明治安田生命J2リーグは、今節でシーズンのおよそ4分の3となる30節を消化する。優勝争い、昇格争い、残留争いといよいよ佳境を迎えるなか、それぞれがよりモチベーションを高めて、残り試合を戦うことになる。
首位の札幌は、アウェイで京都と対戦する。前節、山形に勝利を収め、再び優勝へ向けた一歩を踏み出した札幌だが、6戦負けなしの京都はまさに難敵。安定した守備と少ないチャンスをモノにする戦いぶりも似通っており、やりづらい相手と言えるかもしれない。好調を維持する都倉 賢を軸に攻勢を仕掛けつつ、相手の素早い攻撃にいかに対応できるか。京都の術中にはまってしまうようだと、雲行きは危うくなるかもしれない。
5試合負けなしで2位に踏みとどまる松本は、アウェイで山口と対戦。こちらも厳しい相手との一戦となる。松本は前節C大阪に競り勝ったものの、山口も清水相手に引き分けている。上位チーム相手に互角以上の戦いを演じた山口に対し、わずかな隙を見せれば致命傷になりかねない。松本のハードワークが勝るか、山口のパスワークがそれを上回るのか。見どころに富んだ戦いとなることは間違いない。
3位の岡山も重要な一戦を迎える。今節はアウェイで千葉と対戦。自動昇格圏内を目指すうえで、負けられない戦いとなる。前節、讃岐に3-1と快勝を収めたチームに、今節からリオ五輪から帰って来た矢島 慎也が復帰することも濃厚。良い流れの中で頼れる10番が戻ってきたことでさらに勢いが増すはず。上位2チームに追いすがるためにも、敵地で勝点3を手にしたいところだ。一方の千葉は前節、熊本に0-3と完敗。監督交代を機に浮上の兆しを感じさせていたなか、再びの停滞を余儀なくされている。今節敗れれば昇格プレーオフ圏内となる6位以内も厳しい情勢となるだけに、上位チームが相手とはいえホームできっちりと勝利をつかみたい。
ここ5試合でわずか1勝と元気のないC大阪は金沢の本拠地に乗り込む。前節、松本との上位決戦に敗れたチームは、自動昇格となる2位以内に向けていよいよ厳しい状況に追い込まれている。僅差の展開を落とす試合が目立っているだけに、勝負所を見極めたしたたかな試合運びを示したい。対する金沢は5試合勝利がなく降格圏に沈む。危機感があるのはこちらも同じ。C大阪は過去2勝1分と相性の良い相手なだけに、立ち上がりからアグレッシブに仕掛けていく可能性もある。自動昇格圏進出か、降格圏からの脱出か。異なる立場の両者だが、ともに強い目的意識を備えているだけに、激しい攻防が期待できそうだ。
横浜FCと清水の一戦も注目カードだ。4連勝で9位に浮上した前者に対し、後者も粘り強く勝点を積み重ねて、昇格プレーオフ進出圏内に踏みとどまる。勢いでは横浜FCに分があるものの、清水もエース鄭 大世を軸とした攻撃は破壊力抜群。前回対戦では清水が3-0と勝利を収めたが、現状を踏まえれば1点を争う接戦が予想される。
3連勝中の群馬はアウェイで町田と対戦。攻撃が機能し勢いに乗る群馬に対し、町田は5試合勝利なしと足踏みが続く。群馬が優位と見られるなか、上位に踏みとどまりたい町田が意地を見せられるか。一時期の勢いが消えつつある長崎は愛媛をホームに迎える。前節は金沢相手にスコアレスドローに終わっており、再び攻撃面の課題が露呈されている。対する愛媛も3試合連続ドローと勝ち切れない状況が続く。ともに守りの堅さには定評があるだけに、先制点を奪ったほうに勝利は近づくだろう。
ともに3試合勝利がない水戸と讃岐の一戦は、現状打破が大きなテーマに。とりわけ2試合続けて3失点を喫している讃岐にとっては、守備の整備を実現し、結果を手にしたいところだ。徳島と東京Vもなかなか波に乗れない状況が続く。徳島は4試合勝利がなく、東京Vは勝ち負けを繰り返している。地力は備えているチーム同士の一戦は、ともに勝ち切るための“2点目”がキーワードとなりそうだ。
8試合勝利がなく18位に転落した山形は、10試合勝利から見放されている岐阜と対戦。まさにもがき苦しんでいる両者の直接対決で、光明を見出すのは果たしてどちらのチームか。最下位に沈む北九州はアウェイで熊本と対戦。8試合勝利がないチームは課題の守備をいかに修正できるかがポイント。一方の熊本は前節千葉に3-0と快勝を収めており、良い流れを今節にもつなげたい。
■第30節の見どころをチェック
山形vs岐阜
水戸vs讃岐
千葉vs岡山
横浜FCvs清水
金沢vsC大阪
徳島vs東京V
長崎vs愛媛
町田vs群馬
京都vs札幌
山口vs松本
熊本vs北九州