるようになりました。でも、同時に私がFC東京のスタッフだということも皆さんには知ってもらえている。だから、試合の翌日には、昨日の試合は良かったよねとか、田邉選手(杉並区出身)頑張っていたねと、話しかけてくれる人も多くなりました。それが、すごく嬉しいんですよね」
2人は「多くの人たちに利用していただける施設づくり」を考える中で、toto助成金の制度の利用を思いつきます。それまで屋上部分には、人工芝の「ゲートボール場」がありましたが、周りを囲む防球ネットや夜間照明がなく、ゲートボール以外の利用が困難でした。FC東京が杉並区教育委員会にtoto助成金制度の情報を案内。そこからFC東京と、区の社会教育スポーツ課が二人三脚となって、防球ネットと照明設備の取り付けの申請に向けた準備が進められました。それが今年6月に認められ、totoの助成金を使った設備が8月末に完成。8月29日から31日の3日間には、同施設のリニューアルオープンを記念して、セレモニーと市民参加型のイベントが開催されました。
8月30日には、ゲートボールONE DAYオープン大会や、ニュースポーツの体験会などが開かれ、幅広い年齢層の参加者が汗を流しました。安藤さんが話す「多くの人たちに利用していただける施設づくり」は、新たな一歩を刻んだといえます。「私自身も何も分からないところからのスタートでしたし、行政の皆さんと一緒になって色々なことを学んできました。今でも、勉強の毎日ですけどね(笑)。今回、ゲートボール大会には、94歳の方も参加されました。施設ができたことで、そういった幅広い年齢層の方々にも広く利用していただけると思います。本当に嬉しいことですよね」(安藤副支配人)
ナイター設備が整ったことで夜間利用も可能となり、今後はサッカー、フットサル教室だけでなく、様々なイベントも予定されています。「施設の利用者の方が多くなっていくことは、非常に嬉しいことです。でも、それ以上に老若男女の皆さんに(幅広く)利用していただきたいですね。地域、そして利用者に喜ばれる施設づくりを目指していきたいです」と安藤さん。『強く愛されるチームを目指して』。FC東京の活動は、少しずつ広がりを見せています。
※施設の詳細は http://www.kamiigusa-spocen.net/ をご覧ください。