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2022年度 第4回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2022年5月6日(金) 18:00

2022年度 第4回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2022年度 第4回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録
2022年度 第4回Jリーグ理事会後チェアマン定例会見発言録

2022年4月26日

2022年度第4回臨時理事会後チェアマン定例会見発言録

2022年4月26日(火)16:30
オンラインにて実施

登壇:Jリーグチェアマン 野々村 芳和
Jリーグ 理事 髙田 春奈
Jリーグ クラブ経営本部 本部長 鈴木 徳昭
Jリーグ フットボール本部 本部長 黒田 卓志
Jリーグ 社会連携部 部長 鈴木 順
Jリーグ クラブライセンスマネージャー 大城 亨太

〔司会より決議事項、報告事項について説明〕
本日開催された2022年度 第4回Jリーグ理事会後の定例会見を開催いたします。まず広報より公表事項をご説明いたします。

《決議事項》
1.ベガルタ仙台ホームタウン追加について
Jリーグは本日開催された理事会において、ベガルタ仙台が従来の仙台市を除く、宮城県内の34自治体をホームタウンとして追加することを承認しました。
ベガルタ仙台は、従来の仙台市に加え、新たに宮城県内の仙台市を除く34自治体(石巻市、塩竃市、気仙沼市、白石市、名取市、角田市、多賀城市、岩沼市、登米市、栗原市、東松島市、大崎市、富谷市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町、亘理町、山元町、松島町、七ケ浜町、利府町、大和町、大郷町、大衡村、色麻町、加美町、涌谷町、美里町、女川町、南三陸町)をホームタウンとします。

2.京都サンガF.C.ホームタウン追加について
Jリーグは本日開催された理事会において、京都サンガF.C.が新たに宮津市をホームタウンとして追加することを承認しました。
京都サンガF.C.は、従来の京都市、宇治市、城陽市、向日市、長岡京市、京田辺市、木津川市、亀岡市、南丹市、京丹波町、福知山市、舞鶴市、綾部市、八幡市に加え、新たに宮津市をホームタウンとします。

《報告事項》
1.2022シーズンのホームグロウン選手人数について
ホームグロウン制度における、2022シーズンのホームグロウン選手の人数についてお知らせします。
本制度は、2030フットボールビジョンに向けて各クラブが選手育成にコミットし、アカデミーの現場を変えていくことを目的に2019シーズンより導入したものです。Jクラブは、カウント基準日においてホームグロウン選手を規定の人数以上、トップチームに登録する必要があります。
規定はJ1が4名、J2・J3は1名となります。各クラブのホームグロウン選手はリリースの表の通りとなります。2022シーズンのホームグロウン選手は、J1、J2、J3合わせて266名となります。

2.ホーム活動調査について
2021シーズンに57クラブが実施ましたホームタウン活動についてご報告いたします。
詳細については髙田理事よりご説明いたします。
・年間活動総数:21,782回(<参考>2020年度:15,772回)
うちシャレン!活動回数:2,144回
・1クラブ平均の年間活動数:382回(<参考>2020年度:281回)

3.後援名義申請の件
※説明なし ホームページにて説明

《鈴鹿ポイントゲッターズの件に関する進捗》
JFL鈴鹿ポイントゲッターズの百年構想クラブの資格について、日本サッカー協会(JFA)規律委員会の処分決定後、Jリーグよりクラブや鈴鹿市、三重県サッカー協会にヒアリングを行い、クラブは改善に向けた検討を行っているという進捗を、本日の理事会にて報告いたしました。
6月末がJ3クラブライセンスの申請期限となりますので、資格停止の解除条件であるガバナンス体制、ステークホルダーの支援継続が成就されるかを確認し、解除するか否かを、6月理事会にて決定いたします。本日は資格停止を継続するという結論をご説明しています。

