劇的な展開で第1戦を3-2とものにした広島がホーム、エディオンスタジアム広島にG大阪を迎えた第2戦。広島とすれば勝つか引き分けならもちろん、0-1、もしくは1-2で敗れてもアウェイゴールで上回り、頂点に立てる優位な状況だった。
一方のG大阪とすれば2点差以上、もしくは1点差ならば4点以上を奪っての勝利が求められた。3-2の場合は延長へと持ち込むことができるが、いずれにせよ最低でも2点が必要で、厳しい状況には変わらなかった。
なによりゴールが求められたG大阪は序盤から圧力をかけ、広島守備陣を襲う。そのアグレッシブな姿勢が実を結んだのが27分。遠藤 保仁のCKから今野 泰幸が、チャンピオンシップ3試合連続となるゴールを叩き込みG大阪が狙い通りに先制点を奪った。
もっともこのままではアウェイゴールで敗れるため、G大阪にはさらなる得点が必要だった。攻勢の手を緩めないG大阪がその後も押し気味に試合を展開。しかし、広島の戦いぶりは実にしたたかだった。
後半に入ると、連戦の疲労が見えるG大阪に対し、運動量で上回り、球際の攻防でも力強さを発揮。こうしてG大阪の圧力をかいくぐると、シンプルに相手の裏を突く攻撃で逆にチャンス生み出していく。さらに浅野 拓磨の投入でスピードを手にすると、76分、カウンターからその浅野がヘディングで同点ゴールを奪取。これでタイトルの行方はほぼ決した。
その後、G大阪もなんとか1点を奪おうと必死に応戦したが広島の堅守を崩せない。結局、スコアが動かないままタイムアップの笛を聞いた。
トータルスコアは4-3。年間勝点1位チームとしての意地を見せた広島が、実にここ4年で3度目となるリーグ王者に輝いた。
もっとも両チームともに死力を尽くした決戦は、どちらが勝ってもおかしくはないスリリングな180分間だった。リーグ史上初めての試みとなったこのJリーグチャンピオンシップは、極上のエンターテイメントをもたらしたリーグ史に残る大会となったのは間違いない。
■試合データ
広島vsG大阪