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来年30周年を迎えるJリーグが目指すのは「世界一、クリーンなリーグ」Jリーグでは全公式戦でカーボン・オフセットを実施します。

2022年8月19日(金) 15:00

来年30周年を迎えるJリーグが目指すのは「世界一、クリーンなリーグ」Jリーグでは全公式戦でカーボン・オフセットを実施します。

来年30周年を迎えるJリーグが目指すのは「世界一、クリーンなリーグ」Jリーグでは全公式戦でカーボン・オフセットを実施します。
今回のイベントでは、来年30周年を迎えるJリーグが、未来に向けて環境問題に積極的に取り組んでいく姿勢が示された

公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は、環境省の連携協定締結1周年記念イベントを2022年7月22日に開催した。冒頭Jリーグ・野々村 芳和チェアマンと山口 壮環境大臣(当時)によるご挨拶の後、第1部では山口大臣、Jリーグ・髙田 春奈理事、明治安田生命・永島 英器取締役 代表執行役社長が環境と地域についてプレゼンテーションを行い、第2部では株式会社TOKIOの国分 太一副社長、元日本代表の北澤 豪氏らがトークを繰り広げた。

冒頭、挨拶に立った野々村チェアマンは「Jリーグは来年30周年を迎えますが、そのタイミングで、環境の課題に対して、本気で取り組むという姿勢を表明したいと思います」と述べ、環境問題に対するJリーグの姿勢を明確にした。「僕らは次の世代に環境問題に関して、どんなパスを送れるかというところが非常に重要だと思っています。ちょっとパスがズレたり、メッセージ性のないパスだったり、受け手が大変なパスを送ってしまったりすると、ゴールには結びつかないことがサッカーの現場ではよくあります。ですから今回、Jリーグとしては1本のパス、次世代、今の子どもたちにつなげるパスに本気でこだわっていきたいと思っています」。

次世代につなぐパスをより良いものにするために、第1部では出席者がそれぞれの立場から取り組みについてプレゼンテーションを行った。山口大臣は環境省とJリーグがともに推進する「地域循環共生圏構想(ローカルSDGs)」について改めて説明するとともに、その実現のための課題について言及。これは「地域の資源を活用し、環境・経済・社会を良くしていくビジネスや事業といった形で社会の仕組みに組み込むとともに、例えば都市と農村のように、地域の個性を活かして地域同士で支え合うネットワークを形成するという『自立・分散型社会』を示す考え方」。世界で一番地域を愛するプロサッカーリーグになりたいとのスローガンを掲げ、ホームタウン活動や、地域の企業等のステークホルダーと連携した社会連携活動「シャレン!」を進めてきたJリーグの理念に沿う取り組みでもある。

 地域循環共生圏構想の中で重要な課題の一つが、脱炭素社会の実現だ。昨年6月に策定した「地域脱炭素ロードマップ」に沿って現在、さまざまな取り組みを進められている。このロードマップでは、「2050年までカーボンをニュートラルにすること」を目標としており、今後5年間に政策を総動員し、人材・技術・情報・資金を積極的に支援し、実現を目指すとしている。すでに26か所の選定が終わっている「脱炭素先行地域」についても、2025年度までに少なくとも100か所を選定する予定で、「グリーンを制するものは世界を制する。脱炭素を制するものは次の時代を制する」と、山口大臣は力強い言葉で、Jリーグと連携し、課題に取り組んでいく決意を示した。

Jリーグ・髙田理事は、社会連携活動「シャレン!」と環境についてのプレゼンテーションの中で、昨年、40都道府県57クラブで行われた「シャレン!」の活動は2100回を数え、その中身がサッカー教室という「本業」だけではなく、環境や介護予防、多文化共生と多岐にわたると説明。また、これら活動が環境省の掲げる「地域循環共生圏」をつくることにもつながると考え、Jリーグとして「各地のJクラブはその中心となれる可能性を持つ」ため、今後も積極的にホームタウン活動を推進していくとした。