〔髙田理事よりホームタウン活動について説明〕
私からは、2021年Jリーグのホームタウン活動調査ならびに、2022Jリ-グシャレン!アウォーズについてご説明させていただきます。先ほどもご説明したとおり、J1からJ3まで57クラブ、一部調査では今季から加入したいわきFCも含めた58クラブに対し、ホームタウン活動をどのくらいしているのか、どのような種類のものを実施しているのかを毎年調査しています。コロナ禍のため活動できない期間があった2020年と比較して、2021年度は徐々に活動が再開され、年間活動総数は21,782回と前年比約6000回を上回っています。1クラブの平均の活動数で言いますと382回ということで、1日一回以上行なっているカウントとなります。

そのうちクラブも含む三者以上が連携して、共通の地域課題に取り組む社会連携活動、通称シャレン!活動は2021年の実績で2,144件、ホームタウン活動全体のうち占める割合が約10%となりました(厳密にはシャレン!活動はホームタウン区域以外での活動も含む)。コロナ禍でどのように地域連携をして行くべきか、この2年間各クラブも悩みながらも少しずつ活動を再開し始めていいます。また今回はクラブのSDGsに対する取り組みについても調査をしていますが、リーグとして大々的にSDGsを推進していないにも関わらず、結果多くのクラブが取り組んでいることが分かりました。世の中のSDGsへの関心の高まりもあり、社会的な追い風も感じています。活動調査にはデータのみでは無くて各クラブの代表的な活動を紹介していますので、ぜひご覧いただければと思います。
Jリーグの理念そのものであるシャレン!活動をクラブにだけ委ねるのではなく、リーグとしてもしっかりと盛り上げていきたいと考えています。
その盛り上げの一環として、2020年から毎年5月15日のJリーグの日の前後で行っているシャレン!アウォーズが今回3回目を迎えます。今年は5月10日に行なわれますので、その告知もさせていただきます。シャレン!アウォーズは全国58クラブに代表的なシャレン!活動をエントリーし、選考委員会にて3つの賞、ソーシャルチャレンジャー賞、パブリック賞、メディア賞を選出しています。そのレベルは年々上がっており、各クラブにシャレン!が根付いていることを表していると思っています。

第一部では、ファン・サポーターの方の投票結果を参考として、選考委員によって選ばれた各活動を、今年はオンラインで式典としてご紹介いたします。第二部では、受賞した6クラブがメディアの皆様へのPRタイムとして、選手、地域の協働者の皆さんにも登場していただき活動への思いを直接お届けする時間を設けています。
さらに後日、ホームスタジアムの公式試合の前にホームタウンでの受賞セレモニーも実施する予定になっています。アウォーズという形で表彰はするのですが、表彰される以外のクラブの活動も本当に素晴らしいものが多く、あくまでも表彰クラブはJリーグのシャレン!活動を代表して行なっているものとしてご紹介いたします。応募された活動は本当に表面的なものではなく、選考委員の方々からもプロサッカーチームがそこまでやっているのかというお言葉を頂けるぐらいに本気度が伝わる活動ばかりです。特設ページで全てのクラブのエントリー活動をご紹介していますので、是非この機会にご覧頂ければと思います。

5月10日のオンラインの式典には、今回Jリーグの特任理事に新しく就任をした、川崎フロンターレOBの中村 憲剛さんにもご登場いただく予定になっています。中村 憲剛さんの所属していた川崎フロンターレはシャレン!の先駆けとも言えるクラブでもあり、選手たちが積極的に活動に参加しながらも、サッカーでも見事な結果を出しているという姿は、本当に多くの人を勇気づけていると思っています。中村 憲剛さんの問いかけに前チェアマンの村井さんが応え、Jリーグで地域連携活動を専門で推進する部門を立ち上げたいということから発足した経緯もあると聞いています。中村 憲剛さんには例年、社会連携活動を色んな形でサポートしていただいているのですが、今年は特任理事という立場にもなっていただきましたので、野々村チェアマンや私と一緒に、アウォーズを盛り上げる旗振り役をお願いしたいと考えています。

