Jリーグは20日、イギリスの『Perform Group』が提供するスポーツのライブストリーミングサービス『DAZN(ダ・ゾーン)』と、2017年より10年間、約2100億円の放映権契約を締結したことを発表しました。また、JリーグとDAZN、NTTグループが『スマートスタジアム事業』協業契約を締結したことも併せて発表され、同日にJFAハウスで記者会見が行われました。
会見にはJリーグ村井 満チェアマン、Perform Investment Japan株式会社のジェームズ・ラシュトンCEO、日本電信電話株式会社(NTT)鵜浦 博夫代表取締役社長の3氏が出席し、会場を埋めた大勢のメディアを前に、契約内容や今後の展望などについて語りました。
今回の契約はモバイル、CS放送などの有料放映に関するもので、地上波やBSなどの無料放送は対象外となります。DAZNではインターネットをベースとしたスポーツコンテンツの定額観放題サービスとして、魅力的な価格で提供される予定となっています。
また、動画の著作権はJリーグに帰属されることになり、Jリーグによる制作費負担の元、J1、J2、J3の全試合が生中継されます。インターネット放送の特性上、放送時間の制約がないことから、キックオフ時刻は原則クラブが設定できるようになりました。
村井チェアマンは、今回の契約には世界の主要サッカーリーグで初となる『有料放映権市場で、インターネットサービス事業者と主契約締結』したことなど、5つの意味合いがあることを説明し、「インターネットを使って、いつでも、どこでも、何度でも、非常に手軽に、安価に見られるサービスを世界に先駆け実現できる」 と話しました。
一方、Perform Investment Japan社のラシュトンCEOは「すべてのファンに新しい体験を与えたい」と、今回の契約のビジョンを説明。Jリーグをパートナーに選んだ理由については、「Jリーグのオーディエンスは本当に素晴らしく、コアとなるファンベースがすでに築かれています。ポテンシャルの大きさを感じており、Jリーグ、NTTと一緒にさらなるファン層を獲得できると思っています」と語りました。
気になる価格などのサービス概要に関しては今夏の発表を予定しており、明言は避けたものの、「ディナーではなく、ブランチくらいの価格」と、記者の質問に回答しました。
全国のスタジアムのwi-fi環境の整備、情報サービスの提供などのを含めたICT(Information and Communication Technology)化を推進する『スマートスタジアム事業』を協業するNTTの鵜浦社長は、「スポーツの成長産業のお手伝いをぜひさせていただきたいという気持ちで今回の提携に至りました。私共はまずスポーツ産業の成長に向けて、Jリーグと力を合わせ、先行事例として、成功事例を目指して取り組んでいきます」と、抱負を述べました。
かつてない規模の大型契約とあって、この日の質疑応答ではメディア各社から多くの質問が寄せられるなど、関心の高さが窺えました。Jリーグ、DAZN、そしてNTTグループによる三位一体での改革で、2017シーズンのJリーグはどう変わるのか、村井チェアマンは「世界とのギャップを埋めるために、ファンタスティックで人を引き付けるリーグに変わっていきたい」と力強く語りました。
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