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2022年度 第3回社員総会後会見発言録

2022年11月22日(火) 10:35

2022年度 第3回社員総会後会見発言録

2022年度 第3回社員総会後会見発言録
2022年度 第3回社員総会後会見発言録

2022年11月15日

2022年度 第3回社員総会後会見発言録

2022年11月15日(火)14:00~
Webミーティングシステムにて実施
登壇:野々村 芳和チェアマン
青影 宜典 組織開発本部長
陪席:笹田 賢吾 マーケティング本部長

〔司会より説明〕
本日開催いたしました2022年度 第3回社員総会後の記者会見を開催いたします。

《決議事項》
1.定款変更の件 ※報道資料あり
2.理事選任の件(追加選任) ※リリース・報道資料あり
3.役員の報酬および費用に関する規定改定の件 ※報道資料あり
4.役員退職慰労金支給の件
Jリーグの新たな成長戦略とリーグ組織の構造改革について ※リリース・報道資料あり

それではまず、決議事項2番目の理事選任の件からご説明いたします。
Jリーグは本日開催した第3回社員総会にて、元榮 太一郎(もとえ たいちろう)氏を2023年1月1日付で理事に選任することを決定しました。任期は2024年3月に開催予定の定時社員総会終結の時までとなります。

理事 元榮 太一郎(もとえ たいちろう)
弁護士ドットコム株式会社 代表取締役社長
弁護士法人Authense法律事務所 代表弁護士 CEO

2点目、Jリーグの新たな成長戦略とリーグ組織の構造改革について。下記資料をもとに野々村チェアマンからご説明いたします。

ニュースリリース「Jリーグ新たな成長戦略とリーグ組織の構造改革について」
https://www.jleague.jp/news/article/23814/

〔野々村チェアマンよりコメント〕
私は今、北海道コンサドーレ札幌川崎フロンターレが参加している「2022Jリーグ アジアチャレンジinタイ」の視察と、タイにおける海外放映権の交渉のためタイにいます。今、司会から話がありましたが、Jリーグが今後どのような世界を目指すかについて少しご説明いたします。(Jリーグは)ここまでの30年ですごく成長してきたと思いますが、一方でここからの30年、40年、50年も変えていかなければいけないという思いがありました。サッカーのレベルも上げていかなければいけませんし、それを実現するうえでもリーグとしての魅力を上げていくには、ここにあるような新たな成長戦略とそれを実現するための構造改革が必要だということで、まずは二つのテーマを成長戦略として挙げています。
分かりやすく申し上げますと、一つが58クラブ、来季は最大60クラブになるかもしれませんが、それぞれのクラブがそれぞれの地域で輝くことをもっと強調していきます。一方で、トップ層が国内でも、海外でも、実力的にもコンテンツとしても輝くこと、この二つを大きな成長のテーマとしたいと思います。

まずは、成長テーマその1、58クラブがそれぞれの地域で輝くということを、リーグもサポートしながらどう実現していくのかということですが、重点施策として「ローカル露出拡大」と書いています。ここにJリーグとしてもお金も人もしっかりと投資をしていくことを決め、今年の10月からトライアルとして、まず5つの地域で、Jクラブのみならず地域のサッカー全体を取り上げる番組を始めました。これらを全国で実施し、その後、別の時間帯でのテレビ、またラジオ、新聞を含めたメディアの露出を拡大していこうという取り組みです。ローカルでの露出拡大の実現に伴い、人気が高まり地域における関心が高まっている状態に至ると、連動してそれぞれのクラブでの入場料収入やテレビ等の視聴によりスポンサーの価値を上げ、クラブの収益が増えていくという循環を回していきます。
ここまで(トライアルとして)5つの地域に投資をして、それぞれの地域の4月と10月の露出量の差を確認したところ、新しく立ち上げた番組を除いても2~20倍ぐらい、応援番組を含めると1,000倍、1万倍ぐらいの露出量の差が出ています。
5つの地域に7つのJクラブがありますが、これらの実施にあたってはJリーグのスタッフも現地で一緒に働き、クラブの皆さんといくつかの注力試合を設定し、試合を運営しました。結果として、どの試合もほぼ今シーズン最高の入場者数を各クラブが達成しています。そういったことを全部の地域で投資をしながら、リーグ職員も一緒に働きながら、それぞれの地域でJクラブが成長していくことを目指していきます。

