明治安田生命Ｊ１リーグ 1syステージ 第2節は、3月5日（土）、6日（日）の両日に全9試合が行われる。
土曜日開催の試合で注目なのは、アビスパ福岡と横浜Ｆ・マリノスの一戦だろう。現役時代に横浜FMでプレーした井原 正巳監督が対戦相手の指揮官として古巣を迎え撃つ。とりわけ中村 俊輔とはチームメイトとしてともにピッチに立った経験もあるだけに、両者にとっては特別な意味を持つ試合となるかもしれない。
前節、サガン鳥栖に敗れた福岡だが、レベルファイブスタジアムで迎えるＪ１復帰後の初陣とあって、ホームのファン・サポーターに初勝利を届けるべく、モチベーションは高いだろう。一方、前節ベガルタ仙台に敗れた横浜FMにとっても、連敗だけは避けたいところ。前節を体調不良で欠場した中村が復帰の見込みで、「俊輔がいればもっとラストパスなどを出せたと思う」というエリク モンバエルツ監督の“恨み節”も解消されるはずだ。いずれも守備には自信を持つだけに、1点を争う好ゲームが期待できそうだ。
鈴木 優磨の一撃でガンバ大阪を撃破した鹿島アントラーズは、4年連続で開幕戦ゴールを決めた豊田 陽平擁するサガン鳥栖を迎える。ともにハードワークを前面に打ち出した戦いで開幕戦勝利を飾ったチーム同士の対戦であり、連勝をかけた激しい戦いが予想される。
川崎フロンターレと湘南ベルマーレの“神奈川ダービー”も興味深い。川崎Ｆは開幕戦で、小林 悠のゴールで王者サンフレッチェ広島を撃破。とりわけ印象的だったのは守備の堅牢さだ。新戦力のチョン ソンリョンに対するチームメイトの信頼は厚く、この新たな守護神を中心とした守備の安定感が、持ち前の攻撃力に好影響を与えるだろう。またエース大久保 嘉人には引き続きＪ１最多得点記録の更新が期待される。
湘南とすれば川崎Ｆの攻撃をいなしつつ、いかに相手の隙を付けるかがポイントとなるが、守備力を向上させた川崎Ｆに対して、それは決して容易なミッションではないだろう。
Ｊ１復帰初戦を勝利で飾った大宮アルディージャは、柏レイソルと対戦する。ＦＣ東京の猛攻に晒されながらも、岩上 祐三が奪った1点を守りきった前節の戦いは、まさに狙い通り。もっともＪ２では通用したパススタイルを示せなかったのも事実で、FC東京と同様に攻撃力に自信を持つ柏を相手に、どこまで自らのスタイルを打ち出せるかに注目したい。
ヴァンフォーレ甲府に0-2と完敗を喫し、最下位スタートとなったヴィッセル神戸は、前節、湘南に競り勝ったアルビレックス新潟をホームに迎える。神戸としては不甲斐ない戦いとなっただけに、本拠地で勝利を挙げて前節の悪夢を振り払いたいところ。ただし、新戦力が躍動する新潟には昨季も1分1敗と勝利を挙げられなかった。知将ネルシーニョ監督の修正力が試されるだろう。
日曜日にはＡＦＣチャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）出場組の試合が行われる。気がかりなのは王者・広島の状態。公式戦3連敗中と昨季の面影はなく、過酷な連戦のなかで今節も苦戦が予想される。相手は開幕戦でジュビロ磐田に勝利した名古屋グランパス。磐田戦では新外国籍選手の鮮烈な活躍が光ったが、ホームでの初陣でもニューカマーの躍動が期待される。小倉 隆史新監督に本拠地での初勝利をもたらせるか。王者から勝点3をもぎ取れば、一気に躍進する可能性もある。
同じく苦戦が続くＧ大阪は、甲府の本拠地へと乗り込む。警戒したいのは前節の神戸戦で2ゴールを叩きこんだクリスティアーノ。迷いなくフィニッシュに持ち込むその積極性には、熟練のＧ大阪守備陣も手を焼くはず。一方、現状は得点力不足を露呈しているだけに、甲府に先制点を許して守りを固められてしまう展開だけは避けたいところだろう。
ＡＣＬの浦項戦で今季初黒星を喫した浦和は、磐田をホームに迎える。水曜日に韓国で試合を行い中3日での試合となるが、柏木 陽介、阿部 勇樹ら主力を温存させているだけに、コンディション的なダメージは小さいはず。ホームの大声援も後押しするだろう。一方の磐田はＪ１復帰後初勝利を目指す。前節は名古屋にいいところなく敗れているだけに、上手く立て直したいところ。「最初に勝点３を失った以上は勝ちにいかなければいけない」と、名波 浩監督はたとえアウェイであろうと、勝利を求める姿勢を貫く覚悟だ。
アジアの戦いにおいて攻撃陣の好調ぶりが際立つFC東京だが、開幕戦では大宮に完封負け。仙台のホームに乗り込む今節、その屈辱を晴らせるか。一方の仙台は横浜FMに完勝を収めた前節の勢いをつなげたいところ。ただし、その試合で決勝弾を奪った三田 啓貴はFC東京からの期限付き移籍中で、契約上この試合には出場できない。そんな状況下で渡邉 晋監督はどのような編成で臨むのか。そのマネジメント力に注目したい。
■各試合の見どころをチェック！
鹿島vs鳥栖
川崎Ｆvs湘南
大宮vs柏
神戸vs新潟
福岡vs横浜FM
甲府vsＧ大阪
浦和vs磐田
名古屋vs広島
仙台vsFC東京
