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2023年度 第11回Jリーグ理事会後会見発言録

2023年12月7日(木) 12:40

2023年度 第11回Jリーグ理事会後会見発言録

2023年度 第11回Jリーグ理事会後会見発言録
2023年度 第11回Jリーグ理事会後会見発言録

2023年11月28日

2023年度 第11回Jリーグ理事会後会見発言録

2023年11月28日(火)18:00~
Jリーグ会議室およびWeb ミーティングシステムにて実施

登壇:野々村 芳和 チェアマン
窪田 慎二 執行役員
青影 宜典 執行役員
樋口 順也 フットボール本部 本部長 
大城 亨太 クラブライセンスマネージャー
司会:仲村 健太郎 広報部長

〔司会(仲村広報部長)より説明〕
本日開催いたしました第11回理事会後の会見を開催いたします。

〔野々村チェアマンよりコメント〕
理事会の内容は、後ほど広報から報告があると思います。大きなテーマとして、どこにどれだけJリーグとして投資をしていくことがJリーグの成長につながるかという大きな話をできるようになったのは、コロナ禍も含め、ここから伸びていこうという意味で、理事の皆様の目線もすごく高い、良い話し合いができたと思っています。
シーズンはJ1、J3が1節を残し、J2はJ1昇格プレーオフを残すのみとなりましたが、ここまでのコメントをさせていただくと、J1はヴィッセル神戸が優勝、J2はFC町田ゼルビアが優勝、J3は愛媛FCが優勝し、3チームとも初優勝、加えて2023JリーグYBCルヴァンカップのアビスパ福岡も初優勝ということで、初物づくしという感じもしますし、色々なクラブが頑張って成長している証拠にもなるのかなというところでは、リーグ全体ではすごく良いシーズンを過ごせていると感じています。
今週末、昇格をかけたビッグマッチもありますし、各クラブにとってホーム最終戦はすごく大事な試合になるので、良い締めくくり方ができるようにクラブとリーグと一緒になって最後頑張っていきたいと思っています。
まだシーズンは終わっていませんが、総入場者数がコロナ前の2019年比で約98%になってきています。それだけ多くの方達に見てもらえたというのは嬉しいことですし、コロナの大変な3年間を経てそこまで戻せたのは、皆様も含め様々な方達の協力のお陰だと思っています。来年の話をするのは少し早いですが、来シーズンは今までなかったような過去最高の数字が出せるように取り組んでいきたいですし、そんな手応えもあるとお伝えしておきたいと思っています。
今日もAFCチャンピオンズリーグがありますし、ACLのチームは12月12日、13日まで試合があるので、すごく大変だと思いますが、日本を代表して頑張ってもらいたいです。

〔質疑応答〕
Q:シーズン全体のお話で、フットボールの内容面を上げていこうということで、シーズン移行含めやっておられると思います。今季のパフォーマンスは、それぞれの初優勝などありましたが、チェアマンとしてどう受け止められましたか?

A:野々村チェアマン
何かのデータをもとに話すわけではないので感覚的なものになってしまいますが、良い意味でJ1は上位のチームと下位のチームで今シーズンはあまり差がなかったと感じています。
各クラブ、海外に出ていく選手も含めた入れ替えに、どう強化としてアジャストしていくかということが、今まで以上に問われたシーズンで、今シーズンはどこが勝ってもおかしくないようなリーグ戦だったとJ1では感じました。
J2は最終節であのようなドラマが待っていたことを考えると、パフォーマンスのピークをどの時期に持っていけたかで、もしかしたら順位も変わっていたかというくらい接戦だったと感じました。
いずれにしてもチームを作っていくことは簡単ではないですし、強化に携わる方たちは、色々なことをもっと考えながらやっていかなければならないすごく難しい仕事だったと思いますが、結果が出たチームはその人たちがすごく良い仕事をしたのだということは間違いなく言えると思っています。

Q:シーズン移行の件で、先日実行委員会があり、12月14日辺りに結論を持ってくると思うのですが、改めて色々な課題をかなり細かくやってきて、年内に結論を出したいと言ってここまできたと思います。結論までかなり近いのかなと思いますが、ここに至るまで、どんな気持ちか教えてください。