一方で、成長テーマのその2ですが、基本的には全部のクラブが成長していくことが大事ですが、ビジネス的な観点、(リーグ収入の観点で最も額が大きくなる)放映権料も含めて考えると、トップ層がナショナルコンテンツとしてどれだけ魅力的になるのかというところが非常に重要になっています。後ほど少し説明しますが、配分金の配分の仕方についても、強かったら、人気が出たら、そこのクラブが利益を得られるといった競争の世界をより強く推進することで、どのクラブがトップに行くのかという、競争のフェーズに入っていくと考えています。先ほどのローカル露出の施策と同様、いかにフットボール改革のためにリーグとして投資をしていくかが非常に重要だと思っています。ここで一つ付け加えると、それぞれの地域での露出が増え、また観客が増えることで、私が就任当初からお話ししているサッカーという作品がスタジアムの雰囲気も含めて素晴らしいものになると思っています。満員に近いような空気、熱狂の中でサッカーをするのは、選手のクオリティ、能力を上げていくと思います。
フットボール改革といってもいろいろあるとは思いますが、その中でも、満員のスタジアム、熱量のあるスタジアムをどう作っていくかは、ビジネス的にも重要ですが、フットボールの能力を上げる意味でも非常に重要だと考えています。こういうことを循環させていくことで、リーグ全体、各クラブがそれぞれ成長していくことを実現していきたいです。

■成長のための構造改革
【検討内容】
成長を促す意思決定システムへの変革と、成長テーマを実行するために組織見直しを図る
◼理事会のスリム化と執行役員導入を行い、決裁権限を変更する
◼実行委員会の定例開催を見直し、アジェンダ別会議開催とする
◼成長テーマを実現するための執行役員導入を踏まえ社内体制を変更する
配分金構造の見直し
ガバナンスと組織の見直し

【検討内容】
2つの成長テーマを後押しするために、
◼目安としてJ1:J2比率が 5〜6倍 程度(現状約2倍)までは、J1への配分割合を高めていくことを目指す
◼カテゴリー間の割合変更に加えて、競技成績やファン増加等の結果配分中心へシフトするとともに、それらの成果創出を後押しするための施策投資原資へ振り向ける
※具体的な2023年配分金額については12月の社員総会にて確定後発表予定

野々村チェアマン
先ほどご説明した二つの成長テーマを実現するために、まずはリーグ組織の構造改革を行います。
1つ目は、配分金の構造の見直し、これを実行委員の皆様と進めています。目安として、今までJ1対J2の配分の比率が2対1だったものを、5対1、6対1ぐらいまでJ1への配分を高めていくことを目指していきたいと思います。なお海外リーグの参考として(比較的比率差が高い)スペインは9対1、(比較的穏やかな)ドイツでも6対1という比率となっています。
トップ層が輝くことで、放映権の価値、リーグの価値が上がり、大きなビジネスになる循環がありますので、そこを牽引するためにも段階的に配分の比率を変えていきます。
繰り返しになりますが、どのくらい成績が上がり、ファンがどのぐらい増えたかなど、結果配分を中心としたものにシフトしていきながら競争を促していきます。ヨーロッパの大きなリーグのように、圧倒的なチームが今日本の中であるかというと、この10年をみても、2、3チームが複数回優勝しているだけで、まだまだトップ層もクラブ間の競争のフェーズにあると思います。場合によっては、今、下のカテゴリー、例えばJ2にいたとしても、十分に日本をリードしていくようなビッグクラブになる可能性もあるのが今のJリーグだと思いますので引っ張っていってもらうようなクラブに出てきてもらいたい。

