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新理事体制発表記者会見(全文)【Jリーグ】

2016年3月10日(木) 12:33

新理事体制発表記者会見(全文)【Jリーグ】

新理事体制発表記者会見(全文)【Jリーグ】
副理事長に就任した原氏(左)と握手を交わす村井チェアマン

Jリーグは3月9日(水)、社員総会および臨時理事会を開き、理事・幹事・特任理事の人事を決議し、JFAハウスにて「新理事体制発表記者会見」を実施いたしました。

理事・監事・特任理事 一覧

【以下、村井チェアマンおよび新任役員コメント全文】

■村井 満 チェアマン
本日行われた社員総会で、新しい体制が承認されましたので、人事の背景、全体像についてお話しさせていただきます。

まずこの2年間を振り返ると、足場を固めるという考え方に近い2年間でした。「3」、「4」、「5」と数字を用いて表現しましたが、まずは『3つのフェアプレー』を謳いました。Jリーグが突然世界のレベルに追いつくことは難しいので、まずは日本の強さを再認識し、すぐに着手できることとして「ピッチ上のフェアプレー」、「ファイナンシャルフェアプレー」、「ソーシャルフェアプレー」を推進しました。これは日本が世界に誇るべき3つの観点であるので、ここから着手しました。
フットボールに関しては『4つの約束』を表明しました。急にスタープレーヤーがJリーグに来るような現状ではない中、お客様にお金を払って観ていただけるだけの価値のあるサッカーを提供しようという観点から、スピーディーでフェアなサッカーを見せることを「+Qualityプロジェクト」をもって推進いたしました。
さらに、足場を固めるために『5つの重点戦略』として、「フットボール」、「デジタル戦略」、「スタジアム」、「国際戦略」、「経営人材の育成」という観点で、Jリーグの地場を固めるために取り組んできました。 
そうした2年間を経て、あらためてこれから行うべきこととして、「世界のフットボールとのギャップを埋めていくこと」、「そのための道筋を明らかにすること」、「世界を意識したJリーグに移行していくこと」の3つの方針を決めました。アンダーカテゴリー日本代表の戦績をみても、なんとかリオオリンピック出場を果たしたものの、世界の変化のスピードの方が速いと感じます。世界のトップリーグに追いつくために何が足りないのかを具体的にするための手を打ち、世界を意識したJリーグにしていきたいと思います。

そのために、Jリーグでの監督経験を持ち、日本代表の強化に携わられていた原 博実氏に副理事長に就任いただきました。また、クラブからは浦和レッズの淵田社長、サンフレッチェ広島の織田社長を迎えました。浦和はクラブの収益規模、入場数においてJリーグを牽引しています。世界にチャレンジするモデル、見本を示してほしいと思います。広島の織田社長は東洋工業時代からマツダでプレー(注釈:織田氏は1984年に東洋工業(株)入社/同社は同年5月にマツダ(株)に社名変更)され、選手を引退されてからは、二十年近くクラブを強化サイドから支えてきました。広島が昨季世界3位になった背景には、吉田町のユース選手寮に象徴されるクラブの育成哲学があります。世界に届く実績をJリーグ全体に還元してほしいと思います。また、FIFAワールドカップの中継をはじめ各界との連携をとられてきた山本浩さんは特任理事から理事へ移行いただきました。フットボールの観点やクラブのスケールを変えていく観点もふまえて、こうした新たなチームで世界にチャレンジしていきます。

もう一つ、大きな変革を支えるためには、経営基盤、組織基盤をさらに強固にしなくてはなりません。大河理事がJリーグを離れ、CFO(最高財務責任者)にあたる人員が不在でしたが、木下理事を迎え入れることができました。また、財務面、経営管理面、組織面で内部のイノベーションを進めていかなければならない中、本日、Jリーグ関連会社の各取締役会において、中野 幸夫氏(前Jリーグ専務理事/同日付で退任)が代表取締役会長、小西 孝生氏(現Jリーグメディアプロモーション代表取締役社長)が代表取締役社長に就任する人事が決議されました。これまで6社あった関連会社をワンチームに統合し、お二人がその代表になるということになります。

こうした決定の背景には、Jリーグの様々な制度が制度疲労を起こし始めていることがあります。Jリーグエンタープライズの株主には「オリジナル10」と呼ばれる開幕当初からのJクラブが含まれています。収益を適正に還元すべきなかで株主構成が歪んでいる状況にあります。また、従業員を関連会社ごとに雇用しているため、皆がJリーグ全体について考えなくてはいけないのにもかかわらず、各組織の中で視界が閉ざされている可能性があります。将来的にはJリーグの本籍をひとつにし、そこから公益社団法人日本プロサッカーリーグへの出向や関連事業会社への出向といった形で組織化し、マインドセットをワンチームに変えていくことが重要で、そのためにトップを一元化することにいたしました。これに伴い、会社の神経系統である経理などの業務もワンチームにし、各社を相互兼務し、Jリーグの組織基盤を再編成することを考えています。その経営管理面に木下理事を据え、財務、組織、バックオフィス関連を委ねることとなります。

