JリーグYBCルヴァンカップは31日に、いよいよグループステージの最終節を迎える。Aグループ、Bグループともに、いまだ1位突破を決めたチームは現れておらず、プレーオフステージに回る2位と3位のチームも決まっていない状況。最終節でその運命が決することとなる。
Aグループはすでに全日程を消化した首位仙台と2位のFC東京が1位通過を争う構図に。FC東京は今節、アウェイで清水と対戦。勝つか引き分けで仙台を上回るだけに、結果を得るためにもこれまでのメンバー構成と変えてくる可能性もある。あくまで勝利を目指すのか、最低限勝点1を加える戦いを狙うのか。指揮官の采配が大きなポイントとなりそうだ。清水はここまで5戦全敗と苦戦が続く。すでに決勝トーナメント進出の可能性はないが、リーグ戦に向けて良い流れを育むためにも、最終戦で意地を見せたいところだ。
プレーオフに進出できる3位争いは磐田と札幌に絞られた。両者の差は2ポイントしかなく、ともに勝利が求められる状況となっている。磐田はホームで大宮と対戦。前節、プロ初ゴールを決めた上原 力也ら若手が再び躍動すれば、3位確保は十分狙えるだろう。対する大宮は伊藤 彰新監督の初陣に。苦境に立たされているチームをいかに立て直してくるのか。その手腕に注目したい。
磐田を追う札幌は、柏をホームに迎える。突破の条件は勝利のみ。リーグ戦も含め、なかなか得点を奪えない状況が続いているだけに、まずは失点を与えず、少ないチャンスをモノにする戦いに勝機を見出したい。リーグ戦で好調の柏は、ルヴァンカップでは結果を得られていない。それでも、出場機会を得た若手がリーグ戦でも活躍する良い流れが生まれている。決勝トーナメント進出の可能性はすでに潰えているが、この好循環を最終戦でも保ちたいところだ。
Bグループの首位争いは、C大阪と神戸の2チームに絞られている。すでにスケジュールを終えた1位のC大阪を、神戸が勝点2差で追いかける状況。神戸は最終節で勝利を収めれば、立場を逆転できる状況だ。
今節はアウェイで新潟と対戦。ここまで未勝利で最下位に沈んでおり、リーグ戦でも厳しい戦いが続く相手だ。神戸とすれば勝利を手にするために、ベストに近いメンバーで臨んでくる可能性もあるだろう。知将・ネルシーニョ監督がいかなるメンバーを選択するのか。その用兵術が注目される。新潟は、呂比須 ワグナー監督の下で新たなスタイルを探っている段階。消化試合とはいえ、無駄にできる試合はひとつもなく、高いモチベーションと危機感を抱き、この最終戦に臨んでくるはずだ。
3位は、横浜FMと広島の2チームの争いに。今節の直接対決で、その雌雄を決する。勝てば2位位浮上の可能性もある横浜FMは、引き分けでも3位を確保できる。状況的には圧倒的優位だが、守りに入れば相手の圧力に押されてしまう危険性もあるだけに、積極的な戦いを示したいところ。調子を上げているウーゴ ヴィエイラがカギを握る存在となりそうだ。勝つしかない広島は、立ち上がりからアグレッシブに相手を押し込みたい。何より先制点を奪うことが重要で、リーグ戦で出番が減っている工藤 壮人ら攻撃陣の奮起が求められるだろう。
甲府vs鳥栖はいわゆる消化試合という位置づけだが、逆に言えば新たな可能性を示すチャンスの試合でもある。これまで出番の少ない選手や、虎視眈々と出場機会を窺う若手にとっては絶好のアピールの場となる。リーグ戦に向けての希望を見出すことができるのか。ニューパワーの台頭を期待したい。