A:野々村チェアマン
チェアマンになると決まった時からこの話は避けて通れないと思っており、どうなったら良いのかなと、雪国のクラブで社長をやっていた経験も含め、考えていました。
話し合いを始めていく中で、色々なステークホルダー、それぞれのクラブの方達の考えを聞くことがお互いにでき、すごく理解が深まったかなと思います。見えていなかった課題や日本のサッカー、Jリーグが抱えている課題をあらためて発見できたこの数ヶ月だったと思います。
結論は来月以降になると思いますが、すごく実りのある良い時間でした。Jリーグがシーズンを変えるということよりももっと大きな役割も再認識できたと思いますし、Jリーグが果たしていかなければならない社会的な役割も多くの皆様と足並みを揃えることができつつあることは良かったと思っています。
その中でシーズン移行がどういう決着になるのか、今は当然明言ができませんが、メディアの皆様にとっても、一つの方向性を見出すことができているのではないかと思います。繰り返しになりますが、すごく実りのある良い時間にはなっていると思います。

《決議事項》
1.2024シーズンJ3クラブライセンス判定結果について
https://www.jleague.jp/news/article/26568/
J3入会を希望するJFLのクラブについて、本日開催した理事会におきまして、2024シーズンのJ3クラブライセンスの申請があり、9月の理事会で継続審議となっていたレイラック滋賀について、J3クラブライセンス交付を決定したことをお知らせいたします。このレイラック滋賀は9月理事会で施設基準未充足を理由に継続審議となっていましたが、仮設照明の設置によりスタジアム照明の照度基準を満たすことの確認が取れたためJ3クラブライセンス基準を充足すると判定いたしました。なお、同様に継続審議となっていた高知ユナイテッドSCは、J3クラブライセンス判定を辞退しましたので併せてお伝えいたします。今シーズンJ3クラブライセンス交付クラブの一覧は下記のクラブです。(*上記URLのニュース参照)
今シーズンJ3クラブライセンス交付クラブのうち、JFLのリーグ戦における最終順位が2位以内のクラブがなかったため、Jリーグ入会要件を満たすクラブはありませんでした。そのため、今シーズンのJ3・JFLの入れ替え戦は実施しないこととなります。
J3への入会までの道のり、また入会審査の項目も再掲しておりますのでご参照いただければと思います。

〔樋口フットボール本部本部長より「シーズン移行検討の件」について説明〕

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シーズン移行のこれまでの検討について、4月から本格的な検討を始めており、現在は「最適なシーズンがどちらなのかと決断の意見交換」をしている段階です。次の30年に向けて「まず目指すべき姿」ということで次の10年間をこういった状態を目指していこうと。その中で戦略は次の5つを掲げています。

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シーズン移行で実現させることについて、これまでは「ACLと一致させること」や「夏の試合を減らすこと」などと並列に並べているだけだったのですが、今回改めてクラブと意見交換をする中で再整理を行いました。
一番重要なのが、Jリーグ自体を「世界と戦う舞台に変える」ということです。

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インテンシティのカーブが、Jリーグが谷型でヨーロッパは山型になっているとこれまでお示ししてきました。
例えば、いまのままのシーズンでサマーブレークを取って低いところを休んで、低さを改善するということも大事なのですが、それと同じかそれ以上にカーブの形が大事なのではないかと考え、意見交換を行なっています。谷のカーブを山に変えることが重要なのではないかと考えています。
これまでJリーグは谷型のカーブで30年間過ごしてきました。谷型のカーブというのは始まってからコンディションが落ちていくことを耐えて、耐えて、耐える、というシーズンを過ごしていくことになります。逆にシーズンが始まって自分がどれだけの高みを目指せるかというところで日々鍛錬を重ねて、どういうところに到達できるかということを目指す山型のカーブ。アスリートの方からは、これを何年も繰り返し過ごすことによって、アスリートとして到達できるところが大きく変わるのではないかというご意見をいただきました。
またアスリートからだけではなく、学術的に運動生理学の専門家の方にもアドバイスをいただき、実際にシーズンを変えることによって今期待しているようなことが実現できるのではないかというコメントをいただいています。
本来、シーズンが始まって3、4ヶ月くらいのところでコンディションが最高潮に達するところで、今は猛暑に当たってしまっている状況をやはり改善しなければならないと思っています。
Jリーグでプレーすると世界基準のプレーができる、Jリーグでプレーすると日本代表として戦える、世界と戦える、Jリーグでプレーするとアスリートとして成長ができる、そんなプラットフォームにJリーグ自体を変えていくことが非常に大事なのではないかと思っています。
資料の2番、3番、4番はこれまでご説明してきた点ですので詳細説明は割愛いたします。

