この日、山口慶選手、津田知宏選手、長谷川徹選手の3選手は三好町立中部小学校(西加茂郡三好町大字三好字宮ノ越31)を訪問。“選手”としてではなく6年生2クラス・51名の“先生”として、体育館で4時間目の授業を任され、サッカー選手を志したきっかけやプロになるまでの苦労、支えてくれた人たちに対する感謝の気持ちを話しました。三好町に近い愛知県瀬戸市出身の長谷川選手が、「サッカーが嫌いになってしまったこともあるけれど、良い仲間や指導者の方々に巡り会えてプロになることができました。嫌なことや辛いこともあると思うけれど、逃げ出さずそれをバネにして頑張ってください」と児童たちにメッセージを贈ると、大きな拍手が沸き起こりました。
講義を終えた3名の“先生”は“選手”に戻ると、児童たちにサッカーの技を披露。毎日リフティングを練習しているという津田選手はボールを自由自在に操り、練習に練習を重ねた技で笑いを誘っていました。
楽しい4時間目の授業の後、子どもたちに将来の夢を尋ねてみたところ、「ケーキやクッキー作りが大好きだから、パティシエになりたい!」や、「看護士。でも注射は苦手(笑)」他にも、作家や歌手、ダンサー、といった声が聞かれました。1組・石川凌也(いしかわ りょうや)君の夢はサッカー選手。「サッカーを始めたきっかけやプロを目指した話しが心に残りました。グランパスは去年3位だったから、今年は優勝してほしいです」と目を輝かせて話してくれました。
1組担任の稲吉 岬(いなよし みさき)先生からは、「プロ選手が魅力あるプレーを見せてくれると、子どもたちもついていこうという気になります。スポーツをしている子も多いのですが、最後まで諦めずに、自分が好きなことは好きで貫き通す姿勢が良いと思います」と、プロ選手への期待とともに夢に近付こうとしている子どもたちへ温かいエールが贈られました。
4時間目の後と言えば、給食の時間です。この日のメニューは、ソフトめんのミートソースがけ、スペイン風オムレツ、サワーキャベツ、牛乳。3名の選手は教室で児童たちと一緒に給食を食べ、懐かしい味を堪能。素直な反応を見せてくれる子どもたちに囲まれ、とてもリラックスできたようでした。
名古屋グランパス選手会の主導としては初の試みとなった今回の企画を実施するに当たり、山口選手は事前にチームや学校と入念に話し合いを重ねたようです。「愛知県をはじめ、多くの人に支えられているので、恩返しできたらと思いました。今回僕たちが会ったのは小学校6年生で、大変だけど楽しい時期。僕たちの声を聞いて大きな夢や目標を持ってもらい、今後の人生に役立ててほしいです」
夢に向かう子どもたちと共に、『優勝』という次の夢に向かう選手たちにとっても、きっと忘れられない授業となったことでしょう。