より高みを目指すクラブが生まれる循環をうまく回していくために、リーグ組織のガバナンスをこれまでと少し見直していくことを決めました。
10クラブで始まったJリーグの30年前のガバナンスをうまく引き継ぎながらここまでやってきています。ただ、例えば理事会はすごく優秀な方たちが集まってくださっている中、会議の2時間をより有意義に使うためにも改革した方が良いだろうと思いました。一方で私も出席していた実行委員会も、(議案が多岐にわたるため)実行委員のみんなで何かを議論するような時間を取れない難しさを感じていました。だとするならば会議の時間がもったいないし、いろいろな議論の場にしていかなければならないので、そのためにはガバナンスを見直して進めていくことがよりJリーグ、各クラブにとって良いだろうということになり、以前からリーグの中でも議論されていたことだと思いますが、このタイミングで全体的に見直しをかけて最適化を行い前に進もうということになりました。私からの説明は以上です。

青影組織開発本部長
本日の社員総会は、定款変更議案等を中心に、ガバナンス改革の決議事項が多かったので、もう少しそちらについて説明を加えさせていただきます。先ほどチェアマンが申し上げましたように、30年続いたガバナンスシステムを今回大きく見直すことになりました。ただ、皆様にご案内どおり、クラブ数は年々少しずつ増えています。その時々の運用により様々な工夫、改善はしてきたものの、抜本的にこれだけクラブ数が増えてきている中、(全クラブで協議し、)決議して物事を進めていくというシステム自体を少し現状に合わせた形にモデルチェンジする必要があるということで、皆さんと協議して、今回の改革案をご提案いたしました。
現状は、社員総会を頂点として、日常的な物事については理事会という場で意思決定をして、Jリーグのルールメイキングをしてきましたが、基本的には、理事会で諮るすべてのアジェンダについて、いったん実行委員会で審議をし、そのうえで最終決定していくシステムを取ってきました。現状、58クラブの意見を踏まえて、理事会に上げていきますのでより広く皆様の意見を踏襲できるというのがメリットという見方もできます。ただ、一方ですべての議案について協議し、すべて上げるというシステムになると、正直、本日の実行委員会のアジェンダだけでも20近くありましたが、2時間、3時間の限られた時間の中では、重要なアジェンダに的を絞った有意義な議論が常にできるような状況ではなかったという反省があります。

今回、必ず実行委員会の審議を経て、理事会に諮るというシステムに代えて、基本的には必要なアジェンダはこれまで同様クラブの皆さんとじっくりと協議いたしますが、すべてのアジェンダを実行委員会を通して理事会に上げるということを見直して、システムを変更しました。それがまず大きな1点目です。それに加え、今回は理事会もスリム化して、先ほど野々村チェアマンが申し上げましたように、理事会の議論もより活性化させて、重要なアジェンダ、方針の決議機関に変えていきたいと思います。また、業務執行を適切に行えているかといったモニタリング型の理事会に変えるため、人数もスリム化し、より活発に意見交換をできるようにモデルチェンジしていきたいと考えています。それに伴い、現場でよりスピーディーに意思決定を行い、物事を動かしていけるように、Jリーグ内部に執行役員を配置し、業務執行権を理事会から一部、新たな執行役員に移譲することで、リーグ内部の経営会議を作り、そこで決議をして、物事を進めていく、そんな流れに変えていきたいと考えています。
今回の変更によって、より成長、促進できるような意思決定プロセスに変革できると思っていますが、一方でクラブからは、これまで協議の時間がなかったにしても、すべてのアジェンダに一度目に触れる場所がありましたので、そういった機会がなくなることにより、リーグとクラブの間にコミュニケーション不足が生まれるのではないかといった懸念の声もありました。そういったものを解消するために、例えばリーグ内部で意思決定し、実行委員会を通さずに理事会に諮ったものをタイムリーに確認できるようなポータルサイトなども導入し、これまで実行委員会の場で長時間かけて説明していたアジェンダを、シンプルに効率よくご確認いただけるシステムに変えていきたいと思っています。
繰り返しになりますが、よりJリーグを成長させるためのアジェンダに的を絞り、そこでの議論の時間を増やすなど時間を有効活用し、効果的な施策に結び付けていきたいと考えています。