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皆様ご存じかと思いますが、選手会(JPFA)の意見が11月8日にwebで公開されておりますので、ご覧いただければと思います。選手会事務局や吉田会長とは定期的に意見交換を行っていましたが、選手会幹部の皆様も60クラブの支部の訪問を通じて多くの選手とも時間をかけて意見交換をいただきました。ファン・サポーターの皆様にもっとハイレベルな試合をお見せしたいというのが一番多く寄せられた意見で、そのためにACLやヨーロッパのシーズンと揃えることにも意義があると感じているとのご意見をいただいています。
一方で雪国の対策を懸念する意見も多くあるということで、今後雪国のサッカー振興を考えた施設の整備などもJFA・Jリーグに要望してまいりますというコメントをいただいています。
雪国対策など重要な課題について、引き続きJFA・Jリーグと協議することを前提に、JPFAとして納得できる解決策が見出せるのであれば基本的に賛成と考えていますという意見表明をいただいています。また週明けに選手会と意見交換をする時間をとらせていただきます。

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先ほどの緑の1、2、3、4によって何を実現させるかということなのですが、選手が良いプレーをできる環境、フットボール水準の向上、国際大会でしっかり勝っていくこと、代表選手を増やしていくこと、移籍金の収益を拡大する、国際大会の賞金を獲得する、放映権などリーグの収益も伸ばしていく、そしてそれが最終的にはファン、サポーターの熱狂やパートナーやメディアの皆様への価値提供、地域への貢献にもつながっていくのではと考えています。

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これまで多くの懸念もございましたので、現在の主な検討課題について5点に整理をしています。試合日程の件、スタジアムの確保の件、JFL・地域リーグ・大学・高校の選手の件、移行期の大会方式の件、財源の活用方法の件です。

まず試合日程につきまして、これまで案Aと案Bをお示していましたが、今回案B’を新しくご提示しています。

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案Bは12月の1週までだったのですが、天皇杯を除いた過去のJリーグの公式戦、リーグ戦やプレーオフの実績を踏まえて案B’を作っています。過去10年に絞り2月の試合や、12月の試合の一覧を参考に記載しています。原点を辿ると1993年はニコスシリーズの最終節が12月15日あたりまで実施されていたり、チャンピオンシップが1月に開催されていました。今年は最終的にJ3・JFLの入れ替え戦は実施されませんが、実際に実施する場合は12月16日。ここ10年で考えると、J1も参入プレーオフ、昇格プレーオフを12月14日に実施していたようなケースもございます。
従って、12月2週まで実施をして、再開は案Bと同じ2月3週頃にする案を案B’として全クラブにご提示しています。

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(上図は)アウェイの連続がどうなるかというものですが、7月に試合日程シミュレーションを作った際に、各クラブにどの週だったらホームで試合をできるかできないかを自己申告いただき、そちらをベースにしています。案Aでは12月3週、2月の2週を使っていたのですが、ここが案B’ではなくなります。
アウェイの連続はこの図のような形になるのですが、シーズン移行しない場合も2月3週に開幕しますので、2月3週以降のアウェイ連続はシーズン移行しなくても起こるものです。シーズン移行しない場合に比較して、シーズン移行した場合は、アウェイ連続がプラス1増えるクラブがいくつかあり、そのプラス1もウインターブレークを挟んだプラス1になりますので、シーズン移行するとアウェイ連続が異常に多くなるというようなことはなくなる案かと認識しています。

