29日開催の4試合はＡＦＣチャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）に参戦する4チームが登場。前節、首位に返り咲いた浦和は名古屋をホームに迎える。前線の連係とプレッシングが冴え川崎Ｆを圧倒したサッカーに隙はなく、今週はＡＣＬの試合もなかったためコンディション面にも問題ない。大観衆が詰めかけるであろうホームのサポーターの後押しを受け、今節もその強さを発揮するだけの条件はそろっている。名古屋にとっては厳しい戦いが待ち受けるだろうが、シモビッチの高さ、永井 謙佑のスピードという前線の武器を生かせれば、勝機は十分にあるはずだ。
Ｇ大阪と川崎Ｆの一戦も注目だ。Ｇ大阪は前節、宇佐美 貴史の決勝点で勝利を挙げ、復調の気配が漂う。川崎Ｆは浦和に敗れたとはいえ、持ち前の攻撃スタイルにブレはない。宇佐美、大久保 嘉人のエース対決、遠藤 保仁、中村 憲剛のコンダクター対決など、個々の争いにスポットを当てても見どころは豊富。過去の対戦では多くのゴールが生み出されているカードでもあり、娯楽性に富んだ見ごたえ十分の一戦となりそうだ。
前節、鳥栖に競り勝った磐田は王者広島をホームに迎える。粘り強く勝点を拾った前者に対し、ピーター ウタカがフィットした後者はいよいよ本調子となりつつある。総合力では広島が上回るであろうが、名波 浩監督は何かしらの対策を講じてくるはず。その戦術がはまれば、下馬評を覆す結末が待ち受けるかもしれない。
3試合勝利から見放されるFC東京にとっては正念場だろう。上位争いに加わるためにも負けられない一戦となる。状態は決して良くないが、平山 相太の復調など明るいニュースもある。タレントは揃っているだけに、個々の力をチーム力に昇華できれば、おのずと結果はついてくるはずだ。対戦相手の福岡もここまで勝利がなく、苦しい戦いが続く。今節も押し込まれる展開が予想されるが、堅守速攻に活路を見出し、FC東京の隙を突いていきたい。
30日に開催される5試合のなかでは大宮vs鹿島をクローズアップしたい。4試合負けなしの大宮は上位を窺う情勢。一方の鹿島は前節敗れたものの、俄然上位争いを演じている。金崎 夢生が復帰する今節はベストメンバーで臨めるだろう。鹿島が主導権を握る時間が増えるだろうが、大宮はその攻撃を耐え、家長 昭博ら前線のタレント陣の打開力にかけたい。いずれもさらなる上昇を目指すモチベーションの高さが備わるだけに、手に汗握る白熱の一戦が期待できそうだ。
横浜FMと湘南の神奈川ダービーも注目だ。前節は広島に敗れたものの、横浜FMはここまで攻守にバランスの取れたサッカーで好調を保っている。対する湘南はいまだ長いトンネルから抜け出せていない。同県のライバルクラブから初勝利を挙げて、今後の戦いへと弾みをつけられるか。アグレッシブなスタイルで躍進を遂げた昨季の戦いを取り戻したい。
3連勝中の柏と4試合負けなしの神戸。好調同士の一戦も見どころは豊富だ。かつて柏を率いたネルシーニョ監督が古巣に挑む構図もさることながら、ともに攻撃スタイルで結果を出しているだけに、激しい打ち合いも期待できる。この戦いを制したほうが、上位進出への足掛かりをつかむはずだ。
ともに勝ち星から見放されている仙台と鳥栖の一戦は、メンタリティが勝敗を分けるカギとなるだろう。勝利への飢餓感を強く示し、ハードワークを続けたほうに勝利の女神がほほ笑むはずだ。3連敗中の新潟は、3試合負けなしの甲府と対戦。勢いでは甲府が優位とみられるが、新潟は怪我人が戦線に復帰しており、戦力は整ってきた。順位が一つ上の相手をたたき、連敗阻止を実現したい。
■各試合の見どころをチェック
Ｇ大阪vs川崎Ｆ
浦和vs名古屋
磐田vs広島
FC東京vs福岡
仙台vs鳥栖
大宮vs鹿島
柏vs神戸
新潟vs甲府
横浜FMvs湘南
