混戦が続く明治安田生命J1リーグは、今節でおよそシーズンの3分の1を消化。行方の見えない優勝争いで、優位に立つのは果たしてどのチームか。
首位の浦和はホームに清水を迎える。前節は新潟に6-1と大勝を収め、連敗をストップ。再び勢いに乗っていきそうな気配を漂わせている。今節はゴールを量産するラファエル シルバが負傷で欠場が濃厚ながら、リーグ随一の選手層を誇るだけに、ダメージは小さいだろう。代わって出場する選手がこの機会をチャンスと捉え躍動する可能性も考えられる。対する清水は5試合勝利から見放され、苦戦が続く。調子を上げているチアゴ アウベスが好転に導くキーマンとなりそうだ。
2位に浮上したG大阪は、ホームで鳥栖と対戦。リーグ最少失点を誇る堅守に加え、攻撃陣も好調。前節は藤本 淳吾と泉澤 仁が結果を残し、選手層も厚みを増してきた印象だ。一方の鳥栖は豊田 陽平をはじめ、主力に怪我人が続出しており、チームの総合力が問われる一戦となる。G大阪優位は揺るがないが、鳥栖も持ち前のハードワークを貫き、相手の隙を突く戦いに勝機を見出したい。
5連勝と好調の柏は、磐田の本拠地に乗り込む。前節はFC東京との上位対決に競り勝ち、その勢いはさらに加速していきそうだ。安定した守備に加え、若手の台頭も目覚ましく、今節もハイプレスを徹底したエネルギッシュな戦いを披露するはずだ。対する磐田はここ3試合勝利がなく、10位に転落。もっとも内容は悪くなく、チャンスも数多く作れているだけに、フィニッシュの質を高められるかがポイントとなるだろう。
唯一、金曜日開催となる鹿島vs川崎Fも見逃せない好カードだ。鹿島はレオ シルバと遠藤 康の二人が負傷で離脱し、台所事情は苦しい。代わって出場する選手のパフォーマンスが重要なカギを握る。対する川崎Fは2連勝と状態を上げている。怪我人も続々と復帰し、チーム力も着実に高まっている。守備力に自信を持つ鹿島と攻撃力に定評のある川崎F。リーグ屈指の実力チーム同士の対戦だけに、高い質の試合が繰り広げられるのは間違いない。
同勝点で並ぶ神戸vsFC東京も興味深い。神戸は前節、鹿島を撃破し復調の気配を漂わせる。その試合で今季初ゴールを決めた渡邉 千真が今節も重要な役割を担いそうだ。対するFC東京は柏に敗れ連勝がストップ。ミスが相次いだ守備陣の修正力がこの試合には求められるだろう。
6位のC大阪はアウェイで大宮と対戦。前節は広島に5ゴールを奪っての圧勝と、課題と見られていた攻撃陣に勢いが生まれている。杉本 健勇や清武 弘嗣といったタレントが調子を上げているだけに、今節もC大阪らしい攻撃サッカーが期待できる。大宮も前節は仙台を撃破し、最下位を脱出。こちらも攻撃の軸を担う大前 元紀が復調。この10番が輝きを放てば、上位撃破も十分に可能だろう。
横浜FMはホームで仙台と対戦。前節は甲府に競り勝ち、連敗を3でストップ。上位争いに名乗りを上げるためにも、ホームで連勝を達成したい。仙台は大宮に敗れて2連敗。先制しながらも逃げ切れなかっただけに、リードした後の戦い方が、ポイントとなりそうだ。
甲府はホームで広島と対戦。守備は安定しているもののここ2試合無得点と攻撃陣に元気がないだけに、前線の奮起が何よりも求められる。広島はここまでわずか1勝と17位に低迷。攻守の歯車がかみ合わず、結果を出せない状況をいかに打開できるか。目に見える結果を手にし、好転のきっかけを掴みたい。
最下位に沈む新潟は、呂比須 ワグナー監督の初陣となる。低迷から脱却を託された新監督が、いかなるカラーを打ち出すのか。注目の一戦となることは間違いない。対する札幌も15位に沈む。前節はG大阪に完敗を喫しており、下位チーム相手に連敗は避けたいところ。ここ2試合結果を出せていないエース都倉 賢のパフォーマンスがカギを握りそうだ。
■各試合の見どころをチェック
鹿島vs川崎F
浦和vs清水
横浜FMvs仙台
甲府vs広島
新潟vs札幌
磐田vs柏
大宮vsC大阪
G大阪vs鳥栖
神戸vsFC東京