明治安田生命J1リーグは4月の日程を終えて、川崎Fが早くも独走態勢を築きつつある。
変則日程のため各チームの消化試合数にばらつきがあるなか、川崎Fは4月に6試合を戦い、5勝1分と無敗で乗り切った。開幕からの無敗記録を13に伸ばし、昨季を上回るペースで勝点を積み上げている。29日に行われた名古屋との首位攻防戦でも4-0と大勝。眼下のライバルを圧倒した戦いぶりは衝撃的で、このまま一気に突っ走る可能性は十分だ。
4月に川崎Fに次ぐ勝点を獲得したのは浦和だ。7節から3連勝を達成するなど、4勝1敗で12ポイントを上積みしている。リカルド ロドリゲス新監督のスタイルが着実に浸透している様子で、小泉 佳穂ら新戦力も躍動する。序盤の躓きを取り戻しつつあり、さらなる浮上も期待できそうだ。
横浜FMも調子を上げている。4月は3勝2分けとし、2節から9試合負けなしをキープする。得点力にやや課題を抱えていたものの、直近の2試合では計8得点を記録。前田 大然ら既存の戦力に加え、エウベル、レオ セアラと新戦力もフィットしてきており、持ち前の攻撃力がさらに高まっていきそうだ。
開幕から無敗を続けていた名古屋は10節の鳥栖戦で初黒星を喫すると、29日の川崎F戦でも完敗。開幕当初の勢いにやや陰りが見えてきている。鳥栖も4月は3勝3敗と出入りの激しい戦いとなった。それでも名古屋やFC東京と難敵を撃破しており、上位争いに踏みとどまれるだけのポテンシャルを示している。4月は負けなしとした神戸も、今後、上位争いに加わってくる可能性は十分だ。
鹿島は9節の札幌戦後にザーゴ監督を解任。相馬 直樹新監督の下でリスタートを切った。監督交代後は1勝1分とし、復調を示している。鹿島らしいしたたかな戦いが蘇りつつあり、今後の巻き返しに期待が持てそうだ。
昇格組の徳島と福岡も、ここまで健闘を見せている。徳島は4月に3勝を挙げ、福岡も2勝2分2敗と五分の成績で乗り切った。新外国籍選手の合流もあるだけに、さらなる躍進も十分あり得るだろう。
心配なのは16位以下の5チーム。清水は3分2敗と勝ち切れず、新型コロナウイルスの影響で活動休止となっていたG大阪は、7節から復帰したものの1勝を挙げるにとどまった。6試合でわずか1ゴールと得点力不足は深刻で、この課題の解消が5月以降のテーマとなる。
大分は4月の5試合ですべて敗戦。5節から続く連敗は7に伸びている。仙台と横浜FCはいまだに今季勝利がない。とりわけ苦しいのは横浜FCで早川 知伸監督に代わっても好転の兆しは見えてこない。今季11試合で32失点を喫する守備を立て直すことが、最重要課題となるだろう。