このように永らく欠けていたフットボール面と経営管理面のプロフェッショナルという2つのピースが揃ったことで、Jリーグとして大きく前進できると考えています。原副理事長、木下理事の招聘に加え、世界の変化を素早くキャッチアップし、我々なりに考えて素早く打ち手に転換させていく必要があります。新たに理事に迎えた並木氏は、ベルギーで生まれアメリカ・ペンシルバニア大学ウォートン校でMBA(経営学修士)を修了し、マッキンゼーの最年少役員を務めたのち自らコンサルティング会社を起業されました。湘南ベルマーレの役員も務められていましたが、このたびJリーグに身を転じていただくことになりました。また、特任理事の馬場氏については、所属されているSAP社のビッグデータ解析がワールドカップ優勝に見られるドイツ復活の鍵となったと言われています。現在はアメリカ、日本の両国で業務にあたられている中、仲間に加わっていただきました。お二方とも30代の若さで、論客というよりは、ハンズオンでともにJリーグの変革に寄与していただくことを期待しています。

また、女性の活躍という観点では、木下理事とともに監事として大塚氏に加わっていただきました。村松理事、有森理事を含めて4名の女性がJリーグのボードメンバーとなります。Jリーグは、スタジアムに来場されるお客様の4割が女性です。皆さんには女性に向けた発信も期待したいと思っています。

新任の方々の起用の背景は以上の通りとなります。本日、早速理事会を開催しましたが、様々活発に意見が出て、良いチームになりそうな予感がしています。是非ご期待いただきたいと思います。

就任にあたり原副理事長はJリーグのさらなる発展を誓った
就任にあたり原副理事長はJリーグのさらなる発展を誓った

■原 博実 副理事長
今日からJリーグに籍を移しました。Jリーグを世界水準にするために、強化、普及育成を全力でやっていきたいと思います。私は日本サッカー協会に7年間在籍しましたが、自国のリーグのレベルが上がらないと代表が強化できないということを、身をもって痛感しました。現在Jリーグではフットパスを用いて育成環境を検証しています。明日も早速ミーティングが入っていますが、強化という結果に対してアカデミーがどうあるべきかを考え、とにかくやれることをやっていきたいと思います。これまでの経験や自分の力を発揮して、できる限り現場に赴き、クラブや地域の方々と話をしながらJリーグをより一層発展させるために全力でやっていきたいと思います。

■木下 由美子 理事
さまざまな仕事をやってきましたが、サッカーに関しては門外漢として着任いたしました。これまで子育てを通じて色々なスポーツと交わってきています。自分のことは「ミーハー」だと思っていますが。それは強みでもあると思っています。一般に近い視点でJリーグのことを考えていく人間がボードメンバーにいてもよいかと思います。微力ながらJリーグ、日本サッカーのために力を尽くしていきたいと思います。

■織田 秀和 理事
現役時代はサンフレッチェ広島の前進であるマツダサッカー部でプレーしていました。選手を引退するタイミングでJリーグが発足し、縁あってサンフレッチェ広島の発足時から強化担当としてチームに携わってきました。その間、2度のJ2降格、3度J1で優勝を直に経験することができました。昨年2月に社長に就任したばかりで、経営者としてはまだまだ未熟な面もあるかもしれませんが、長年強化に携わってきた者として、また広島という地方の中堅クラブの一員としての想いを皆さんに伝えながら、Jリーグ、Jクラブの発展に少しでもお役に立ちたいと思います。

抱負を語る4氏。(左上から時計周りに)木下理事、織田理事、山本理事、淵田理事
抱負を語る4氏。(左上から時計周りに)木下理事、織田理事、山本理事、淵田理事

■淵田 敬三 理事
浦和レッズの社長になって2年が経過しました。皆さんにあまりお伝えできていないことがひとつあります。私自身は高校までサッカーをやっていましたが選手としてはだめで、体も壊し、選手として志半ばでありました。その想いは息子に託し、息子も高校までサッカーをしていましたがうまく成就せず、最後はアメリカンフットボールをプレーしていました。そんな中で2年前、浦和の社長に就任することになりました。私のサッカーに関する想いを、皆さんはあまり感じていらっしゃらないかもしれないが、私自身はサッカーが大好きです。そういう気持ちを抱きつつ、Jリーグ、浦和を盛り上げていきたいと思っています。幸いにも安定的にチームも上位の成績を収められるようになり、経営的にもこれから投資をして積極的にチャレンジしていく段階に入っています。まさしく村井チェアマン「第2期政権」の世界を見据えるという方針にマッチしていると思います。Jリーグの中でも大きなクラブとして、Jリーグを支え、浦和レッズも大きくなり、常に世界にチャレンジできるよう微力ではあるが踏ん張ってやっていきたいと思います。

