8日に行われた2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選 シリア戦を終えた日本代表 ハリルホジッチ監督のコメントです。
■ハリルホジッチ監督
ロジカルな勝利だったと思う。これが我々の目的だった。前半は満足していないが、その後に修正した。後半はゲームコントロールの面、特にゴールを決めるところで良くなった。初めてPKを取ったが、それも含めてこの勝利は我々に良いものをもたらした。ただチームはもっと向上すると思う。この勝利のスパイラルを続けなければならない。
――後半はどこを修正したのか?
特にボールを使ってゲームを支配するところだ。我々は簡単なパスミスをしていたが、グラウンドが柔らかく疲労もあったと思う。背後へのプレーがなかなかできず、足元でもらうシーンが多かった。そのため、相手は後ろに残った状態のまま前に向かって守備ができた。後半はいくつかのよいアクションがあり、ワンタッチを伴ったプレーをすることでかなりのチャンスが作れた。左からの素晴らしいアクションで点が取れなかったのが残念だが、そうしたプレーが我々のアイデンティティーとなる。繰り返しになるが、このチームはまだまだ向上の余地がある。我々のグループで一番難しい相手に勝つという目的を果たすことができた。ただし(選手は)少しプレッシャーを感じていたのかもしれないし、テクニックも習慣化されていない印象だ。後半、より多くのものをもたらしてゴールにつながった。
――後半の修正によって勝利できたことをどう評価する?
何人かの選手に修正を加えた。山口、長谷部、(香川)真司、さらに本田と原口。彼らが広がった状態になって、足元でもらう動きが多かった。岡崎と真司、本田、原口には、お互いもう少し近くでプレーするように要求した。個人よりも組織のアクションが増えると考えたからだ。人が動いて、もっとボールが動くことを要求した。
――PKを初めて獲得できた要因と意義は?
10試合で1回取れたような感じのPKだった。ただ、私はずっと16メートルの中に入った時にはPKを誘うように言い続けたが、ようやくそれが実現した。16メートルの中でまだまだアグレッシブさが足りない。特にデュエルの部分でだ。シリアはかなり戦うチームで、最後の最後まで諦めなかった。我々が考えていた以上に難しいチームだった。後半は、我々の経験とテクニックでゲームを支配できたが、あと2、3回は我々によいアクションがあったので、そこで取れればという希望はあった。次のイラン戦に向けてまた修正していきたい。
――縦の攻撃が少なかったのはリスク管理で慎重になったからか?
おっしゃるように、背後を求めたわけだが、そのためにハーフタイムで指示を加えた。少し相手ゴールを背負った状態で、お互いが広がりすぎていた。そして相手は、しっかり戦う意識があり、それをブロックしてきた。また、我々のパス交換が正確でなかったため、プレースピードが上がらなかったという分析をしている。中盤と前線に修正を加えたことで、後半には日本の真のイメージを皆さんにお見せすることができたと思う。
それから宇佐美、清武、武藤は(途中出場から)いい入りをしたことを付け加えておきたい。我々が求めるスピードを、彼らはもたらしてくれた。宇佐美もチャンスをいくつも作ってくれた。左からの素晴らしいアクションで、ゴールを奪えなかったのが残念だった。
――今日の試合を踏まえてイランとどう戦う?
ちょうどイランが試合をしているので、そのビデオを見て分析する。かなり強いチームだし、スタジアムには8万人くらい入ると聞いている。(アフガニスタン戦とは)まったく違う試合になると思う。もっとレベルの高い試合になるが、もっともっと我々はレベルを上げていかなければならない。