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かなり詳細なものになるので細かい説明までは割愛させていただきますが、J1とJ2、J3それぞれの試合の日程の詳細をお出ししています。表の見方としましては、上がシーズン移行しない場合の日程案、下がシーズン移行した場合の日程案で、下が2026-27シーズン、2027-28シーズンの2シーズン分ございます。その上に、3月なら3月、4月なら4月と一致する形で、2026シーズン2027シーズン2028シーズンのカレンダーのたたきを比較でご覧いただけるようになっています。
それぞれの月の左側の青が平日、平日の場合も祝日だと赤になっています。右側を土日で並べています。大会のマークはそれぞれご確認いただければと思います。右下に注釈を書いていますが、ACLエリートの日程やFIFAインターナショナルウインドーの日程も加えています。
これは色々な調整もまだ済んでいないたたきの状態なので、その前提でご覧いただきたいと思います。まずお出ししているモデルとしては、J1リーグでACLに参加していないクラブ、ACLに参加するクラブは紫のところでACLがありますので、紫とリーグ戦が重なった場合、予備日でリーグ戦を行なうことになります。
ルヴァンカップは決勝戦まで、また天皇杯も決勝までいくということを想定したモデルになっています。J2です。J2については、ルヴァンカップは3回戦まで、天皇杯はラウンド16まで行った場合を想定した試合日程を書いています。J3については、ルヴァンカップを3回戦まで、天皇杯が1回戦から3回戦までという形にしています。当然ルヴァンカップ、天皇杯も勝ち進むと後半にここに書いていない大会が入ってくることになります。空欄の場所に大会が入ったり、場合によってはリーグ戦が抜けるところもありますので、その場合は当該クラブのリーグ戦を予備日で開催することも発生します。
詳細をご説明すると1〜2時間かかりますので、まずはご覧いただいてまた別の機会に意見交換させていただきたいと思います。まずは詳細をご提示したという段階です。

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スタジアムの確保につきまして、懸念がございました。これまでのスタジアム確保の過程ですが、2027シーズンを例に取りますと、前のシーズンが終わる直前、1ヶ月前の①で、試合の日程、リーグ戦38節分をどこに置くかを決めています。現在、ちょうど今この11月のタイミングで来シーズン2024シーズンのリーグ戦をいつ開幕していつ終わって、どこに入れるかをもうじき確定することになります。②のところのシーズンが終わり、昇降格やACLクラブが確定したタイミングで日程くんに様々な要件をインプットします。その時に各クラブから地域のイベントや、他のスポーツの事由でホームスタジアムを使えない場合、5試合までホームNGを申請いただき、各クラブ38-5の33節分を抑えていただくということが原則になっています。そして、日程くんを実際に稼働させて、ホーム、アウェイの組み合わせが確定すると実際ホームで使用する19節分が確定します。12月末くらいのタイミングで19節分どこを確保するかが確定するというのがこれまでの流れです。

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これがシーズン移行をしてこのままのステップでやっていくとどうなるかと言いますと、前のシーズンが終わるのが5月末〜6月頭になりますので、この時点で33節分もしくは19節分が確定しても、行政年度は4月から始まっていますので、もう他の団体が抑えていて抑えられないとか、もしくは4月より前に抑えておくとした時にどこがホームになるかわからないので33節分抑えておかなければならないとなると、33-19で14節分使わないところも抑えないといけないので、他の団体へ影響が発生したり、指定管理になっているところはその分他団体への販売機会を失うことになります。ここがネックになっている状態でした。

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今回、懸念を解決するために、試合の日程を組む新しいプロセスを考えています。前のページと比較してご覧いただきたいのですが、試合日程38節分の確定を今まで通り、前年の11月、シーズンが開幕する10ヶ月前くらいに決めてしまいます。この38節をどこにおくかは、基本的には国際カレンダーが定まっていれば定められるものになります。今までと同じ②のタイミングでホームNGを5つ申請いただいて、ホームが33までに絞られるタイミングですが、ここのタイミングで日程くんを1回まわそうと思っています。全クラブ、昇降格の影響はあるけれど、38節あるうち、この何試合は確実にアウェイになるので抑えなくて良いという試合数を少しずつ増やしていこうと思っています。

