J1&J2クラブの戦力を徹底分析
川崎F川崎フロンターレ
注目の新加入選手を攻・守に加え、『超攻撃的スタイル』を貫いて勝つ
今季のみどころ
タイトルを目標に掲げるチームの場合、ある程度の攻撃力が見込めるのであれば、まずは守備を整備することを考えるのが一般的だ。川崎Fの場合、過去のシーズンを見てもわかるとおり攻撃力には定評があり、そう言えるだけのメンバーが揃っている。それまでのサッカー界の常識と言われる方法論に従えば、川崎Fは守備を強化すればタイトルに近づけると考えるのが妥当だろう。
ところが、風間八宏監督の考えは真逆だ。これまでの準備段階でのチームづくりを見るにつけ、その方向性は相手よりも攻撃的に試合を進めることを優先させるもの。とにかく、より多くの点を取るのだというポリシーが感じられる。
そうした中で、今季のポイントになるのは新加入選手の働きになりそう。1つは攻撃陣に組み込まれつつある杉本健勇の働き。2年連続得点王の大久保嘉人を核に、小林悠、レナトという実績のある3選手の中に組み込まれた杉本は、日々の練習で苦しみながらやるべき仕事を理解しつつある。高さと強さがあり、そして最大の魅力である足元のうまさを兼ね備えたストライカーということで、かかる期待も大きい。大久保や小林など複数の選手から「戦術的な動きは、じきに覚えられるはず」との声もあり、チームスタイルになじむのは時間の問題。彼が決定力を身に付けたら、川崎Fにとっては大きなオプションとなる。
注目の新加入選手のもう1人が、角田誠だ。声で周りを動かせる角田の存在と、彼を加えた守備がどれだけ攻撃面をサポートできるのかが今季の川崎Fの戦いのカギを握ることになる。相手を押し込む時間は増えそうだからこそ、守備面での踏ん張りが必要となる。
攻守で重要な新加入選手の働きを含め、『超攻撃的スタイル』が今季の見どころだ。
以上
Reported by 江藤高志
開幕時の予想布陣
1月15日の始動日以降、風間八宏監督はいろいろなフォーメーションを試してきた。現状、その中で最もしっくりくるように思えるのが4-4-2の並び。
まずは、最終ライン。このメンバー、まず昨季までのメンバーからの変化にお気づきになるだろう。チーム在籍年数が最も長いのが2年目の谷口彰悟、新卒ながら特別指定選手として昨季2試合出場の車屋紳太郎がそれに続く。角田誠、エウシーニョは今季からの新加入選手というフレッシュな顔ぶれとなった。新しい組み合わせに替わったことで連携面が気になるが、コンビネーションについての評価を下すには時期尚早。ただ、ここまでの準備段階を見る限り、相手にボールを持たれ攻められる場面はそう多くはない。
大きく変わった最終ラインに対し、あまり変化が見られないのが中盤から前のメンバーだ。
最前線に杉本健勇が入り、そのポジションでの出場が多かった小林悠がサイドハーフに移動した形になった。最終ラインに比べると既存メンバーの組み合わせがある程度踏襲されており、並び的には目新しさはさほどないが、超攻撃的な意識は昨季に増して強くなっており、特に前線の4選手はハマれば止めようがない攻撃を実現してくれそう。オーソドックスなフォーメーションに見えるが、実情はかなり違っている。どんな試合を見せてくれるのか、今から楽しみだ。
以上
Reported by 江藤高志