3日に行われるキリンカップのブルガリア代表戦を控えた日本代表ハリルホジッチ監督のコメントです。
■ヴァイッド ハリルホジッチ監督
「長い時間合宿を重ねてたくさんトレーニングしてきた。シーズン最後なので難しいが、トレーニングで調整してきた。いろんなグループに分け、いろんな段階を設け、特にメディカルフタッフが大変な作業をした。レベルの高い試合をするためにパフォーマンスを維持する努力をした。疲労が溜まった時は休ませ、その後に再開した。選手はたくさんのトレーニングをこなして素晴らしかったと思う。
少し問題があるとすれば本田 圭佑の怪我でしょう。おそらく試合ではプレーしない。2試合目にもし準備できていればプレーさせるが、リスクは取りたくない。それに関しては残念だ。彼は本当にいい仕事をしていた。この合宿では、こんなにパフォーマンスのいい本田は見たことないほどだった。本田がいなければ他の選手にチャンスを与える。勝つためのトライをしたい。我々より強いと言われる相手だが、この戦いにかける野心がある」
――初招集選手の印象と、彼らを起用する考えは?
「大島 僚太と小林 祐希はまだ準備できていないかなと思う。彼らはまず見て、学んでもらって、もし可能ならピッチに立たせるが、今のところは浅野 拓磨の方が試合に関わるチャンスがかなり大きいかなと思う。そうは言っても、過ごした時間は少ない。昨日(5月31日)、初めてタクティックトレーニングをしたが、彼らの様子を見て、私が合宿に呼んだことの意味を証明してくれたと思う。いいトレーニングだった。彼らは能力を示したが、ディスカッションはする。そのために準備している。彼らは能力があるので、できるだけ代表に定着する努力をしてほしい」
――キリンカップには2008年にコートジボワール代表の監督として参加しているが、当時と今とで日本はどう変化している?
「コートジボワール代表時代を思い出すと、ものすごくいい雰囲気で迎えられた。プレッシャーもあまりなかった。昨日もグラウンドを見たが、素晴らしく、観客も多いでしょう。そこまで暑くないし、コンディションよくて、よい状態でできると思う。もちろん相手の国にもよる。彼らがどのような気持ちで来るのか。日本にとってはいいテストだ。
以前の日本代表と比べるのは難しい。ブルガリア戦に向けて何試合か彼らの試合を見ているが、本当に強い。厳しさ、パワーがある。日本にとってすごくいいテストになる。この1年を振り返って、選手にペーパーを渡した。我々のアイデンティティはこうだというものを示した。すべて文書にして説明した。ロッカールームにも張った。守備の原則は何か、攻撃の原則は何か、FKは何をすべきか、それからメンタル面。すべて説明して彼らに渡した。これは代表の次に向けた準備のためのものだ。そして勝つ文化も伝えた。これは欠かせないフレーズになっていく。どのようなチームに対してもリスペクトはするが、勝つトライをしよう。負ける試合もあるでしょう。ただ、どんな相手にもコンプレックスを抱かないチームになってほしい。みんな、たくさんトライした。特に海外組は疲労があったと思うが、厳しいトレーニングをしてくれたので楽観的にいられる」
――2次予選ではGKに西川 周作選手を起用したが、それまでは川島 永嗣選手が出ていた。レギュラーの選考基準は?
「今回の試合ではあらゆるトライをしようかなと思っている。GKに関しては川島が数日いるし、おそらくプレーする可能性は大きい。彼も厳しいトレーニングをして、GKコーチとディスカッションもしてきた。彼は野心、厳しい気持ちを持って、スタメンを奪いたい気持ちを見せた。ただ、優先順位は決めていない。最終予選に向け、まだまだ発展があると思う。おそらく(最終予選が始まる)9月3日に1位が見つかると思う。今のところは、誰とは言えない」
――本田選手がいるといないとで、チームにどういった変化があるか? また代わりに誰を起用し、システムを変えることもあるのか?
「本田はプレーしません。親善試合なのでリスクは取りたくない。ただ、誰かが怪我をすることはある。他の選手にチャンスを与えないといけない。オーガナイズに大きな変化はないが、圭佑と違うタイプの選手が出るでしょう。我々のプレーの変化は個人の特徴による。本田はこの数年、キープレーヤーだった。簡単に彼に代わるような選手はいないでしょう。ただ予選の中では本田抜きの試合もあった。シチュエーションが変わってしまったので、彼の代わりに1人、2人を試すでしょう。クオリティ、レベルはおそらく本田とは違う。私は若手にチャンスを与える勇気がある。大島、小林祐希はすぐにプレーさせるためでなく、次の準備をさせたい」
――ワールドカップのアジア最終予選に向けて、何を一番にテストしたい?
「彼らがどのようなレベルで対応するのかを見てみたい。ヨーロッパのフィジカルの強いチームにどのような守備をするか。デュエル、特に空中戦で対応できるか。オフェンスで我々のプレーを見せられるか。最終予選に向けて、いいレベルにあるか。ヨーロッパの強豪国に我々のプレーができるか。90分、試合をコントロールできるか。
シリア戦は5-0だったが、スコアほど簡単ではなかった。10分で相手に2、3回ビッグチャンスを作られた。この映像も選手たちに見せたし、修正しないといけない。同じことを繰り返さないように。ブルガリア相手にそれをやると1、2失点してしまう。シリア戦ではそういうレッスンを受け取った。デンマークはFIFAランクがかなり上位で、我々より強いと思う。我々よりパワー、テクニックがある。そういうチームにどういう対応しなければいけないのかが見られる。これはワールドカップ本大会に向けた準備でもある」