私自身も2月まではV・ファーレン長崎で、被爆地・長崎のクラブとして、平和活動を中心に地域連携活動を行なってきた立場でした。昨今の国際情勢を見ていると、本当にこういった自分たちの身近な、地道な活動が、多くの仲間たちと共に平和への思いを発信できる素晴らしいものになってきていることを実感しています。個々の地域の社会連携活動が、仲間を増やして行くことにより、発信力を増して多くの人を巻き込み、社会を変えていくきっかけにもなると思っています。メディアの皆様にも別途取材のご案内を送らせていただきますので、是非盛り上げにご協力いただけますと幸いです。

〔野々村チェアマンよりコメント〕
本日も、色々な話を、色々な角度から理事の皆さんにしていただきました。私からは今のJリーグの様子、特にまだコロナ禍で、ベストメンバーで組めなかったり、監督がいなかったりする中でも、いいゲームはできているというような話と、若い選手が将来楽しみだと思えるようなパフォーマンスをしているという話をしました。
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では今、日本勢が4チーム頑張っていることを話しました。天候、気温、ピッチコンディション、完全アウェイ、また日本となかなか同じようなジャッジでない中でも、頑張っているという話をしました。それに対してサッカー出身の理事より色々なコメントをいただきました。

ビジネスの面としては、Jリーグは今回ゴールデンウィークにCMを打つなど、今までやっていなかったプロモーション、マーケティング活動をしていますが、さらに夏休みに向けても同様にトライをしたいということに対し、それぞれの地域に合ったカスタマイズされたCMができるといいという意見がリーグ内、また理事の方から出ていました。
その他、フットボールの面では、(J2第8節 山形vs岡山と同様の)競技規則適用ミスが起こった際のフローをどういう形にしていこうかというのはリーグの職員が、本当に毎日毎日もう何十回と意見を回しながら考えています。本日は、その一つの案を提示し、その案をもとに理事の人たちから様々な意見をいただきました。本当難しいことなので、これが一番正しいというのはないのですが、今日私がこの視点も必要だなと思ったのは、適用ミスに限らず再試合となる原因が選手、審判、また雨(荒天)ぐらいしか考えていなかったのですが、それ以外に、海外で実際に起こっているようにサポーターがある行動を起こして試合を止めてしまうということもあり得ない話ではないということです。これらも含め、もう一度リーグ内で見直しをしようということになりました。

〔質疑応答〕
Q:(ホームタウン活動の)回数を見ると定量的な観点では2020年度よりかなり活動数が戻ってきている印象があります。コロナ禍におけるホームタウン活動について見えてきたもの、つかんできたものはありますでしょうか。手ごたえのようなものがあったら教えてください。
定性的な観点では、コロナを経たからこそ変わったこと、変質してきたものがあれば、プラス面、マイナス面について教えてください。定量的なものに対する評価と、定性的な部分での変化を教えていただければと思います。

A:髙田理事
私自身は当事者としてコロナ禍で社会連携活動を推進していた立場ですが、やはりかなりのケースで、自治体の判断というものに左右されると思っています。一緒にやろうと思っていた団体から、こういう状況の中ではできないことを言われた場合、自分たちだけではできないこともあります。また、その判断がコロナと共存すること、経験を踏んでいくことによって変わっていくこともあるので、常に自治体や各種団体と連携しながらどういう形であればできるかをずっと考えてきた気がします。
どの業界も一緒だと思いますけれども、オンラインや新しいツールを使った交流の可能性を常に模索をしてきました。YouTubeやZoomを使って会えない時も交流を継続することにより、実際に会えた時には途切れさせないでいたつながりを用いた新しい形の社会連携もできたような気がいたします。これは私がクラブの中で感じていた事です。

A:社会連携部鈴木部長
定量的には、全体約21,000回の内、社会連携が約2,100回、全体の10%、一割まで来たということは、クラブが各ステークホルダーと一緒にやっていくことへの理解がより進んだなと思っています。定性的にも、コロナによって本質的なものや自分たちだけでできないことが如実に見えてきたところをいろいろな人たちと手を取り合いながらやれることが増えてきたこと、また県をまたいで移動できないことで、よりその地域内での循環、国の言い方で言うサーキュラーエコノミー的なところが、実態として、活動として進化していると感じています。なので、特に21,000回を今後25,000回、30,000回にするというよりは、活動の質を今まで以上に上げていく、今まで以上に色んな人と協働してやっていくフェーズに来ていると感じています。

