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千葉「“新生チーム”の早期成熟を促す重要な舞台」【プレビュー:ニューイヤーカップ】

2016年1月29日(金) 19:04

千葉「“新生チーム”の早期成熟を促す重要な舞台」【プレビュー:ニューイヤーカップ】

千葉「“新生チーム”の早期成熟を促す重要な舞台」【プレビュー:ニューイヤーカップ】
数少ない残留組の佐藤は今オフの大刷新をポジティブに捉えている

6年目のJ2リーグを9位という不本意な成績で終えたクラブは、文字どおりの「大刷新」を敢行した。

2011年11月から約4年間クラブを率いた島田 亮社長が退任し、強化部門のトップとなるゼネラルマネージャーには、昨シーズン途中までヴィッセル神戸でチーム統括本部長と強化部部長を兼任していた高橋 悠太氏が就任。チーム編成に関するニュースはシーズン終了と同時に飛び交い、「24名退団・20名加入」(1月28日時点)という大胆な“リニューアル”が話題となった。2種登録を除いた昨季の最終登録メンバー29名のうち、チームに残ったのは7名しかいない。

1月17日に行われた新体制発表会見で、就任3年目を迎える関塚 隆監督は言った。
「新生・千葉としてスタートする。攻守に主導権を握り、アクションを起こすサッカーをお見せして勝利を目指したい。大事なのは、戦う集団、勝つ集団、強い集団を作り上げていくこと」

選手の大半が入れ替わったチームにおいては、シーズン開幕までの時間の使い方が例年とは異なるだろう。求められるのは、初めて同じユニフォームを着る選手たちの相互理解を促し、指揮官が掲げる戦術を浸透させること。そして、それらを特別なスピード感をもって実現すること。1月24日からスタートしたキャンプはもちろん、ロアッソ熊本(1月31日)、アビスパ福岡(2月2日)、鹿島アントラーズ(2月4日)と対戦する「Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ」は、“新生”の早期成熟を実現する上で非常に重要な実戦経験となりそうだ。

多くの選手が入れ替わった今季、関塚監督はどのようにチームを作り上げていくのか
多くの選手が入れ替わった今季、関塚監督はどのようにチームを作り上げていくのか

昨季、関塚監督は4-2-3-1と4-4-2を併用し、後半戦は4-4-2に集中した。しかしメンバーが大幅に入れ替わった今シーズンは、トレーニングや実戦を通じて選手たちの能力を見極め、最適な戦術を選択し直すことになる。従って、今大会における結果はさほど重要ではない。“見極め”と“選択”をいかにスムーズに行い、チームとしての方向性を定めることができるか。3試合の見どころは、その一点に集約される。

数多くいる新戦力の中で特に注目したいのは、浦和レッズからの期限付き移籍で加入した長澤 和輝だ。背番号10を託されたテクニシャンは、専修大卒業と同時に渡独。ケルンで約2年を過ごしたが満足な出場機会に恵まれず、再起を期してJリーグでのプレーを選択した。いかにも“10番”タイプのタレントは、昨季までのチームに不足していた攻撃のアイデアとなり得る。

長澤を含め、アタッカー陣はレギュラー争いが熾烈だ。2014シーズンに松本山雅FCでJ1昇格の立役者となった船山 貴之、水戸ホーリーホックに在籍した2年間で15得点を記録した吉田 眞紀人を始め、新外国籍助選手のブラジル人FWエウトンやパラグアイ代表MFアランダなど、実績あるタレントがポジションを争う。昨季からの“生き残り組”では、U-23日本代表としてリオデジャネイロ・オリンピックのアジア最終予選を戦ったオナイウ阿道、さらにアカデミー育ちの有望株であるMF井出 遥也のさらなる台頭が期待される。

近藤 直也や阿部 翔平、多々良 敦斗ら経験豊富な選手が加わった守備陣も含めて、チームは今、個々が持つ特長を見極め、戦術に落とし込む作業を急ピッチで進めている。完成までに例年以上の時間を必要とすることは明らかだが、チームの“顔”として今シーズンも背番号7を背負う佐藤 勇人はこの状況をポジティブに捉えている。

「チームが大きく生まれ変わったからこそ、みんなが一つの方向に向かうことさえできれば大きなパワーになると思う。今季は黒か白。失敗か成功のどちらかしかないので、結果を白に導くために全力で戦います」

毎年のようにJ1昇格候補の一角に挙げられながら、J2を舞台とする戦いは7年目を迎えた。敢行した“大刷新”は、日本サッカー界の名門クラブに漂う停滞ムードを一掃する特効薬となるか。今回のJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップは、指揮官が言う「新生・千葉」を早熟させるための重要な第一歩となる。

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