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ここで日程くんを回して終わりではなく、前のシーズンの戦況が変わることによって昇降格の可能性が絞られていくことになりますので、都度日程くんを稼働させて、徐々に確保すべきホームの数を減らしていくというプロセスを辿っていきたいと考えています。
目安としてこの段階では33確保してください、3月の段階では28確保してくださいといようなことを一つの目安にしようと思っています。ただ、当然、昇降格が決まるのは5月になりますので、そこで最終的にもう一度日程くんを回して確定させます。19節分が確定するのは開幕の2ヶ月前になってしまいますが、早い段階から少しでもホームを確保する数を減らしていこうと考えています。
繰り返しですが、33や28というのは目安です。実際に全クラブから、直前になっても38抑えられます、というクラブもあれば、あるクラブは今まで通り12月のタイミングで19まで絞ってもらわないと抑えられないというクラブもあります。実際にJ1、J2、J3各20クラブあるなかで、それぞれのリーグのクラブの状況を全クラブ分、確認をしました。
例えばJ1で、このタイミングで19に絞ってもらわなければできないというクラブが3クラブ程度、最後まで38確保できるというクラブも3クラブくらいあります。また、このタイミングで30はおさえられる、このタイミングで35おさえられるというクラブがいくつかあり、それをベースに日程くんを回しました。結果、それくらいのクラブの申請の数であれば、実際に成立する試合日程を組める見込みが高いことが分かりました。スタジアムを確保できるクラブはできるだけ多くのスタジアムを確保いただいておく、確保できないクラブは今までと同じタイミングで19試合のホームを確定させる、という形で試合日程を組んでいこうと思っています。従って、19試合が5月まで固まらないからスタジアムが確保できないという懸念についてはクリアできる見込みであることが分かっています。
当然100%はなく、今の日程でも、例えば、ホームNGが全クラブ1試合だけでも、「全クラブ第1節がNG」となれば試合日程は組めないわけです。今後も日程くんをより抜本的に進化させてもっとスピーディーに様々な解ができるように変えていくとか、各クラブからいただいているシミュレーションもこれからスタジアムの皆様にご協力とご調整をいただき、もう少し各クラブがスタジアムを確保できる状況に変えていくこと、またスタジアム確保ができるクラブが損をしないように努力をして少しでもたくさん確保できたクラブがしっかりと恩恵を受けるような個別の運用の仕組みも必要かと思っています。現段階でも成立する見込みができていますし、シーズン移行する場合、まだ2年くらいの時間がありますので、こういった3点をしっかり進めていくことにより、問題なく基本的にホームスタジアムで試合をする試合日程が組めるのではないかと思っています。
一方で、これまでは全部が決まってから色々な情報をインプットしていましたので、ACL出場クラブはなるべくACLを戦いやすい日程にしたり、集客の面でもなるべく祝日やGWには集客が見込める試合を組むということも日程くんは計算していたのですが、そういったことが少しずつ制約を受けていくことになると思います。今までよりも失われていく部分もあると思いますが、最低限、しっかりとホームタウンで全クラブが試合をしていくことが担保できることが見込まれる状況だということをまず報告させていただきたいと思います。