Q:先程野々村チェアマンから、適用ミスについてお話しがありましたが、J2第8節 山形vs岡山に関して、日程について進展、決まったことがあればお伺いさせてください。

A:広報部
日程は調整中です。5月、6月は連戦となってしまいますので、7月以降で日程調整しているところです。決まり次第皆様にご連絡いたします。

Q:いつ頃発表される見込みだとか、あるいは何分から開始するか、また出場できる選手についてなどの情報も今後になりそうでしょうか。

A:広報部
はい。日程公表のめど、あるいは何分から開始するかについては、理事会で決議するところになりますので、改めて決まり次第合わせてご連絡いたします。

Q:鈴鹿ポイントゲッターズについて。クラブに対してもヒアリングを行ったと伺いしました。ナーバスな問題で表に出しづらいところもあると思いますが、Jリーグがクラブから受け取った印象などお話しいただけますでしょうか。
処分が決まったことについては何も言えないですが、世間的にはサッカー界が下した処分は甘すぎるという声が私のところにも入っています。特に同じプロスポーツの野球、相撲が仮に八百長をしていなくても関わった疑惑があった人たちが永久追放されているという事実があります。
本日の理事会で、Jリーグの中で処分については、どのような議論があったのかお話をお伺いしたいです。

A:大城ライセンスマネージャー
クラブへのヒアリングでは、クラブの現状のガバナンス体制の改善、ステークホルダーの支援継続についてどのようにクラブとして取り組んでいるのかということについて、まだ何か決まったものがあるわけではないですが、ご説明をいただいています。
クラブは、今回非常に重い処分が下ったという認識、また大幅な体制の改善がないとJリーグに資格停止を解除してもらえないという認識は持っていると思います。
ただ、具体的な案を明確にもらえていないので、6月に向けてクラブとコミュニケーションを取りながら進めていきたいと考えています。
本日の理事会では、6月に決定するという方向性を確認しました。またクラブから体制改善案、ホームタウン自治体の鈴鹿市からは支援継続のレターをいただこうと思っています。それらが出て来てから理事会で具体的に議論を行うことになると思います。

Q:Jリーグとしてはライセンスをはく奪する、継続するという空気感はどちらに傾いているのでしょうか。

A:大城ライセンスマネージャー
処分に関しては、八百長を認定したり、八百長行為に対して処分を出すのはJFA、JFLの管轄です。我々は百年構想クラブという資格を認定するかどうかのみをクラブの体制の改善を見て判断いたします。
今回、八百長という処分が下ったことが我々の判断に大きな影響を与えているかというと、それまで疑惑だったものが黒になったということはあるものの、我々は体制の改善を注視していますので、そこを見ていくことかと思います。
まだクラブから具体的な計画はいただいていませんので、現時点での空気感は申し上げづらい状況です。

Q:鈴鹿から現状の役員は辞任するつもりがあるとか、役員を入れ替えるといった話はまだ出ていないという解釈でよろしいでしょうか。

A:大城ライセンスマネージャー
方向性について少し話を伺っていますが、明確に決まったことについてはご報告いただいておりませんので、こちらからそうしたことをご説明するのは控えさせていただきます。

Q:シャレン!について、Jリーグの素晴らしい活動を誕生当時から見ているものですが、どうしても一つ引っかかることがあります。サッカー界の中ではとても素晴らしい活動としてムーブメントがありますが、正直申しますが、どうしても外向きに対しては、ご存じない方がほとんどです。髙田理事のお考えの中で、どうしたらその素晴らしい活動を告知できるか、一人でも多くの方に認知してもらえるかといったイメージがあればお聞かせいただければと思います。