■山本 浩 理事
サッカーの世界に携わって約40年余りが経ちます。久米理事が軽快に中盤でプレーされている様子や、原副理事長の強烈なヘディングシュートの放送にも携わってきました。 今回の理事会はこれまでの無限軌道で荒れた車で走るのではなく、もっとスピードの出る、エンジンが大きな車に変わったと感じています。今回の「車」は視野の広さが大きな特徴だと思います。世の中が急激に変わりつつあり、国際サッカー連盟の会長も新しい世代の会長となりました。日本代表の実力もこれまでと違った曲がり角にさしかかっています。こうした中で、スムーズに、力強く、そして辺りの様子をきちんと見ながら走れる集団となることを、自分自身も期待しています。

■並木 裕太 理事
マッキンゼー在籍時からスポーツビジネスに携わり、2005年の東北楽天ゴールデンイーグルスのプロ野球参入、黒字化、成長戦略を担当させていただいた後、2009年に「フィールドマネジメント」を立ち上げました。経営コンサルティングの会社ですが、ほぼすべての時間をプロスポーツチームおよびリーグのコンサルティングに使ってきました。また直近では湘南ベルマーレの取締役としてチームビジネスに取り組んできました。これまではコンサルティングという外からの立場でしたが、このたびJリーグの理事となり、日本にも世界に誇れるビッグクラブをつくれるように、中からリードしていけるように頑張っていきたいです。

■大塚 則子 監事
公認会計士を務めています。生まれは鳥取県米子市です。鳥取は最近までスターバックスやセブンイレブンがない地域でしたが、Jリーグのクラブは昔からありました。地元民としては、地元にJリーグのクラブがあることはうれしいことで、あまりサッカーのことは詳しくないものの、地元のクラブは応援してきました。存在することで地元を活性化できるということは、Jリーグはやはり特別な存在だと思っています。そこに関われるのは光栄なことだと思いますので、精いっぱい頑張っていきたいと思います。

抱負を語る4氏。(左上から時計周りに)並木理事、大塚監事、馬場特任理事、小西特任理事
抱負を語る4氏。(左上から時計周りに)並木理事、大塚監事、馬場特任理事、小西特任理事

■小西 孝生 特任理事
1992年にJリーグに入局し、Jリーグでは主に映像を使った放送権のビジネス、公式記録の運用や、インターネット事業の整備、最近ではトラッキングデータ等の営業面、事業面を担当してきました。2000年にJFAの事業部長を務め、その際は日本代表のスポンサーシップパッケージ、放送権5年のパッケージであるいわゆる「JFAパッケージ」をつくりました。今年で25年目のサッカー界になりますが、その間、一貫して事業面、営業面で仕事をしてきました。引き続き関連会社の収益を最大化して、事業面からリーグ、クラブに貢献していきたいと思います。

■馬場 渉 特任理事
高校までサッカーをしていました。非常に鮮明に覚えていることのひとつに、当時の高校サッカー部の監督が選手からJリーグの審判になるという際、生徒に対して「選手としてはワールドカップに出られなかったが、審判としてなら出られるかもしれない」と言った、ということがありました。この時、選手以外にもサッカーを支えられるということがわかり、目から鱗という経験をしました。その後20数年経ち、職業上はデジタルを使った経営改革が現在の仕事で、直接スポーツに携わってきてはいませんでしたが、スポーツ業界がグローバリゼーションによってテクノロジーと切っても切り離せなくなった中で、サッカーで言えばリーグ、クラブのファン向けのデジタル改革や、強化やスカウティングに関わるデジタル改革、スタジアムのデジタル活用など、数年かけてスポーツに携わることとなりました。サッカーをプレーしていたことは20数年忘れていましたが、いろいろなことを思い出しながら、企業向けに行ってきた変革やイノベーションをサッカー界に向けて還元できればと思っています。

欠席した福西特任理事はビデオメッセージでコメントを寄せた
欠席した福西特任理事はビデオメッセージでコメントを寄せた

■福西 崇史 特任理事(ビデオメッセージ)
サッカーが日本の文化になることを理想、目標として日々過ごしています。プロサッカー選手になってから約20年が経ちました。この経験を活かして、2年の任期の中で、どれだけ自分ができるかわかりませんが、微力ながら力になっていければと思っています。よろしくお願いします。

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