今回、一連の改革を踏まえて理事会の人数およびリーグの執行体制が一部変わります。
本日選任された元榮さんを加え、新しく理事会としては10名、監事3名、特任理事4名の体制で、1月1日以降、再スタートさせていきたいと考えています。
一方で、社内組織体制については執行役員につきまして、組織体制を一部見直しています。細かな内容についてはこれから社内でも最終調整をし、確認していきますが、フットボール本部、経営基盤本部、クラブサポート本部、事業マーケティング本部、マルチメディア事業本部の5つの本部とし、これまでのフットボールと管理系、クラブ経営、事業、マーケティングを今回の新しい成長テーマに合わせて見直しました。
一つ目玉となりますのは、クラブサポート本部です。こちらの本部では、成長テーマの一つであるローカル露出のクラブサポートを中心とし、クラブの現場において様々なサポートを実行していくチームをクラブサポート本部の中に組成して対応していく予定です。また、これまで本部格に入っていたパートナー事業部、海外事業部、ならびに社会連携部より今回新たに名前を変更したサスティナビリティ部の3つの部は、本部格には属しません。当然、各本部との連携は引き続き対応しますが、それぞれの特色を踏まえ、営業面でも今後、強化が必要だと認識していますので、独立して執行役員を選任することでより強化をしていきます。そのような狙いで、この執行体制で来年1月1日以降、やっていきたいと考えています。
ここまでがガバナンス改革の全体像です。そのほか、皆様にお配りしているのは規約、規定の改定サマリー、細かな三段表をつけています。まず、いくつかのパターンに分かれるのですが、6点ありまして、先ほどご案内した執行役員制度の導入、理事会のスリム化、実行委員会の位置づけ変更、決裁権限の見直しによる意思決定のスピードと質向上といったガバナンス改革に対応した成長のための意思決定支援の体制づくりのために改定を行っています。それから役員の報酬体系も今回併せて検討して見直していまして、変動報酬を導入することにしました。具体的なクラブとリーグの成長指標や、改革などと連動し、今後様々な面でクラブとの連携強化が図られていくわけですが、結果としてその成長を勝ち取れたかどうか、アクションを達成できたかどうか、そういった施策、改革等と連動した報酬指標を設けることでこれまで以上にJリーグを成長させるための施策として導入いたします。また、コロナ対策関連の見直しとして、エントリー資格委員会の見直しも行っています。

〔質疑応答〕
Q:リーグ改革の件についてですが、極端なことをいうとプレミアリーグ構想的なことをお考えですか。将来的にトップリーグの、イングランドのようなプレミアリーグ的な発想を今、考えているのでしょうか。

A:野々村チェアマン
現状でそこまでいくとはまったく思っていません。今までJ1とJ2で、2対1の比率でやっていたのは、良くいうと同じぐらいの強さのチームをたくさん作っていくという感じだと思います。それは、国内におけるサッカー面での成長の仕方の一つかもしれません。一方で、先ほどお伝えしたように、ドイツ、スペインなどのリーグの配分比率は6対1、9対1ぐらい差があります。現場レベルをどう成長させるかと、ビジネス的にどう成長するかは別の考え方をしなければいけないと思います。日本の場合、良くも悪くも同じぐらいのチームで競争しているのは、これはこれで素晴らしことではありますが、世界の中の位置づけでどうかという、リーグ全体として放映権を含めた価値をどう高めていくかというところでは、今のままだとなかなか成長が見込めないところがあります。
決してプレミア化をしたいわけではなく、上が成長してくれれば下にも十分に配分できる世界ですので、それぞれのクラブが実力をつけるとともに、上にはより成長をしてもらって各クラブを助けてほしいという意味合いです。分かりやすく言うと、今、Jリーグにいる約60クラブにそれぞれの地域で頑張ることが日本のサッカーのためになるということをしっかりと思ってもらうことと、また上に立っていくようなクラブは、リーグ全体、日本のサッカー全体を引っ張っていくのだという意識をよりしっかりと持ってもらうこと。その理解が進むことを狙った循環になることを望んだ改革だと思っていただければと思います。

Q:冒頭の説明で地域のサッカー番組を始めた結果、露出が4月と10月で1,000倍という話をされていたと思いますが、どこに対しての露出ですか? 地元テレビ局なのか、広告なのか、どういった指標ですか?