A:髙田理事
私自身も本当にまったく同じ感想を持っています。私自身がフットボールという競技自体に興味を持って生きてきた人間ではないので、このような接点を社会と持つことによってJリーグ自体を盛り上げていけると思っています。
メディアの皆様に大きく取り上げていただくととても嬉しいのですが。各クラブがコツコツと普及活動を行っていることは、それだけ仲間を増やしていくことになり、そういった仲間がまた一緒に発信してくれることが、こういった活動を世の中に知っていただくために必要だということをクラブにいたときは感じていました。リーグという立場からは、そこをクラブの皆様にお願いして、リーグとしてより多くの方々に知っていただくためにメディアの皆様とコミュニケーション取っていきたいと思っています。スポーツはスポーツ担当の方が取材され、それ以外のところは社会面になりますので、そういったメディアの皆様とのリレーションも必要になると考えています。

Q:再試合の件について質問です。5、6月は連戦が続いて難しいので、7月以降という話でしたが、こちらは7月で調整を進めているというわけではなくて、7月以降で調整を進めているという理解でよろしいでしょうか。

A:広報部
その認識通りです。

Q:スケジュールについては通年である程度出ていたと思いますが、そこは両チームから連戦が続くがどうかという打診をしたうえで(5月、6月案が)消えていった形なのでしょうか。

A:広報部
クラブとも協議したうえで調整を進めているというところです。

Q:木村選手が今期の初ゴールを決めたということで、地元としてはうれしいゴールではあったのですが、その得点の扱いについてはどのようになるのでしょうか。

A:広報部
扱いについても論点として挙げており、次の5月の理事会に向けて議論し、決定することとしています。

Q:先程、野々村チェアマンからも理事からも様々な案が出たという話がありましたが、もしお伺いできるのであれば、具体的にどのような案があがっていて、どのように調整を進めているのかということをお伺いしてもよろしいでしょうか。

A:野々村チェアマン
今回の件に限らず、特別なことが起こった場合に再試合をするか、しないかを考えるときに、いくつかの要因があります。これまでは選手、審判員、天気、雨によって試合がそこで終わるということくらいしか考えてなかったのですが、この前ベルギーで起こった、発煙筒をサポーターがピッチに投げ入れて試合を続行不可能にしたような場合、その試合のあり方がどうなるかなど、包括的なことも考えてルール設定をもう一度考え直さないといけないという話が結構出たということが先程お伝えしたかったことです。

Q:鈴鹿ポイントゲッターズの件で質問です。6月の理事会で資格停止か、解除か決められると思いますが、百年構想クラブの資格停止が維持された場合、1年、2年など何らかの期限を設けるのでしょうか。または、改善案がしっかりとなされてから解除されるということになるのでしょうか。

A:大城クラブライセンスマネージャー
6月に解除条件を成就せずに、資格停止が維持される場合は、一度Jリーグ百年構想クラブを失格とし、新しい体制で再申請することになります。
6月理事会で資格停止が解除されなかった場合は失格とお伝えしたのですが、一つのオプションとして失格という形も考えられるということになりますので、場合によっては期限を設けて資格停止が継続するという可能性もあります。訂正させていただきます。

Q:本日のヒアリング等で、Jリーグ側からクラブに求めたところ、求めた部分があればお願いします。

A:大城クラブライセンスマネージャー
ヒアリングについては今日行ったわけではなく、4月5日に処分が出てから今日までの間に、クラブ、鈴鹿市、三重県サッカー協会と話をしました。そこでJリーグから何か注文を付けたことはなく、ガバナンス体制の改善とステークホルダーの支援継続の状況についてお話を伺いました。
6月に向けてコミュニケーションを継続させていただきたいという話はしました。

Q:ACLがJリーグの中盤戦に入って行く中で、どのようなご感想を持っているのでしょうか。
中2日の連戦の中で選手を変えてもレベルが落ちないというJリーグの力もあると思います。一方で東南アジアのクラブに思った以上に苦戦するというようなこともあると思います。どのような感想、所感を持っているのか。また、理事の方からのご意見も併せて教えてください。

