本文へ移動

【Jリーグ公式】まだまだ現役をやるという決意表明をしたかった――91人の選手が見せた現役続行への熱い想い【2021 JPFAトライアウトレポート】

2021年12月13日(月) 15:00

【Jリーグ公式】まだまだ現役をやるという決意表明をしたかった――91人の選手が見せた現役続行への熱い想い【2021 JPFAトライアウトレポート】

【Jリーグ公式】まだまだ現役をやるという決意表明をしたかった――91人の選手が見せた現役続行への熱い想い【2021 JPFAトライアウトレポート】
まだまだ現役をやるという決意表明をしたかった――91人の選手が見せた現役続行への熱い想い

12月9、10日にフクダ電子アリーナで、日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催する「JPFAトライアウト」が開催された。

今年の参加者は91人(1日目=54人、2日目=37人)。最年長は東京Vの柴崎 貴広(39歳)で、最年少は千葉の相澤 ピーターコアミ(20歳)だった。今季限りで契約満了となった選手たちが自らの未来を切り開くために、必死のアピールを続けた。

1日目には安田 理大(千葉)の姿があった。安田と言えば、海外でのプレー経験があり、日本代表としても活躍した実力者である。

豪快な攻め上がりが持ち味のSBは、G大阪でのデビューを皮切りに、磐田や名古屋、新潟などでもプレーし、2019年から千葉に在籍していた。

今季は千葉で35試合に出場。スタメンの機会は少なかったとはいえ、1年を通して稼働。しかし、シーズン終了後に待ち受けていたのは契約満了という事実だった。その現実を安田は、どのように受け止めているのだろうか。

「実力不足だと思います。たとえばずっとスタメンで出て、数字を残しておけば、絶対に契約はあったと思います。試合には絡んでいましたけど、それができなかったのは、僕が実力不足だったということ。その現実を受け止めて、次に進んでいきたいと思います」

今回、トライアウトに参加したのは、過去の経験によるところが大きいという。

アルビレックス新潟の契約が終わった時に、すぐにチームが見つかると思っていたけど、なかなか見つからずに、家族を不安にさせてしまいました。またそういう想いをさせたくなかったし、少しでも早く関係者の皆さんに、自分はまだまだ現役をやるという決意表明をしたかったので、トライアウトに参加しました」

ゲーム形式で行われたトライアウトでは限られた時間のなかで、持ち前の攻撃参加や落ち着いた守備を見せていた。

「チームとしては試合に勝ったのでよかったです。本当はもっと前に行けましたけど、ベテランとして無理するのがいいのか、周りを気持ちよくプレーさせてあげるのがいいのか。その判断は難しかったですけど、安定感とか、しっかりコミュニケーションを取るという部分はできたと思います」

現役を続けられるのであれば、チームやカテゴリーにこだわりはないという。

「僕のことが欲しいというクラブがあれば、やりたいと思っています。もちろん生活があるので条件はある程度考えますけど、それでも一番は現役を続行したい。どのカテゴリーでもいいのでプレーしたいという気持ちでいます」

同じピッチでは、高崎 寛之(甲府)も、現役続行に向けてアピールしていた。

「まだチームがあるならサッカーをやりたいという想いが強いので参加しました」という高崎は、「即席のチームなので難しい部分がありますけど、それでもいろいろコミュニケーションを取って楽しくやれました」と、この日のパフォーマンスを振り返った。

高崎は今年、ベトナムリーグへと挑戦。しかし、新型コロナウイルスの影響で所属クラブから契約解除となり、夏に甲府に加入した経緯がある。したがって、今回の契約満了に恨み節はない。

「悔しいというよりもヴァンフォーレ甲府には感謝しているので、感謝の気持ちでいっぱいですね」

ベトナムでの厳しい経験は、高崎に再びサッカーへの情熱をもたらしたという。

「辛い経験だったんですが、夏に甲府が契約をしてくれて、そこでまたサッカーができる喜びを感じられました。その想いを来年にもつなげていきたいです」

果たして、その想いを汲んでくれるクラブは現れるだろうか。

最年長選手として参加した柴崎も、「楽しかったです」とトライアウトのプレーを振り返った。

柴崎は高校卒業後の2001年に東京Vに加入。横浜FCやFC東京に移籍した時期もあったが、通算17年にも渡って、プロデビューを果たしたチームに在籍した。

したがって、周囲からは「ヴェルディで引退して、ヴェルディに入るんでしょうと言われていた」という。しかし、「まだ現役への未練があることの意思表示」として、今回、トライアウトへの参加を決意した