A:笹田マーケティング本部長
現状、サッカー応援番組を立ち上げている局の4月と10月の露出量の対比になっています。(10月から開始した)応援番組を含んでいない場合、例えば一番数字が大きく伸びているエリアでは、4月は50秒しか報道されていなかったものが23分報道されています。なぜ4月と対比したかというと、開幕期といったバイアスを省くという意味も兼ねて数字を計っています。継続的に効果測定していきたいと思います。

Q:応援番組よりも、ローカルの局に限定で試合の放送権利の金額を下げて、放送しやすくなる方が良いとも思うのですが。

A:笹田マーケティング本部長
応援番組を作るのはあくまでもきっかけで、重ねて試合中継を増やしていくことや、ニュース番組、情報番組に取り上げてもらうといったことがまず取り組みたいことです。ご質問の通り、ローカルでの試合放送をしやすくなるというところでも、いろいろ働きかけはしておりますが、今、ローカル放送の販売自体はクラブが行っていますので、クラブと一緒にリーグの職員も各局に対し提案を行っているのが現状です。

A:野々村チェアマン
ローカルで試合を放送することは、クラブからするとハードルが高いので、リーグがある程度、お金も人もという点も含めて投資し、一緒に露出を増やしていくという点で、動き始めているところです。

Q:今、5クラブで先行しているものを、今後、58クラブに増やしていくということですが、クラブ別で応援番組をやっていくということですか?それとも地域別ですか?また、全クラブ網羅する目標の時期は設定されていますか?

A:野々村チェアマン
地域別です。なおクラブの応援番組ではありません。地域のサッカーを応援する番組です。子供たちから女子サッカー、場合によっては地域のおじいちゃんたちがやっているサッカーをその地域の方たちに情報をお伝えするような番組を作っていきます。従って、放送のネットワークという意味では都道府県単位になる可能性は高いです。その中にJクラブも当然ながら露出しています。JFAとも一緒にサッカー熱をより高めていくことを狙いとしてやっています。全部の地域にどこまでできるのかということについては、想像できると思いますが、やはり金額的にも関東エリア、関西のエリアは簡単ではありません。そこのエリアはまた別の方法で、どう露出していくかは考えますが、その他の地域では、来シーズンに全部網羅できるように準備しています。

Q:これは地上波のテレビ番組でしょうか?

A:野々村チェアマン
地上波です。

Q:配分金の比率ですが、成績とファンの増加のところで配分が変わるということでしたが、ファンの数というのは、ファンの絶対数、入場者数によって配分の比率が変わるのでしょうか

A:野々村チェアマン
現状、DAZNの視聴の数字がベースとなってやっていますので、そこと考え方は同じです。入場者数を係数に入れて考えるということには、まだ今は至っていません。今までと同じですが、例えば競技成績の配分金も、現状はどこが伸びるか分からないという状況だと思いますので、トップ10に入ったクラブに何らかの配分をしていくといったことを考えていくというイメージで検討しているところです。

Q:本日の実行委員会でJ1参入プレーオフのレギュレーションについて、何か問題提起はありましたか?特に決定戦で引き分けの場合、J1チームが残留するという点で、2月の時点では議論の時間が足りず、現行方式のままだったと伺っています。