A:野々村チェアマン
中2日で試合をするということは、当然ながらベストメンバーを常に使うのではなく、ターンオーバーを常に行いながら勝点を拾っていく、という難しい課題があります。その中で、日本の代表としてよい成績を今のところ残してくれていると思っています。
ピッチコンディションでパススピードが上がりづらいようなピッチもありますし、完全アウェイの環境で試合をしなくてはいけないなどのハンデがあると思いますが、その中でも勝っていかなくてはいけないということは、10年、20年前から言われていることです。こうしたことをある程度普通にできるようになってきたと感じています。また、日本とは違うジャッジの基準などがあり難しいところはあると思いますが、そうしたことも含めてうまくやれているというのが私自身の感想です。この後の2試合をどう乗り切るかということが非常に重要だと思いますが、試合内容から考えても4チームとも上(Round of 16)に行く可能性は十分以上にあると感じています。

Q:鈴鹿の件で、6月に決定を下すとおっしゃいました。ペナルティを与えるのはJFAというのは間違いがないと思いますが、Jリーグとして百年構想クラブが自分たちの意向で脱退した場合、2年間は百年構想クラブに入れないというルールがあると思います。
今回八百長という言葉が出たので、それ以上の重いことだと思いますが、Jリーグが百年構想クラブに絡んで何か判断を下すということはありますでしょうか。

A:クラブ経営本部 鈴木本部長
基本的に今回の件は、八百長の行為があったことは百年構想クラブになる以前の試合が対象となっていて、判断としてもJFAの規律委員会で最終的に決定がなされています。
Jリーグとしては、百年構想クラブの資格に対して、現段階でどのような形にするかということを検討することととらえていますので、脱退して2年間入れないという対応というよりは、現状の資格認定停止を解除するか、あるいは失格とするか、そうしたことの議論をすることになります。また解除する場合は、どのような形であればもう一度資格を保持してライセンスを受けられるのかが、Jリーグとしての判断のポイントになると思います。

A:野々村チェアマン
私が就任する前でしたが、ガバナンスとステークホルダーの支援がどのように改善されるかが一番のポイントであったと思います。今もそれが一番大切で、ガバナンス体制をどのように作るかということが、今回の件では一番重要なところかと思います。一言でガバナンスといっても1カ月、2カ月で簡単にできるものではないと思いますので、6月というリミットがあるのであれば、そこまでいろいろ検討する時間を、クラブにもこちらにももらいながら、最終的に6月に判断したいと考えています。

Q:Jリーグはtotoの対象となるので、百年構想クラブになって将来的にJリーグに入会する際に、八百長という言葉がJリーグのイメージがプラスになることはないと思います。一方で今のJリーグの判断ではペナルティは与えられない、資格停止を継続するか、しないかという判断だと聞こえます。
実際に八百長という話が出たときに、その判断だけをJリーグが下せるのであれば、totoの対象となるJリーグの役割があまりにも弱いのではないでしょうか。

A:野々村チェアマン
Jリーグの中で八百長というものが存在した事態で、絶対にアウトだと思います。
今回のことは、Jリーグにこれから上がろうとしたクラブの中の、一部の人たちがそれに近い行為をして罰せられたということだと思います。Jリーグの中のことであれば、Jリーグとして判断ができますが、今回はJリーグの中で起こったことではないので、そのクラブをそのまま認めてよいのかというとそのように簡単なことではない、という状況です。
ガバナンスが改善され、Jリーグの求めるクラブ像として認められるという判断を理事会でされるのであれば、次のステップに進めるということです。Jリーグの中で八百長のようなことが起こったのであれば、それは絶対に許されるものではなく、断固として厳しい処置をとると思います。現状は外側にあることだということをご認識いただいて、次にJリーグに入ってくるのであれば、こうしたガバナンス体制であればよいというものを見せてもらえるのであれば、鈴鹿は次のステップに進めるということだと思います。