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過去の説明と繰り返しになりますが、JFLはJリーグがシーズン移行を決めたあとに、決議をすることになると思いますが、基本的にJリーグと一緒にシーズン移行をするということを念頭にご検討いただいています。
一方で地域リーグにおきましては、例えば北海道や東北エリアは降雪期間、試合ができない期間はJリーグ以上に長いので、JFLとの昇降格のつながりに支障が出ない範囲で、地域ごとにそれぞれ適正な試合日程を組むのがいいのではないかという意見交換をしていると伺っています。今、それぞれの地域でどのようなスケジュールがいいかを組んでいただいて、最終的には地域CLなどをどこに置くかも含めて検討を進めていただいているところです。
大学、高校の新卒の選手につきましては、大前提として契約はいつでも自由にできますが、一方で基本的にはここで加入させましょうという原則を示させていただいています。原則としてはこれまで通り、冬のウインドーで加入とする方針にしたいと思っています。今までは開幕前のタイミングの冬でしたが、これからはシーズン中の冬に加入することを原則としたいと思っています。例えばJFA・Jリーグ特別指定選手の制度もありますし、今後、大学連盟、高体連の皆さまとも議論させていただく中で、本当に特別な選手に関しては何か違う制度を設計することもあるとは思いますが、まずは原則として1月、2月に加入していただくということにしたいと思っています。
保有枠のルールについては、今でいうとA契約25名などいろいろなルールがありますが、そもそもABC契約も抜本的に変えようと思っていますので、2年後、3年後にどのようなルールになっているか、まだ分かりません。もし、何かのルールがあったとして、期中に新人の選手が何名か入ることを特別枠として設けることも併せて設計する必要があることを明記しています。

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移行期の大会につきましては、まだまだ議論が必要という状態で、クラブとも意見交換が行われている状態です。12月6日の実行委員会でもここは多くの時間をかけて議論をすることになると思います。最速で2026―2027シーズンからと設定していますので、移行期が2025年と2026年の前半と捉えており、1シーズンと0.5と考えるのか、1.5シーズンと考えるのか、大きく2パターンの考え方と考えています。1.5がいいのか、0.5がいいのか、リーグ戦の形でやっていくのか、特別大会がいいのか。0.5と捉えたときに、昇降格ありがいいのか、ない方がいいのか。様々な観点があります。選手観点、ファン・サポーター観点、ご支援いただくステークホルダー観点、クラブ経営観点、どの観点かによって本当にバラバラになってきます。今、いくつかの案をクラブに出しているのですが、もっと違う案がないかも含めてまだ意見交換を行っている状態です。
ちなみに、0.5と呼んでいますが、実際は、開幕を今と同じ2月中旬とすると、5月末に終わることになり、実質3ヶ月ぐらいしかありません。J1は、ACLもありインターナショナルウインドーもあると、1周の19試合やるのもギリギリ入らないのではないかといったカレンダーになるので、そういうことも踏まえて大会方式を考えることが必要です。

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最後は財源の活用方法です。財源についてどんな支援ができるのかについて意見交換を行っています。大きく2点、まずキャンプの費用が間違いなく増額する部分になると思っています。各クラブのシミュレーションによると平均すると全体で1,500万円ぐらい、案A、案Bで変わってくるのですが、合計すると10億円弱ぐらいの増額があると思っています。ここを永久的に支援するものではないのではという意見をクラブ側からもいただいています。従って、その増額分の何割かを何年間かサポートする案を今、考えています。
またサッカーだけではなくスポーツを行える、子どもたちがスポーツを楽しめるような環境を作っていく必要があると思っています。こういった施設整備への支援につきましても、Jリーグ、JFAの数十億円、もしくは100億円規模の財源の中でどれぐらいの金額を1(キャンプ費用増額分の支援)と2(施設整備への支援)に使っていくか。当然ですが皆さんのご想像通り、2を徹底的にやろうとすると、100億あっても、200億でも足りないことになると思います。これだけはなく、目指す姿を実現させるための戦略を推進していくためにはもっともっと多くの費用が必要になってくると思いますので、全体でどれぐらいの費用をどのようにかけていくのかということも含めて、全体像も描きながらこういったことも詰めていこうという意見交換を本日の理事会でも行っています。
本日のご報告をまとめますと、「シーズン移行で実現すべきことの再整備を行っている」という点と、「シーズン移行する際の懸念5点について現状の解決策や進捗の状況」をご報告させていただいています。

