2024年2月27日
2024年度 第2回Jリーグ理事会後会見発言録
2024年2月27日(火)17:00~
Jリーグ会議室およびWeb ミーティングシステムにて実施
登壇:野々村 芳和 チェアマン
青影 宜典 執行役員
陪席:樋口 順也 フットボール本部長
岩貞 和明 マルチメディア事業本部長
大城 亨太 クラブライセンスマネージャー
司会:仲村 健太郎 広報部長
〔司会(仲村広報部長)より説明〕
本日開催いたしました第2回理事会後の会見を開催いたします。
《決議事項》
1.Jリーグ入会要件の改定について
Jリーグの本日の理事会において、Jリーグ入会要件における入場者数に関する基準について改定を行いましたのでお知らせいたします。
本改定はJリーグ全体のより一層の成長のために、J3にふさわしいクラブとして今後の成長の基盤が整っていることを確認するという観点で、過去のJリーグ入会クラブの入場者数および入場料収入の実績を踏まえ基準を設定いたしました。
具体的には1試合の平均入場者数が2,000人を超えていることかつ年間入場料収入が1,000万円を超えていることを必須要件といたします。Jリーグ規約第17条に変更点を記載しています。それ以外の入会要件について変更点はございません。
《協賛・後援》
インクルーシブフットボールフェスタ広島2024
〔野々村チェアマンよりコメント〕
現理事による理事会は本日で最後となりました。
私は2年前にJリーグのチェアマンに就任して以降、ガバナンスを変更しながら、理事会の場でどれだけ良い議論が交わされるかを目指してやってきました。
様々なことを色々な角度で、得意分野、専門分野から話をしてくれる方も多く、今まですっと決まっていたことも中々決まらなくなったところもありますが、一方、色々な議論を尽くして意思決定できるようになったとも思っています。この先も一緒に継続して務めていただく方もいますが、改めて理事の皆様に感謝したいと思っています。
Jリーグが開幕しました。今シーズンは、J1からJ3まで同週末の開幕が初めてだったということもあり、週末にスタジアムでサッカーに関わってくれた人、楽しんでくれた人が32万7,639人となりました。開幕週として史上最高の数字を達成できたことは純粋に喜ばしいことだと思っています。試合としても、サンフレッチェ広島の新スタジアムでの初公式戦や国立競技場の東京ヴェルディ vs. 横浜F・マリノスの試合など、多くの人に伝えたいことがうまく伝わっていたと思っています。
DAZNの試聴もすごく良かったという報告を受けています。ローカルの地上波放送も一昨年から増えており、その視聴率等を含め最低でも650万人以上の人が試合を観てくれたことは、とても良いスタートを切れたと思っています。
〔仲村広報部長より補足〕
試合のテレビ放送につきましても全国放送2試合、ローカル放送は20地域で放送していただきました。そして地上波の(Jリーグに関する)テレビ露出につきましても約5時間40分、20,490秒と計測している2009年以降最高の数字となりました。合わせてご報告いたします。
〔質疑応答〕
Q:入場者数についてJリーグが開催された週末で史上最高ということで、何が一番大きな要因なのか、J3も一斉に開幕したことが要因なのか。また、過去はどのくらいだったのか、規模感を教えていただければと思います。
A:仲村広報部長
J1の入場者数平均が2万人を超え、J2も8,500人、J3も約3,500人と入場者数となりました。J1からJ3一斉開幕の影響もありますが、各カテゴリーの入場者数が昨年に比べて伸びているということも要因としてあります。
A:野々村チェアマン
昨年はまだコロナ禍でした。(今年増えた)要因は色々あると思います。第1節・2節でほぼ全クラブのホームゲームを開催いたしますが、J1の入場者数は特にスタジアムの収容者数が影響します。(東京Vvs.横浜FMを開催した)国立競技場は大きな会場でしたが、それ以外は大きな会場ではなかった中で、この数字は悪くないと思います。第2節でほぼ全スタジアムでの開幕を開催するので、開幕の盛り上がり感、入場者数の規模はしっかり把握できると思います。
A:仲村広報部長
歴代最高の入場者数を記録した2019年の総入場者数と比べても、今節(第1節)の総入場者数は113%程度と多い結果になっています。
Q:以前の週末という数え方では、この数字は過去の数字と比較してどのくらい多かったのか。
A:仲村広報部長
開幕週で比較した場合、次に多かったのが2017年の開幕週末です。30万人程度だったため、(今年が)2万人多い数字となります。
〔補足〕
●2019シーズンとの比較
2019シーズンJ1・J2・J3平均入場者数 9,681人
2024シーズンJ1・J2・J3第1節 平均入場者数 10,921人 比較 113%
●2017シーズン開幕節
J1第1節の入場者数 計:200,969人
J2第1節の入場者数 計:103,042人
合計入場者数 計:304,011人
Q:本日の議題ではありませんでしたが、シーズン移行の2026年の前半部分について、理事の方への説明や、現状どうなっている等の話は出たのでしょうか。
A:野々村チェアマン
本日の理事会ではシーズン移行に関する議論はありませんでした。今日の理事会で一番時間を使ったのは、この理事メンバーでの発足から2年が経過して、これまでの理事会の振り返りや、Jリーグは今後どこをどのようなスタンスで目指すのか、という議論でした。過去できていたかどうか、それがどう変わったかというところと、さらにもっと変えていこうといった話が一番だったと思います。移行期の大会方式はスケジュール感を持って、こういう形でやっていきますということは、理事の方たちにもお伝えしていますが、今日はその話をするタイミングではありませんでした。