Q:百年構想クラブとして認定されるには、Jリーグからのヒアリングを何回か受けた後、最終的にチェアマンのヒアリングを受けて認定されると思います。以前の奈良クラブも同様でしたが、今回の鈴鹿も認定された後に起こった事象となりますので、やむを得ないことだと思います。現状はクラブの人たちがうまく話をまとめると、Jリーグとしては確認作業をそこまで進められないと思いますが、今後、百年構想クラブの審査、ヒアリングをする際に、ヒアリングも含めてさらに手順を厳しくするなどの方法は考えているのでしょうか。

A:野々村チェアマン
いくつかのクラブに対応する中で、リーグの中にもそうした知見は積みあがってきていると思います。
今お話されたようなことに当然ながら注意をしながら、ファクトを積み上げていくしかないと思います。だからと言って百年構想クラブになるハードルを今以上に高くすることを特別考えているのではなく、どの地域のどのクラブにも当然チャンスがあると思いますので、しっかりと対応するということになります。

Q:鈴鹿の件で質問です。4月5日のJFAの処分を受け、その時の理事会では、もう一度どのような処分をし直すのか判断することだったと思いますが、結果的には2月末のJリーグの処分を継続することになりました。最終的にどのような議論からこのような形になったのか、改めて具体的に教えてください。

A:大城クラブライセンスマネージャー
大前提として、八百長の認定と八百長に関する処分については、JFA、JFLの管轄になります。我々がそれに対して処分を行うということはありません。
4月5日はJFAの処分が出て当日の理事会だったということもありますが、その後JFAの処分内容を精査したところ、我々が2月の時点で認識していた事実に加えて、新たな事実が認定されたというわけではなかったので、八百長の処分はJリーグが行わないということと、2月の判断をそのまま継続するということになりました。

Q:6月の理事会で判断されるということで、鈴鹿側としては今回のことを反省して改善することは当然行わなければいけないことだと思いますが、八百長未遂という行為を行ったことの重みに関して、Jリーグの理事会はどのような判断をされたのか、本日どのような意見が出たのか教えていただける範囲で教えてください。

A:大城クラブライセンスマネージャー
八百長が認定されたことについては重い判断だと思っています。理事会では本日解除条件の状況が何か具体的に決まっているわけではなく、その重みについて理事の皆様から意見が出たということはありませんが、皆様非常に重い処分だという認識はあると思います。我々は八百長が認定されたことに対して処分を行うのではなく、ガバナンス体制の改善とステークホルダー支援の方向性を本日の理事会で確認しました。八百長が重かったかどうかは本日の論点になったわけではありません。重いという認識については、私の感覚では、理事の皆様は当然お持ちだと思います。

Q:具体的な解除条件について、結果的にどのようにしたらガバナンスが改善されたか、ステークホルダーの支援継続が見込める状況か、という判断基準はどこにあるのでしょうか

A:大城クラブライセンスマネージャー
判断基準について、ガバナンス体制の改善にはいろいろな方法があると思いますので、ここをクリアすればよいということを提示することはありません。クラブから案を出していただき、改善されたと言えるかどうかを理事会で議論することになります。

Q:鈴鹿について。軽い八百長ということが認識され、改めて1年前のJリーグの中期経営計画見直しとしてベッティングの導入は実施困難という判断をされたかと思います。最近はDAZNがスポーツベッティングの新規事業の採用募集を行うなど、スポーツベッティングに対する追い風が日本にあると感じますし、日本だけでなく世界的にも同様だと思います。この件を受けて、Jリーグのベッティングへのスタンスが再検討されるのか、これからもっと注意しなければいけないことについてなど、考えがあればお聞かせください。

A:クラブ経営本部 鈴木本部長
今回の件とスポーツベッティングの件が、今後Jリーグの中期計画に直接関係するという認識はありません。ただ、スポーツベッティングは日本のスポーツの中でも非常に重要なことですので、これからもJリーグとして検討していくこと、また同時にそれに対する対策として、当然のことながら八百長行為、八百長に対する注意義務を併せてきっちりと考えていくことが、Jリーグの考えだと認識しています。