ゲーム形式では1失点するも、鋭いセービングや安定したクロス対応を見せ、即席チームに最後方から安心感を与えていた。

またゲーム形式の前に行われたミニゲームの際には、同じチームのGKにアドバイスを送る姿が見られた。ライバルとなる可能性のある選手にも「サポートをしてあげたい」と行動に移せるのは、長くプロの世界で生きてきたベテランならではの振る舞いだろう。

3人のように実績を備えた選手もいれば、ほとんどプロのピッチに立つことができないまま、契約満了となった選手もいる。しかし、立場や年齢は異なるものの、サッカーを続けたいという想いは同じ。その情熱が伝わってきたトライアウトだった。

なお、1日目の午後の部に参加した相澤が、ゲーム中に選手と接触し、救急車で搬送されるアクシデントが起きた。翌日、今季の所属先である千葉が、「中心性脊髄損傷」と診断され、全治は未定であることを発表している。弱冠20歳の未来あるGKの早期回復を祈りたい。

【2021 JPFAトライアウト参加選手】
■1日目(午前の部)
GK
柴崎 貴広(東京V)、田中 勘太(富山)、椎名 一馬(岡山)、長谷川 凌(秋田)
DF
加藤 智陽(磐田)、岡村 和哉(北九州)、竹田 忠嗣(岐阜)、岸田 翔平(水戸)、安田 理大(千葉)、藤原 拓也(鳥取)、藤井 航大(岩手)、渡邊 創太(愛媛)、森本 大貴(藤枝)、山田 尚幸(秋田)※来場のみ
MF
池髙 暢希(福島)、前田 柊(八戸)、可児 壮隆(鳥取)、清水 敦貴(岩手)、鮫島 晃太(藤枝)、下澤 悠太(秋田)、有永 一生(岩手)、高見 啓太(八戸)、本塚 聖也(金沢)
FW
高崎 寛之(甲府)、榊 翔太(長野)、梁 賢柱(今治)、山本 大貴(岡山)

■1日目(午後の部)
GK
松原 修平(群馬)、寺沢 優太(長野)、相澤 ピーターコアミ(千葉)、シューラー マテウス(藤枝)
DF
新井 博人(北九州)、宮城 雅史(宮崎)、岡田 亮太(福島)、渡部 大輔(大宮)、瀧澤 修平(山形)、大桃 海斗(長野)、増谷 幸祐(岡山)、西山 大雅(青森)、原山 海里(八戸)
MF
岡田 優希(町田)、市丸 瑞希(琉球)、宮尾 孝一(今治)、中村 亮(讃岐)、上米良 柊人(長野)、金子 昌広(金沢)、栗島 健太(岩手)、土居 柊太(町田)、佐々木 祐太(岩手)、澤井 直人(山口)、清原 翔平(相模原)、禹 相皓(無所属)
FW
平墳 迅(鈴鹿)、鈴木 厚太(沼津)、町田 ブライト(岐阜)

■2日目
GK
岩﨑 知瑳(鹿児島)、今川 正樹(今治)、西川 駿一郎(沼津)、浅沼 優瑠(讃岐)、外山 佳大(群馬)、大杉 啓(藤枝)
DF
杉山 弾斗(千葉)、池田 樹雷人(愛媛)、平川 元樹(岩手)、長倉 颯(仙台)、池庭 諒耶(栃木)、稲積 大介(藤枝)、高山 和真(大宮)、饗庭 瑞生(秋田)、深井 祐希(沼津)、杉井 颯(柏)、伊勢 渉(八戸)
MF
三島 頌平(岐阜)、秋山 大地(C大阪)、嫁阪 翔太(岩手)、清本 拓己(藤枝)、田中 輝希(栃木シティ)、玉城 峻吾(今治)、青山 景昌(福島)、斧澤 隼輝(北九州)、和田 達也(栃木)、水野 泰輔(熊本)、三宅 海斗(鹿児島)、枝本 雄一郎(藤枝)、中島 賢星(岐阜)、渡邉 柊斗(水戸)、中村 健人(鹿児島)
FW
佐藤 颯汰(北九州)、谷尾 昂也(鳥取)、北村 知也(熊本)、今村 優介(沼津)、佐相 壱明(大宮)

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP