前節から中3日で行われる明治安田生命J2リーグ第28節。酷暑の中での連戦と厳しいスケジュールのなか、コンディション調整と選手の起用法が勝敗を分ける大きなポイントとなるだろう。
前節、清水との大一番を制した札幌はアウェイで横浜FCと対戦する。4連勝と勢いに乗るチームは、まさに向かうところ敵なし状態。攻守両面で抜群の安定感を示しており、その戦い方に隙はない。清水戦での劇的な勝利も勢いを加速させる要素となるだろう。敵地での一戦とはいえ自分たちのサッカーができさえすれば、5連勝を達成する可能性は高い。
対する横浜FCも、前節はC大阪に逆転勝利を収めた。流れを変えたのは最年長得点記録を更新した49歳の三浦 知良。今節も途中出場が濃厚なこのレジェンドの起用法が、ポイントとなりそうだ。
2位の松本は岐阜をホームに迎える。前節は水戸と引き分け、札幌との勝点差は7に広がった。これ以上首位チームから引き離されないためにも、ホームで確実に勝利を収めたい。対する岐阜は前節ようやく連敗をストップ。勝利こそ得られなかったものの、終了間際に追いついた粘り強さは今後に向けての好材料だろう。上位相手に厳しい戦いが予想されるが、監督交代から4試合目となる今節、そろそろ初白星を手にしたいところだ。
3連勝で3位に浮上した岡山は、愛媛の本拠地に乗り込む。攻撃力が目立った前半戦とは打って変わり、ここ数試合は手堅いサッカーで勝利を積み重ねており、隙を与えない守備組織がより成熟された印象を与えている。堅い守りをベースに少ないチャンスをモノにする展開に持ち込めれば勝機はぐっと高まるだろう。愛媛はリーグ最多の12引き分けと勝ち切れない試合が目立つ。課題はやはり得点力。しばらくゴールから遠ざかる河原 和寿ら攻撃陣の奮起が望まれるところだ。
4試合勝利から見放されているC大阪は、アウェイで山口と対戦。ショッキングな逆転負けを喫した横浜FC戦から中3日、そのダメージを振り払い今節に臨めるかが重要なテーマだ。逆に山口はライバルの町田から逆転勝利を収めて勢いに乗る。C大阪には前回対戦でも4-2と勝利を収めており、相性としても悪くない。走力と素早いパスワークをベースとしたアグレッシブなサッカーは健在で、C大阪を再び撃破としても決して不思議はない。
5位に浮上した京都は敵地で山形と対戦する。前節は東京Vに2-0と完勝を収め、良い流れのままこの試合に臨む。守備の安定性は保たれており、攻撃面も上り調子にある。3連敗中と元気がない山形を相手に勝利を収め、さらなる浮上を実現したい。
清水vs長崎も興味深い一戦だ。前節は札幌に敗れたものの、昇格プレーオフ圏内に踏みとどまる清水に対し、長崎はここ6試合で5勝と一気に9位にまで順位を上げてきた。総合力では清水が勝るものの、勢いでは長崎が上。昇格争いのカギを握る両者の激突は、白熱の攻防が期待できそうだ。鄭 大世と永井 龍、14ゴールで得点ランクのトップに並ぶ両エースの対決にも大いに注目したい。
3試合負けのない水戸はホームに熊本を迎える。前節は松本と互角の戦いを演じ、敵地でドローとまずまずの結果を手にした。対する熊本は3試合勝利がない。決定力不足を露呈しているだけに、前線のパフォーマンスがカギを握るだろう。徳島vs町田は前節ともに敗れているだけに、巻き返しがテーマに。無得点に終わった徳島は攻撃、3失点を喫した町田は守備と、それぞれが異なる課題を抱えてこの試合に臨むことになる。
讃岐と群馬はともに状態を上げつつあるチーム同士の一戦。讃岐は15位、群馬は19位と下位に位置するが、中位以上を目指すためにも今の良い流れを結果へと結び付けたい。東京Vと金沢も下位に沈む同士の戦いとなる。なかなか浮上の兆しを見いだせないなか、好転のきっかけをつかむのは果たしてどちらのチームか。
北九州vs千葉は危機感に満ち戦いになるだろう。前節、金沢との“裏天王山”に勝ち切れなかった北九州は最下位から脱出できず。一方の千葉も監督交代後2試合で勝利を手にできていない。ともに追い込まれた者同士の一戦は、その危機感をチーム力へと昇華させたほうに勝利が訪れるだろう。
■第28節の見どころをチェック
山形vs京都
水戸vs熊本
東京Vvs金沢
横浜FCvs札幌
松本vs岐阜
清水vs長崎
讃岐vs群馬
北九州vs千葉
山口vsC大阪
徳島vs町田
愛媛vs岡山