今節最大の注目カードは札幌vs清水の上位決戦だろう。1試合消化試合が少ないながら、2位の松本に勝点5差をつけて首位を快走する札幌を、爆発的な攻撃力を備える清水がストップできるか。まもなく佳境を迎えるリーグ戦の大きな山場となる一戦だ。
リーグ最少失点を誇る札幌に対し、清水はリーグ最多得点と、究極の「守」と「攻」の対戦となる。札幌とすれば絶好調の鄭 大世をいかに食い止められるかが重要なポイントとなるだろう。前回対戦では札幌が2-0と勝利を収めているが、果たして今回の対決ではいかなる決着を見るのか。
2位の松本はホームに水戸を迎える。前節は徳島に引き分けて足踏み。札幌との勝点差をさらに広げられないためにも、勝利こそが求められる。ただし水戸はここ5試合で3勝と好調で、前節も金沢に3-0と快勝を収めている。松本にとっては一筋縄ではいかない相手となるが、大観衆の後押しを受けて、勝点3を引き寄せたい。
3試合勝利から見放されているＣ大阪は、横浜FCとホームで対戦。前節は3点差を追いつく粘り強さを見せたものの、あっさりと3点を許した守備には一抹の不安がよぎる。とはいえ力強さを増してきた杉本 健勇の存在は頼もしく、今節も彼のパフォーマンスがカギを握りそうだ。一方の横浜FCは4試合負けなしと調子を上げている。前節、千葉に逆転勝利を収めた勢いを今節にもつなげたい。
2連勝中の岡山は徳島とのホームゲーム。少し前まで漂っていた停滞感を振り払い、再びエンジンがかかってきた岡山は、上位から引き離れないためにも確実に結果を残したい。とはいえ徳島もここ5試合で3勝と調子を上げており、前節も2位の松本と互角の戦いを演じている。ともに状態は悪くないだけに、白熱の攻防が期待できそうだ。
京都は東京Ｖとのホームゲームに挑む。前節は3点のリードを守り切れずにＣ大阪と引き分けているだけに、試合の終わらせ方が重要なテーマとなるだろう。攻撃力を高めている東京Ｖの圧力をいかに耐えきれるかが、試合の焦点となる。
町田vs山口も注目のカードだ。ともに昇格組ながら序盤戦のＪ２リーグを盛り上げ、現在も上位を狙える位置に踏みとどまる。前節はともに敗れているが、一時期の不調からは脱却しており、状態は悪くない。前回対戦では町田が2-0と勝利を収めているが、Ｊ３時代から切磋琢磨してきたライバル対決は、互いの意地とプライドがぶつかり合う激しい一戦となることは間違いない。
監督が交代した2チームの動向にも注目だ。千葉はホームで愛媛と、岐阜はホームで讃岐とそれぞれ対戦する。長谷部 茂利監督が就任した千葉は、初陣となった前節で横浜FCに逆転負け。慎重な戦いを演じながら次第に失速した感は否めなかった。今節は新監督が求めるハイプレスを敢行し、アグレッシブな戦いを展開できるか。一方、吉田 恵監督は迎えた岐阜は、体制が変わっても結果を出せず、ついに7連敗となった。両チームともに苦しい状況が続くなか、勝利という良薬を手にし、苦境からの脱却を図りたい。
好調の長崎は熊本の本拠地に乗り込む。前節の勝利で星を五分に戻し、10位に浮上。昇格プレーオフ出場圏内まではまだ10ポイント差があるが、現在の勢いを鑑みれば昨季に続く上位進出も現実味を帯びてきた。対する熊本は苦しい戦いが続くが、前回勝利を挙げたうまかな・よかなスタジアムの一戦で、再び地元のファン・サポーターに歓喜をもたらしたい。
20位に沈む群馬は、5試合勝利から見放されている山形をホームに迎える。いずれも苦しい状況のなか、目に見える結果を手にして復調のきっかけをつかみたい。21位の金沢と22位の北九州の直接対決もテーマは同じ。降格圏に沈む両者にあるのは大きな危機感だろう。その危機感を力に変えて、白星という成果につなげたい。
■第27節の見どころをチェック
札幌vs清水
千葉vs愛媛
松本vs水戸
金沢vs北九州
岐阜vs讃岐
群馬vs山形
町田vs山口
京都vs東京Ｖ
Ｃ大阪vs横浜FC
岡山vs徳島
熊本vs長崎