さまざまな社会活動に取り組むJリーグは、その全ての土台となるのが「環境」であると認識し、気候変動対策に取り組む姿勢を明白にしている。髙田理事は現在の気候変動問題によって、「Jリーグが目指す安心安全な運営というフットボールそのものの土台が脅かされつつある事実に目を向け、自分ごととして取り組む」と語り、その第一歩として、Jリーグでは全公式戦でカーボン・オフセットを実施することを明言した。カーボン・オフセットとは「日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせる」という考え方。まずは各試合で排出されるCO2を把握し、その後にリーグとして全クラブと連携しながら、気候変動対策に興味を持ってもらえる人を増やし、日々の行動変容を促していく。来年30周年を迎えるJリーグが目指すのは「世界一、クリーンなリーグ」である。

 2015年からタイトルパートナーとしてJリーグとともに歩んできた明治安田生命の永島取締役 代表執行役社長は今回のプレゼンテーションにおいて、SDGsの17のゴールから導き出される社会課題の中で「健康寿命の延伸と地方創生の推進」を優先課題と設定し、同時に環境保全・気候変動への対応についても、しっかり取り組むとの考えを語った。同社は「ひとに健康、まちに元気を。」をスローガンに、健康と地域を2本柱として各Jクラブとともにプロジェクトを実施している。

『みんなの健活プロジェクト』ではJリーグウォーキング、小学生向けのサッカー教室、みんなの健康ヨガなどの活動を行い、『地元の元気プロジェクト』では「私の地元応援基金」による支援活動、道の駅や公民館での健康促進イベントを開催してきた。また、今年4月には日本赤十字社と『地域づくり・未来世代』応援プロジェクトに関する包括パートナーシップ協定を締結し、今後は健康・福祉・介護・教育などを支援するほか、将来的に安心して暮らせる環境維持への取り組みを推進する。持続可能な社会の実現に貢献するESG投融資も推進しており、脱炭素社会の実現や地域社会の貢献への取り組みを通じ、地域循環共生圏への貢献を目指していく。

 イベント第2部では株式会社TOKIOの副社長の国分 太一さん、元日本代表・日本サッカー協会参与の北澤 豪さんをゲストに迎え、Jリーグの辻井 隆行理事が司会進行を務めたトークセッションが行われた。

 トークの中でJリーグの価値を問われた国分さんは、「すごくいいと思うのは地域密着型というところ。アウェイのファン・サポーターの皆さんがその町に行って応援することで、町に触れることができるチャンスがある。チームの良さだけではなく、その町の良さ、県の良さに触れるチャンスがあること」と、現在40都道府県に58クラブが存在するJリーグの魅力について言及。テレビ番組の企画などで全国を周り、町や地域の人たち、自然に触れた経験から、各地域の人たち自身がその価値に気づくことで、環境の保護や地域の活性化につながるとの考えを語った。

かつてJICAのオフィシャルサポーターを務めるなど、国内のみならず海外でもさまざまな活動を行ってきた北澤さんは、サッカーの力について話す中で「相手をリスペクトするという考えはありますが、それが対戦相手だけに留まらず、人やモノ以上の環境という部分までも、プレーヤーがイメージするようになれば、それをサポーターも感じることにつながっていくのでないか」と元選手の視点から提言。地球温暖化により夏場にサッカーすることが難しくなっている状況に触れ、選手たちがピッチの中から、環境問題について発信していくことに期待を寄せた。

 

 

 今回のイベントでは、来年30周年を迎えるJリーグが、未来に向けて環境問題に積極的に取り組んでいく姿勢が示された。野々村チェアマンはイベントを経て、「環境のクリーンさとピッチでのクリーンさ、Jリーグとしてはすべてを強く意識していきたい。各クラブともそこはしっかり連携して、一歩行動に移すことができたら」と、その決意を口にした。

 イベントの模様はJリーグ公式YouTubeでご覧いただけます。

 

【環境問題への取り組み】Jリーグ全公式戦でカーボンオフセットを実施
「Jリーグ×環境省」連携協定締結1周年記念イベント:第1部
https://youtu.be/x8_mKSeDmSE

国分 太一と北澤 豪が考える地域活性と環境問題とJリーグ
「Jリーグ×環境省」連携協定締結1周年記念イベント:第2部
https://youtu.be/X_RdZhLZKRU

 

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