A:野々村チェアマン
将来のことに関わらず、日本のサッカーの現場において八百長などはあり得ないとしか言いようがありませんので、そのようなことが起きないようにどのように選手たちや周りを教育していくか。リーグ側でどのようなことを周知徹底すれば防げるのかを、常にやって行かなくてはいけないと思います。

Q:J2第8節の山形vs岡山の試合について、その試合で山形のゴールキーパーの後藤雅明選手は退場を受けてそれは取り消されましたが、山形の半田 陸選手が警告を受けていて、それを含めて現在累積2枚ということになりますが、その取扱いがどのようになっているのかをお伺いします。

A:広報部
公式試合の取り扱いについては、その件も含めて現在検討中ですので、決まり次第お伝えします。

Q:J2も連戦期間に入っているので、その間にあと2回警告を受けて累積による出場停止ということになるのでしょうか。

A:広報部
それも含めて事務局で検討いたします。

Q:鈴鹿の件で(6月の理事会での判断によっては)一つのオプションとして失格ということもあり得るということでしたが、次に百年構想クラブとして加盟するためのプロセスはどのような手順となるのでしょうか。失格となることで、何かペナルティが課されることはあるのでしょうか。

A:大城クラブライセンスマネージャー
現状のルールでは失格以上のペナルティが課されることはありません。百年構想クラブではなくなるということになります。
再申請については受け入れる形になります。例えば6月に失格と判断され、その年の11月に百年構想クラブとして再申請していただき、来シーズンから百年構想クラブとなるということは可能性としては考えられます。

Q:J2第8節の山形vs岡山の再試合の件で質問です。現在の岡山の順位は当該試合の勝点3が加算された上で順位が表示されていますが、決定するまではこのままの扱いで、決定後に決定内容に応じた対応となるということで、今は勝ちとしてカウントしてよいのでしょうか。

A:広報部
現状の順位の成績はそのようになっています。取り扱いが決まりましたら、順位も更新されます。

Q:J2第8節の山形vs岡山の再試合の件、今後どういうことについてどのように対応するかという検討について時間がかかるのはわかりますが、公式記録の取り扱いをどうするかについてこれだけ時間がかかっているのはどのような理由があるのでしょうか。先ほどの質問のように、累積警告がその間加算されるということも含めて、トーナメントであればこれだけ時間をかけるわけにはいかないと思うのですが。

A:広報部
本件についてはご指摘いただいた件もごもっともだと思いますが、今後のルールも踏まえて検討していますので、時間がかかっています。

Q:J1第6節 鹿島アントラーズvs清水エスパルスにおいて鹿島の選手が相手チームに暴言を吐いて、清水のゴールキーパーがミックスゾーンでその件について言及するということがありました。
それに対してクラブからJリーグに報告はあったのでしょうか。報告がなかった場合、ミックスゾーンでそのような話になったことについてJリーグが調査をされたのか、これからするのか。また暴言を吐いた選手にペナルティがあるのかを教えてください。

A:広報部
本件については当事者同士で和解をしていると聞いています。

A:フットボール本部黒田本部長
今のご説明の通り、両クラブ間で話し合い、既に決着しているということが、Jリーグにも報告されました。解決しているということで対応を完了しています。

〔司会より補足〕
●適用ミスを受けたルール作りに関する理事会での議論について
理事会の中では、海外の事例でファン・サポーターが直接試合に影響するような行いがあった、という事例紹介がありました。
当然ながらJリーグにはJリーグの文化がありますので、ファン・サポーターを疑ってルールを作るという意図ではありません。今後そうしたような適用ミスがあった際のルール作りの参考にしつつ、当該試合の個別事案だけでなくて、当該チーム、審判員、観客の立場や公平性を加味しながら決めていくことを理事会でも確認いたしました。

●ホームタウン活動について
SDGsに関する調査は、いわきも含めた58クラブが対象となります。
定量調査としてのホームタウン活動調査は、昨シーズン(2021シーズン)の57クラブが対象となります。

以上を持ちまして理事会後の記者会見を終了いたします。

 

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