Q:チェアマンにお伺いします。今年のJ1リーグですが、開幕節が終了しました。東京の2チームが昇格し、20チームで戦うリーグになりましたが、J1リーグの展望、感想、勢力図等をお話いただければと思います。
A:野々村チェアマン
私も当然ながら全ての試合を観戦することはできませんので、勢力図についてお話するのは非常に難しいです。現時点ではそれほど差が無く、今年もきっと混戦になるだろうと思いました。開幕戦では、本来もっと力があるのにうまくいかなかったり、一方難しいと思っていたが健闘したチームがありました。これは例年同様、開幕だからということもあると思います。私が観戦した試合は、インテンシティが高く、すごく良い試合で、サッカーの技術や戦術以上に気持ちが伝わってくる試合が多かったと思います。また、それを引き出すだけのスタジアムの雰囲気を作ってくれたファン・サポーターがいたことは大きかったと思います。観戦した試合が多くの方にご来場いただいた試合だったということもあるのかもしれません。
Q:Jリーグから2月23日にリリースされた海外の放映権についてですが、リリースの中でJ1リーグの生配信が1節に2試合、英語実況で放映されると発表されましたが、昨年は1節4試合という状況だったと思います。削減となった経緯、背景を教えてください。
A:マルチメディア事業本部 岩貞本部長
J1リーグについては1節につき4試合の英語CG、英語コメンタリーをつけて配信をしています。買っていただいている配信先によっては2試合をチョイスしたり、4試合をチョイスしたりというところになっていますので、削減したというわけではございません。ライツホルダーによってはたまたま2試合をピックアップして放送する形を取っているという形になっています。引き続き、セールスをしていますので、今後、また発表できるエリアもあるかと思っています。
A:野々村チェアマン
昨年と変わらず、減ったわけではないということです。2試合しかやらない国もある。
Q:つまり、配信先の例えばオーストラリアのOptusとか、2試合を提供して、例えばJリーグのYouTubeでそのまま4試合を放送※するという感じになるのでしょうか?
※YouTubeでの配信は、日本および放映権保有国以外の国と地域での配信となる。
A:岩貞本部長
販売しているエリアの放送局が2試合を放送するなら2試合のみになります。放送していないエリアについてはYouTubeで、全試合、J1からJ3まで含めて、全試合放映できる体制は取っておりますので、何本放送するかはエリアごとで変わってまいります。
Q:先日の開幕イベントの際に、海外からの審判員の招聘という話がありまして、その点について現状分かっていることがありましたら教えてください。
A:フットボール本部 樋口本部長
今週中に第1弾のリリースを発信できると思っています。現在、最終調整です。その中で、年間でどの程度計画をしているということも併せて発表予定となっていますので、もう少々お待ちいただければと思います。
Q:広島に新スタジアムができて、投資が広島にもたらしたということを何か感じたか。また、国立競技場の試合は雨の中、国立競技場ということでお客さんも多くいらしたと思いますが、今年も国立競技場で開催することへの可能性を感じているかお聞かせください。
A:野々村チェアマン
広島の開幕戦はいけなかったのですが、こけら落としに行きました。
市内中心部にスタジアムができたことは、当然ながら大きな話題ですし、高揚した気分になります。この高揚感は、広島の人だけではなく、アウェイチームのサポーターや、サッカーにあまり関心はなくても広島に来たら訪れてみたいと思う人など、色々な人に影響を与えると思います。サンフレッチェ広島には、このスタジアムができたからには、何年後かには強くなった、良くなったところを見せなければならないというプレッシャーもあるかもしれませんが、それはクラブを経営していく上で楽しみの一つです。非連続の成長でこんなチャンスはめったにありません。色々な意味で期待が持てるのではと思います。
国立競技場に関してですが、関東近辺には、地方から出てきて地元のクラブとなかなか接点を持てない方も含めて、サッカーと触れ合ってもらいたい人がたくさんいます。サッカーに関わるまであと一歩という方は、様々な調査の結果1,600万人くらい東京近辺にいることが分かっています。その方々に一歩を踏み出してもらうには国立競技場は最適で、初めて来場した方の3割がもう1試合観にきてくれているというデータが一昨年からとれています。
自分の地域のクラブの試合を観戦してもらうということ、一過性ではない施策として国立競技場を色々な地域のクラブに使ってもらうことも含め、新規ファンの開拓という意味では良い場所だと感じています。
Q:国立の魅力は、その立地にあるのか、ブランドにあるのでしょうか。
A:野々村チェアマン
立地、ブランド、両方だと思います。新しいスタジアムだということは、それなりに魅力です。都心部の立地の良い場所にナショナルスタジアムがある国はそうそうありません。世界と比較しても、メリットが多くあるスタジアムだと思っています。だからこそ、新規開拓を考えた時に、すごくチャンスがあると思います。様々な人が、サッカー的に聖地であり、多様なメリットがあると思う場所です。