前節から中3日(群馬vs水戸は中4日)で行われる明治安田生命J2リーグ第29節は注目カードが目白押しだ。
前節、11試合ぶりに黒星を喫した札幌は、ホームで山形と対戦。嫌な流れを引きずらないためにも、勝利こそが求められる一戦となる。前節、横浜FCの守りを崩せなかった攻撃陣の奮起が求められる。一方の山形は7試合勝利から見放されている。前節は京都相手にスコアレスドロー。守備の安定性は見られたものの、攻撃の迫力不足は否めなかった。こちらもいかに得点奪うかがテーマとなりそうだ。
今節、最大の注目カードは2位の松本と3位のC大阪の直接対決。自動昇格圏内の2位以内を実現するには、ともに負けられない一戦となる。ホームのC大阪は、前節は山口に2-0と快勝。効率よく得点を奪ったことに加え、攻撃サッカーが特長の山口を完封したことは好材料。対する松本はリードを守り切れずに岐阜と引き分けた。勢いはC大阪にあるが、松本も敗れれば2位の座を明け渡すことになるだけに、高いモチベーションと危機感を胸に立ち向かうことだろう。いずれにせよ、リーグを代表するチーム同士の一戦なだけに、1点を争う激戦になることは間違いない。
その2チームを追う4位の岡山は、讃岐をホームに迎える。前節は愛媛に引き分け連勝がストップしたものの状態は悪くなく、上位から引き離されないためにも下位チームから確実に勝利を収めたい。上昇気流に乗りつつあるなかで群馬に完敗を喫した讃岐は、再び勢いを得るためにも目に見える結果を手にしたいところ。やや不安定な守備陣が岡山の攻撃をいかに食い止められるかがポイントとなりそうだ。
清水vs山口も注目の一戦だ。リーグ屈指の攻撃力を備えた両チームの対戦なだけに、派手な打ち合いも期待できる。絶好調の鄭 大世がけん引する清水に対し、山口は運動量と素早いパスワークで対抗するだろう。前回対戦では清水が4-0と圧勝したが、リベンジを狙う山口の反発力に期待したい。
京都と町田の対戦も興味深い。前節はともに引き分けと思うように勝点を積み重ねられなかったが、粘り強い戦いで何とか上位に踏みとどまっている。懸念材料は怪我人が増えている点。京都はCBの染谷 悠太、町田は得点源の鈴木 孝司が離脱しており、その穴を埋められるかが重要なテーマとなりそうだ。
前節、監督交代後の初勝利を挙げた千葉は、アウェイで熊本と対戦する。北九州に快勝を収めた良い流れを今節につなげ、再浮上を実現したい。対する熊本は4試合勝利がなく、苦戦が続く。不用意な失点が目に付くだけに、守備の整備が求められるだろう。
一方、監督交代後にまだ勝利がない岐阜はホームに徳島を迎える。とはいえ前節は終了間際のゴールで追いつき、松本とドロー。粘り強さが生まれつつあるだけに、そろそろ初勝利が生まれるかもしれない。徳島は3試合白星がなく、状態は良いとは言えない。勝負所でいかに得点を奪えるかがテーマとなりそうだ。
3連勝と勢いに乗る横浜FCは東京Vと対戦。札幌を撃破した実力は本物か。前節、金沢を圧倒した東京Vはそれを推しはかる絶好の相手となる。同じく好調の長崎は金沢とホームで対戦。前節は清水に力の差を見せつけられたが、攻守に安定性を高めており上位浮上のためにも連敗は避けたいところ。金沢は4試合白星がなく、浮上の兆しは見えてこない。得点力不足を露呈しているだけに、前線の奮起が求められる。
最下位の北九州は愛媛とのホームゲーム。こちらは失点の多さが目立っているだけに、守備をいかに修正できるかがテーマだろう。愛媛は勝ち切れない試合が続いており、勝利を手にするためには2点目を奪う“リスク”が必要かもしれない。
群馬vs水戸は唯一、月曜日の開催となる。前節、讃岐に快勝を収めた群馬に対し、水戸も4試合負けがない。共に良い状態を維持したまま迎える一戦なだけに、好勝負が期待できそうだ。
■第29節の見どころをチェック
札幌vs山形
東京Vvs横浜FC
清水vs山口
岐阜vs徳島
北九州vs愛媛
長崎vs金沢
京都vs町田
C大阪vs松本
岡山vs讃岐
熊本vs千葉
群馬vs水戸