A:野々村チェアマン
今日の実行委員ではその話は出ませんでした。論理的に考えると、そもそもJ2の中でもプレーオフで同点だったらどうするのかといった話にもなります。フットボール的なところでいうと、年間を通して3位なのか、4位なのか、そこの勝ち点1なのか、得失点差なのか、その差を競うのが一番フットボールにとっては公平なものです。サッカー的に見れば本来であればそこを重要視しなければなりません。一方でビジネス的な観点やいろいろな人の心に残るということでは、良い取り組みということで続けてきています。どちらが良いかはいろいろな考え方で、何を重要視するかの問題に尽きると思います。いずれにしても同じような仕組みでやるならば、もう一度、みんなで考えることがあっても良いと思います。サッカー的な現場で言うと、決まったルールの中で最善を尽くすという中でサッカー少年は育ってきていますので、現場から変えてほしいということは今のところありません。だからこそ、周囲の第三者的に考えることができる人たちで、どんなルール設定が良いのか、考えなければいけないのかもしれませんが。

[仲村広報部長より補足]
1点目の質問の補足をさせていただきます。地域単位では、福島では福島ユナイテッドといわきFC、愛媛では愛媛FCFC今治が、各地域2クラブずつそれぞれ施策を行っています。また、サッカー応援番組ですが、キックオフ●●(それぞれ地域名)というタイトルで、Jリーグ公式YouTubeチャンネルでもご覧いただけます。ぜひ皆様も一度、御覧いただければと思います。

Q:配分金についてですが、配分比率を変更するということですが、2021年度の配分金でいうと、J1で平均5億円、少ないところで3億円、多いところで約9億円ですが、改革によってどのぐらいの学、トップ10のクラブにどのぐらいの額に達するのか、イメージを教えてください。

A:野々村チェアマン
絶対的な金額はその年のリーグの収入によって変わってきますので、そこはなんとも言えません。強かった、頑張った、人気が出たというクラブにいくようにするということを基本的な考え方にするということを決めましたので、場合によってはリーグ全体の収入が減った場合には、以前よりも少なくなるかもしれませんが、上位がよりもらえる考え方にこのタイミングで、みんなで一致したと認識していただければと思います。

Q:クラブの経営規模もこのぐらいの額を目指したいと、例えば100億円目指したいなど、そのようなイメージがあっての改革というわけではないということでしょうか?

A:野々村チェアマン
先ほど説明した通り、より魅力的なコンテンツになるクラブが引っ張っていくクラブが出てくると、放映権料が上がっていきます。今のサッカービジネスの中で放映権料が一番大きな収入になっているというのは世界を見ても明らかなので、放映権料をどれだけ伸ばせるか、伸ばすことができたら100億のクラブがいくつか出てくるというのは当然、青写真としては描きながら進めていくということです。

Q:ローカルの露出に関する確認ですが、基本的にはテレビ局、地方局を前提にしているのでしょうか?地元紙、ローカルSNS、インスタグラムやTikTokに地域アドレス、IPを限定するなど、どこまでのローカル露出なのでしょうか?

A:野々村チェアマン
あくまでもサッカー応援番組というのはきっかけでしかないので、今、おっしゃっていただいたようないろいろなことをどこまで地域で広げていけるのか。地域の象徴的なスタークラブに、地域の皆さんと一緒にどう育てていくかが一番の目的なので、ありとあらゆるものを、リーグの職員が持っているアイデアも含めて、地元のクラブと協力しながらやっていくことと思っていただければと思います。

A:笹田マーケティング本部長
今、野々村チェアマンがお話した通りです。テレビに限らず、デジタルも含めてメディアミックスをしながら地域にあったオーダーメイドの形で成長支援をリーグとしても一緒にやっていきたいということです。

Q:もう一つ確認ですが、理事の人数を20名から13名(監事も含め)に変更してスリム化ということですが、7名の中に就任して1年未満の人が数名いると思いますが、不満等はないのでしょうか

A:野々村チェアマン
それぞれ理事ではなくなりますが、もしこうなった場合はという点は以前から伝えてあります。フットボール委員会は今回立ち上げた委員会で、これは本当にJリーグを含めた日本のフットボールをどうしていくのがフットボールの観点から必要かということを徹底的に考えてもらう重要な機関なので、そちらで十分に力を発揮してくれると思っていますし、皆さんも快く引き受けてくれました。

