嬉野市は、周囲を緩やかな山に囲まれた盆地で、人口3万人弱の観光と農業が盛んな小さな街です。小さな街とはいえ、「嬉野温泉」と「嬉野茶」は全国ブランドであり、年間100万人以上の観光客を迎え入れる街でもあります。しかし、観光事業が盛んだとは言え、高齢化の波は確実にこの街でも広がっています。
この嬉野市とサガン鳥栖は、2007年11月3日に「交流宣言」。「健康」をキーワードに、お互いに協力し、互いに発展して行こうと調印式を行なったばかり。そして、この日は佐賀県在住の65歳以上の男女50名を迎えて、サガン鳥栖の芝田フィジカルコーチの指導により、ストレッチなどのエクササイズを実施しました。座ったままでのストレッチや公式試合球を使ってのエクササイズには、笑い声と大きな歓声が絶えませんでした。MF鐡戸裕史選手とGK浅井利光選手もエクササイズの指導の一環を笑顔でこなしていました。
エクササイズ終了後には、嬉野温泉「和多田別館」での入浴へ。これも温泉地嬉野ならではの企画。企画した嬉野市職員は、「健康作りに何が良いかを考えて、運動後の温泉入浴にしました」と地元の特性をフルに発揮させていました。弱アルカリ性の泉質は、入浴後に肌につるつる感を与え美肌効果が高いといわれます。また、飲用として用いられています。中でも温泉を使って炊いているという温泉湯豆腐は、嬉野を代表する名物として人気があります。入浴後には、参加者と選手はじめ松本GMを一同に会して、温泉湯豆腐に舌鼓を打ちました。
この日の締めくくりは、サガン鳥栖松本GMの講演。幾多の修羅場を潜り抜けてきたGMの演題は、「心と身体の健康」。自身の経験を踏まえて、「食の重要性」を説き、「日常での健康維持」を紹介した内容に、一同感銘を受けたようでした。
サガン鳥栖が、Jリーグのクラブとして持つ特性と地域のパワーを融合させ、松本GMの講演で締めくくる内容は、佐賀県で初めて行なわれたとは思えないほどの充実したものでした。その証しは、岐路に付かれた参加者一同の顔を見ているとすぐに分かりました。
地域密着で、確実にその成長を見せるサガン鳥栖。「人づくり、街づくり、夢作り」というチームコンセプトを確実に成し遂げつつあります。「Jリーグ百年構想」そのものです。