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ベトナム代表徹底解説(後編)「新・黄金世代」の注目選手は?来シーズンJリーグ挑戦も?

2021年11月9日(火) 17:00

ベトナム代表徹底解説(後編)「新・黄金世代」の注目選手は?来シーズンJリーグ挑戦も?

ベトナム代表徹底解説(後編)「新・黄金世代」の注目選手は?来シーズンJリーグ挑戦も?
ベトナム代表徹底解説(後編)「新・黄金世代」の注目選手は?来シーズンJリーグ挑戦も?

近年、ベトナムの躍進が目覚ましい――。

FIFAワールドカップ・アジア2次予選を勝ち抜き、史上初の最終予選進出を決めたベトナム。来たる11月11日(木)には日本との対戦を控えるベトナムについて、Jリーグとベトナムサッカーをよく知る三浦 俊也さん(FC岐阜チーム統括本部長兼テクニカルダイレクター。元ベトナム代表監督)へのインタビュー内容を交えながら前後編に分けて紹介したい。

前編:https://www.jleague.jp/news/article/21006/

Jリーグとベトナム。そして、歴史を作り続ける「新・黄金世代」

Jリーグファンにとって馴染みのあるベトナム国籍の選手といえば、ベトナム人初のJリーガーとして2013年にコンサドーレ札幌(現:北海道コンサドーレ札幌)でプレーしたレ コン ビン(現役引退/35歳)、2016年に水戸ホーリーホックでプレーしたグエン コンフォン(HAGL/26歳)になるだろうか。コンフォンの世代は「黄金世代」と呼ばれており、当時はグエン トゥアン アイン(HAGL/26歳)も横浜FCに加入したこともあって注目を集めた。そして、。

当時から数年の時が流れ、現在のベトナムでは「新・黄金世代」が台頭中だ。彼らは、2017年にベトナム史上初めてFIFA U-20 ワールドカップへの出場を果たした世代。国としてFIFA主催大会への出場そのものが初めてだったことを踏まえれば、歴史を作り続けている世代であることがお分かりになるだろう。

ベトナムのスター、グエン クアン ハイ

「新・黄金世代」の中心選手で現在のベトナムにおけるスター選手と評して過言ではないのが、MFグエン クアン ハイ(ハノイFC/24歳)。クアンハイの良さについて三浦さんに訊いてみると、「クアンハイはベトナムのスター選手。中盤の攻撃的な左利きの選手でボールキープに優れている。キックがうまく、足も速い」という言葉が返ってきた。

ここまでの最終予選のデータを見ても、ゴールに直結する部分やチャンスメイクの部分でクアンハイのスタッツは目立っており、彼が攻撃の中心であることは見て取れる。

クアンハイのプレーをJリーガーに例えるなら誰に近いのか、を三浦さんに尋ねてみると、利き足は異なると前置きしつつ、宇佐美 貴史(ガンバ大阪)の名前と、クアンハイと同じレフティーの遠藤 康(鹿島アントラーズ)の名前が挙がった。

高精度のキックで観客が唸るようなスルーパスやゴールを生み出す宇佐美。重心の低いドリブルやボールキープ力、そして左足のキックが魅力的な遠藤。Jリーグファンにとっては、クアンハイのイメージをつかみやすいのではないだろうか。

クアンハイの他にも、「新・黄金世代」の選手たちがベトナムのキープレイヤーだ。ボランチのMFグエン ホアン ドゥック(ベトテルFC/23歳)はパス数・シュート関与のパス数など攻撃的なスタッツ、さらにタックル数・ブロック数などの守備的なスタッツにおいてチーム内トップで、攻守のキーマンとなる存在。フィニッシャーのFWグエン ティエン リン(ビンズオン/24歳)はゴール数、シュート数、敵陣ペナルティエリア内でのプレー数がチームトップである。彼らのプレーには注目すべきだろう。

Jリーグにベトナム国籍選手が増える可能性について

今季、Jリーグに登録されたベトナム国籍の選手はGKダン バン ラム(セレッソ大阪/28歳)のみ(現在怪我により離脱中)。今後Jリーグに挑戦するベトナム人選手の可能性について三浦さんは「J1リーグで通用するというのは簡単な話ではないが、タイのチャナティップ(北海道コンサドーレ札幌)がJ1リーグで活躍を見せたことは、個人的にはポジティブなサプライズだった。そう考えれば、ベトナムからもJ1リーグで通用する選手が出てくる可能性はある」と話す。「東南アジアは暑いのもあって、サッカーのテンポがスローだったりする。日本のようにテンポが速く、走り回るサッカーへの適応は簡単ではない」と、日本とのスタイルの違いについても指摘があった。

そして、将来的にJリーグでプレーするベトナム国籍の選手は増加すると思うか、と訊いてみると「増えるでしょうね」と頷いた。「経済成長の後押しもあり、ベトナムには若いタレントを育成する優れたトレーニングセンターがいくつかある。それでも、全国には発掘されていないタレントがまだまだ眠っていると思う。彼らをすくい上げ、成長を促すためにも育成組織の裾野を広げること、指導者の質を上げていくことが大事だろう」と前向きに話してくれた。

三浦さんに今回のベトナムvs日本の試合で期待したいことを尋ねると、「追い込まれている状況の日本に対してベトナムがどれだけやれるのか。どの部分が通用するのか、というのは注目したい」と語った。

絶対に負けられない戦いが続く日本にとって勝点3が求められる緊迫感の漂う一戦。Jリーグファンのもう一つの楽しみ方として、来シーズンJリーグでプレーできうる、来てほしいベトナム代表選手はいるだろうか、という視点で試合を見てみるのも面白いかもしれない。

(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)
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