J1&J2クラブの戦力を徹底分析
柏柏レイソル
吉田達磨新監督が就任。スタイルの転換でリーグタイトル奪還を狙う
今季のみどころ
5年半にわたるネルシーニョ監督体制が昨季限りで終わり、今季からは吉田達磨監督が新たに指揮を執る。現在の柏アカデミーの礎を作り出した吉田監督の就任によって、柏はU-12からトップチームまでが共通したコンセプトを持った一貫した組織となった。
前任のネルシーニョ監督が対戦相手を分析し、それに対抗する策を用いるリアクション要素の強いサッカーだったのに対し、吉田監督は「相手を壊しにいくようなサッカーをしよう」というように、自分たちがボールを支配する攻撃的なボールポゼッションを志向する。昨季までとまったくスタイルが異なるだけに、戦術面の急な方向転換が危惧されるが、アカデミー出身の選手たちにとっては、むしろ自分たちの体に染み付いたスタイルへ回帰するという意味合いのほうが強く、またこのサッカーに初めて触れる選手たちも吉田監督の入念な指導と明確な要求によって新戦術の浸透は思いのほか早い。その点は、監督自身も手応えを掴んでいるようだ。
新体制への移行に伴い、多少の選手の入れ替えはあったものの、主軸となる選手の多くは残留した。また、新戦力は復帰となる選手が多く、目新しい選手はクリスティアーノだけ。ドイツとオランダの経験を経て柏に復帰した大津祐樹、熊本と湘南での武者修行を終えた武富孝介など、復帰した選手たちは以前よりもパワーアップした印象を受ける。
サッカーのスタイル自体は変わる。だが、柏が目指すものはネルシーニョ監督時代と何も変わらない。ただし今度は、自分たちのスタイルを貫いての優勝を狙う。
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Reported by 鈴木潤
開幕時の予想布陣
キャンプからいくつかの練習試合をこなしてきたが、吉田達磨監督は様々な組み合わせを試しており、さらに柏は2月17日にAFCチャンピオンズリーグのプレーオフを戦うため、その結果と内容によってはJリーグ開幕時には大幅にメンバーが変わる可能性がある。
現時点では、GKは菅野孝憲だろう。昨季終盤は出番を失った菅野だが、今季は例年以上に強い意識を持って練習へ取り組み、再び守護神の地位を奪い返そうとしている。
そして、アジアカップ出場でコンディションの良いキム チャンスが右サイドバックに入り、左サイドバックは輪湖直樹、激戦のセンターバックは鈴木大輔と増嶋竜也のコンビが濃厚だ。
アンカーを務めるのは長短のパスでゲームを組み立てる茨田陽生。今季から背番号も8に変わり、チームの中心選手としての活躍が期待されている。
中盤のインサイドは右に湘南でハードワークを身に付けた武富孝介、左にキャプテンの大谷秀和が入る。この中盤3枚は柏の新戦術の肝であり、状況に応じて3人がスライドしながらゲームを組み立てていくことになる。
FWは、昨季チーム最多の11ゴールを挙げたレアンドロの1トップと、『柏のエース』工藤壮人の右サイドは確定か。熾烈を極めるのは左サイド。しばらくはクリスティアーノが務めていたが、太田徹郎という選択肢もあり、さらにコンディション不良でキャンプは出遅れた大津祐樹も急ピッチでコンディションを上げて食い込もうとしている。ここは誰が起用されてもおかしくはない。
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Reported by 鈴木潤