浦和レッズは27日、明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ準決勝のガンバ大阪戦を翌日に控え、大原グラウンドで最終のトレーニングを実施した。
今日の練習は通常と様相が異なった。14時30分前後にピッチへ姿を現わした選手たちはまず、一組9人に分かれてボール回しに興じ、その後は4人一組でのパス練習へ移行した。ここまではシーズン中と変わらなかったが、これが終わると全員でグラウンドを軽くジョギングで2周ほどし、ミハイロ ペトロヴィッチ監督が選手全員を集めて二言、三言声を掛けたところで全体練習が終了した。
その後、各人が自主トレーニングの名目でシュートやPK練習を行ったが、ミニゲームなどの実践トレーニングは行わずにすべての練習が終了。2012シーズンにペトロヴィッチ監督が浦和の指揮官に就任して以来、試合前日に実践形式のメニューを消化しなかったのは珍しいことだ。ペトロヴィッチ監督はその意図について以下のように語った。
「昨日非常に良いトレーニングができたので、そのイメージを選手たちに残してほしかった。それが実践トレーニングを行わなかった理由だ」
すべての準備は整ったと自信を見せる指揮官。また選手たちも監督の意図を汲んでモチベーションを高めている。槙野 智章が語る。「昨日までの練習でいろいろな選手を試し、良い形を共有できたと思います。これまでの日々の練習でしっかり準備をしてきたので、自信はありますし、モチベーションも高まっています」
また、ペトロヴィッチ監督は何人かの選手の現在の体調について、こう述べている。
「那須(大亮)と森脇(良太)は今週良いトレーニングが積めたので、明日の試合に向けて準備ができている。ただ興梠(慎三)は首を以前から痛めていたが、先週また痛めてしまった。彼の怪我は神経的なもので判断が難しい。興梠に関しては今週もあまり練習をできていない。私は、彼はファイナルに向けて準備をしたほうがいいと思っている」
最後に、2004シーズンのチャンピオンシップに横浜F・マリノスの一員として出場し、リーグ制覇を果たした那須が明日のゲームに際して決意を述べた。
「僕らは常に自分たちのサッカーを貫こうとしてきた。明日の試合ではメンタル面を含めて、自分たちのやりたいサッカーをしっかり表現できれば必ず結果が出ると思っている。今回のチャンピオンシップは一発勝負なので、全部勝たなければなりません。ただ、これまでも負けていい試合はリーグ戦を含めてひとつもなかったわけで、もちろん注目度は高いながらも、一試合の重みはこれまでと同じ。チーム全体で最後まで諦めずに戦う。それだけです」
ベテランらしく、普段通りのプレーを実践することの重要性を説き、戴冠への道を突き進む覚悟を示した。
[文:島崎 英純]