〔質疑応答〕
Q:前回の会見で、12月の理事会での決定方法をどうするかを決めるといった話があったと思いますが、本日の理事会でその点については。

A:樋口本部長
意見交換していますが、まだ定まっていません。例えば財源の活用一つ取りましても、エアドームとありますが、これを一つ作るのにいくらかかって、ランニングコストがいくらかかってということなど、まだまだこれから検証や調整を進めなければいけない事項があります。従って、それぞれの項目についてどこまで固まっていれば決議できるのかということも、いろいろな観点でご指摘をいただいています。もう一度、我々の方で持ち帰って、12月19日の決議に向けて、次の12月14日の実行委員会と、12月6日には臨時の実行委員会もありますので、そこでも示しながら決めていきます。

Q:それでは、12月19日の理事会で決めるという日程は変わっていない。

A:樋口本部長
現時点ではそこを目標に進めています。

Q:どのような方法かはともかく、60クラブの決議も取るという話があったと聞いています。それも変わらないですか。

A:樋口本部長
そこも変わらずやる想定で考えております。

Q:スタジアム確保の件で、これまで通りの時期に19節分しか確保できないというクラブには、これまで通り、12月末ぐらいにホームの19節分は確保してもらうということでいいですか。

A:樋口本部長
実際にそうするかは別ですが、「そうしたとしても試合日程は作れるということを確認できた」ということです。当然、そのクラブは19節、ホーム試合が確定できるとなると、公平性という観点でも問題があると思いますので、例えば、その19節も希望としてもらうのではなく、我々がきちんと日程くんを回して、ランダムにやった結果をお戻ししたり、当然、19以上確保いただくような取り組みも進めていただくことも必要だと思っています。『そうやる』ではなく、そうしても答えが出ることを確認できたということです。

Q:確認ですが、B’案の降雪地域クラブのアウェイの連続の影響ということで、これは皆さん、納得して、これだけアウェイになってもいいという了解のもとでのプランニングなのでしょうか。

A:樋口本部長
まず2月3週以降のアウェイ連続については、シーズン移行しない場合でも起こります。それに対してウインターブレーク前に+1増えることは実行委員会でご説明させていただいています。これで納得しますか?という聞き方をして、全クラブが納得しますと完全な確認をした状態までではないのですが、異論は実行委員会ではいただいていない状態です。12月6日の実行委員会の時間もありますので、そこでも意見交換すると思います。

Q:降雪地域のクラブについてお聞きしたいのですが、案B’にある14クラブ、いわきFCを除けば13クラブだと思いますが、このクラブが降雪地域とJリーグが認定されているクラブなのでしょうか?また、降雪地域の認定基準、積雪量なのか分かりませんがあったら教えてください。

A:樋口本部長
公式に降雪地域のクラブというものを認定しているものは、現在の意見交換においてはありません。こちらについては各クラブに自己申告いただいています。例えば、申告していただいたクラブに対して、いや、ここは降雪地域ではないからアウェイ指定はダメですといったコミュニケーションは行っていません。今後、施設のサポートなどを行っていく際に、その地域に対してどこまでどう認めていくのかは、おそらくなんらかのルール設計が必要だと思っています。一方で施設整備についても皆さんは降雪地域だけをイメージされるかもしれませんが、我々は逆に南の地域での暑い中でもスポーツができる環境を作っていくことも大事だと思っていますので、順番、優先順位はしっかりと作らなければなりませんが降雪地域に限らない、暑熱対応も考えていきたいと思っています。

Q:前回の実行委員会で来月また賛否を問うという話でまとまったと思うのですが、先ほどの説明をお聞きして、これから議論をもっと進めていくという話が多かったと思いますが、賛否を問うことに対して反対等はなかったのでしょうか。

A:樋口本部長
現状はいただいておりません。

Q:議論がある程度煮詰まったという認識で来月を迎えようとしているとJリーグは認識しているということですか。

A:樋口本部長
出来る限りしっかりとした決断ができるように情報を集められればと思っております。一方で100%の情報は集められないことが多くあると思います。出来る限り様々な情報を集めたいと思っていますし、それを12月19日の理事会までに決断ができるように進めたいとは思っています。最終的には、こういう論点が詰まっていないとか、こういう情報が足りていないからまだ決断するべきではないという結論に12月の時点でなることも十分あり得ると思っていますが、現時点ではそうならないように、様々なものをスピーディーに進めたいと思っています。

 

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