前節、首位の鹿島が敗れたことで明治安田生命J1リーグの優勝争いは、ますます混迷を極めている。
その鹿島は、今節ホームに清水を迎える。川崎Fに完敗を喫した前節の反省を生かせるかがポイントに。とりわけ3失点を喫した守備の修正が、重要なテーマとなるだろう。対する清水も、柏に4失点の完敗を喫しており、状態はいいとは言えない。カギを握りそうなのが、新加入の増田 誓志。古巣相手の一戦であり、特別な想いを持ってこの試合に挑むだろう。そのパフォーマンスに注目が集まる。
2位のC大阪はアウェイで磐田と対戦。直近の第21節では2点のリードを守りきれずに清水に逆転負け。躍進を支えてきた堅守が崩れただけに、鹿島と同様守備の再整備がポイントとなる。磐田は前節、G大阪に2-0と快勝。勝負を決めたのは中村 俊輔の質の高いプレースキックだった。前回対戦はスコアレスドローに終わったこの一戦。セットプレーが勝敗を分かつポイントとなる可能性は高い。
現在、最も勢いに乗るのが3位の横浜FMだろう。12試合負けがなく、3連勝中と強者としての戦いを続けている。好調の要因は何といっても守備力にある。ここ3試合はすべて無失点。隙のない戦いで勝点を積み上げる。今節も堅守を軸に、鋭いサイドアタックから好機を窺うはずだ。対戦相手の神戸は、ネルシーニョ監督が解任され、吉田 孝行新監督の下でリスタートを切る。チーム状態が不安定ななか、好調チームとの対戦とあって苦しい戦いが予想されるが、体制の変更が果たして吉と出るのか。不発が続くルーカス ポドルスキが横浜FMの堅守をこじ開けられるかも注目ポイントとなる。
4位の川崎Fはホームに札幌を迎える。前節は首位の鹿島を撃破し勢いに乗る。家長 昭博に移籍後初ゴールが生まれるなど、ポジティブな材料も多く、さらなる上位浮上も見えている。一方の札幌は、3試合勝利がなく、降格圏が背後に迫っている。この苦境をいかに乗り越えていくのか。前節、出場停止だった都倉 賢の爆発が期待されるところだ。
7位G大阪と5位の柏の一戦も注目カードとなる。G大阪は3試合勝利がなく、状態は下降気味。一方の柏は4戦負けなしと、再び勢いに乗っている。対照的な状況の両者だが、優勝争いに踏みとどまるためにも、ともに勝利こそが求められる。G大阪は不安定さを露呈する守備をいかに修正できるか。柏は好調を維持するクリスティアーノのパフォーマンスがカギを握りそうだ。
浦和とFC東京の一戦も、激しい戦いが期待できる。浦和は直近の甲府戦で、新体制で初勝利。さらに火曜日に行われたスルガ銀行チャンピオンシップでもブラジルのシャペコエンセに競り勝った。いずれの試合も完封勝利と課題の守備に手応えをつかんでいる。今節も手堅い戦いで勝利を求めるはずだ。一方のFC東京は5試合負けなしと息を吹き返している。大久保 嘉人、ピーター ウタカら攻撃陣が状態を上げているのは好材料。浦和との相性はいいとは言えないものの、その良い流れを結果へと結び付けたい。
降格圏に沈む3チームは、いよいよ正念場を迎えている。16位の大宮はアウェイで鳥栖と対戦。前節は新潟に競り勝ち、6試合ぶりの白星を手にした。エース格に成長した江坂 任が今節も重要な役割を担うだろう。一方の鳥栖は前節、横浜FMに惜敗。2試合連続で無得点と攻撃陣に元気がない。4月以来ゴールがない豊田 陽平の復調が待たれるところだ。
17位の広島はホームに甲府を迎える。前節は、決定力を欠き仙台に0-1と敗戦。青山 敏弘の不在が響いた格好だが、この司令塔が復帰する今節は、1トップのパトリックを生かす攻撃スタイルが蘇るはずだ。対する甲府も状態はいいとは言えず、14位に沈む。敗れれば降格圏に沈む危険性もあるだけに、アウェイとはいえ勝点3が求められる。得点力不足は相変わらずだが、粘り強く守り、広島の不安定な守備組織を鋭く突いていきたい。
最下位に沈む新潟は仙台とホームで対戦。12節以来白星から遠ざかっており、求められるのは何よりも勝利。不安定な守備だけでなく、ここ3試合はノーゴールと得点力不足も露呈。好転の兆しを見出せてはいないが、ホームの後押しを受け、苦境脱却のきっかけを掴みたい。仙台は前節、広島に勝利し、8試合ぶりの勝点3を手にした。守備の安定が復調の要因であり、今節も安定した守備組織を保ち、連勝の実現を目指す。
■各試合の見どころをチェック
鹿島vs清水
磐田vsC大阪
浦和vsFC東京
川崎Fvs札幌
新潟vs仙台
G大阪vs柏
広島vs甲府
鳥栖vs大宮
神戸vs横浜FM