Q:地域のサッカーそのものの応援番組の露出をという話でしたが、先日、TOKYO MXテレビでFC東京のクラブ応援番組枠そのものがなくなったのですが、その点についてリーグとしての見解はいかがでしょうか。

A:野々村チェアマン
個別の話に直接は回答しませんが、普段からサッカーと触れる機会を設けていくのは、日本のメディア環境においては非常にまだまだ重要だと思いますので、今のFC東京の話に限らずどのクラブでもメディアでの露出をリーグとしては作っていくということをやりたいと思っています。基本的には投資をしないと成長はないと思っていますから、今、投資しなければいけないところはそういったところだと思います。

Q:そういった意味ではInstagram、YouTubeでの情報発信を強化している面も各クラブあると思うのですが。

A:野々村チェアマン
どこのIT系の企業も地上波にCM出すほど、日本の地上波の環境は他の国とは違うものがあります。デジタル部門はJリーグも各クラブも数年かけて力を付けてきたと思いますが、より成長のスピードを上げる、また新たなお客様にアプローチするという意味でも、地上波を一つのきっかけにするというのは考え方としては悪くないと思っています。

Q:トップレベルのフットボールの成長をどうイメージしているのか。例えば配分金の傾斜が変更されることで、より良い人材が集中して結果的に上位3、4クラブだけが強くなるということが結果として起こりやすくなるイメージなのか、それとも戦術的なモダンフットボールを磨くような環境が研ぎ澄まされること、どちらをイメージしているのでしょうか。

A:野々村チェアマン
両方だと思います。勝つことで利益を得られるということで競争が強くなれば、こういう監督を連れてきて、こういうアカデミーダイレクターを連れてきて育成しなければ、また、こういう強化スタッフに投資しなければ、こういう経営陣に投資しなければとなっていくと思います。日本のサッカーは、30年前にプロリーグができて選手はプロになりました。そして指導者もプロになりました。そういう流れでやってきました。ここからはフロントも含めたクラブ全体がどうプロフェッショナルになれるか、その競争をより意識してもらうためには、ピッチ上の順位とか人気という競争がベースになってどこに投資すれば良いのかと、考えるきっかけが必要だと思いますので、短期的に戦術的にどうというよりも、サッカー界全体の意識をより変えていくための変化が必要だと私は思っています。

Q:理事会、実行委員会で、アジェンダの選別、議論するか、しないかのアジェンダを分けるとありましたが、選別は理事会がするのでしょうか?

A:野々村チェアマン
カテゴリーダイレクターというクラブとリーグをつなぐ役割のポジションに人を置こうと思っています。そのポジションが人クラブとコミュニケーションをとり、必要か、必要じゃないかの明確な線引きはできない場合、都度、これが大事だと思ったところは話していくという形になると思います。月に1回なのか、2ヶ月に1回なのかは実行委員と会って話をする、会議なのか、他の形か。今まで以上にいろいろなことを話せる時間は増えると思いますから、その中でいろいろと揉んでいきながら、みんなで考える形になるのが良いと思います。

Q:実行委員会で議論しないと決まったアジェンダを、クラブ側はのちにポータルサイトで確認できるという説明がありましたが、確認後にクラブ側がやはりこれは問題提起したいとなった場合のプロセス、場所などはどのように想定していますか。

A:野々村チェアマン
その都度話をして、こちら側にまったく想定してなかったような瑕疵があれば変えればいいし、クラブサイドで背景が理解できていなくてといったこともあり得ると思います。そんなことがないように、よりコミュニケーションがとりやすい体制にしたいということです。いずれにしても、ここに書いてあるから決まったことです、ということにはならないです。

[仲村広報部長]
社員総会の決議事項ではございませんが、1点インフォメーションさせていただきます。昨年も発行いたしましたが、この度、「Jリーグクラブ経営ガイド2022」を発行いたしました。Jリーグの公式HPニュースに、コーポレートサイトにて公開していますので、ぜひ皆様、これを機会にご一読いただければと思います
https://www.jleague.jp/news/article/23810/

 

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