2021年3月31日(水) 17:50
攻撃力を備えた岐阜がスタートダッシュを実現。JFLから参入した宮崎は積極的な戦いを示し、躍進の予感【マンスリーレポート(3月):明治安田J3】
3月14日に開幕した今季の明治安田生命J3リーグ。秋田と相模原がJ2に昇格した一方、JFLから宮崎が参入。G大阪とC大阪のU-23チームが今季から参加しなくなったことで、15チームによって争われている。ここまで3節まで消化されたものの、参加数が奇数のため、節によっては試合がないチームが生まれている。
3節を終えて首位の立つのは、岐阜だ。1年でのJ2復帰を狙った昨季は6位に留まったが、安間 貴義監督を招聘した今季は攻撃的な戦いを実現。開幕戦こそ八戸と引き分けたが、2節の藤枝戦で3ゴールを奪って快勝を収めると、3節の讃岐戦でも4ゴールと圧勝した。エースの川西 翔太がすでに3得点と好調を維持しており、今後、浦和から加入した柏木 陽介がフィットすれば、さらに勢いが生まれてきそうだ。
富山も開幕2連勝と好スタートを切った。“昇格請負人”の石﨑 信弘監督を迎えた今季は、接戦をものにする勝負強さを披露。3節に宮崎に敗れたものの、試合を重ねるなかで新たなスタイルが成熟していくはずだ。
昨季、昇格にあと一歩に迫った長野も、着実に勝点を積み上げている。攻撃面にやや課題を残すも、持ち前の堅守は健在。得点力が向上すれば、今季も昇格争いに絡んでいくだろう。
大木 武体制2年目を迎えた熊本も、ここまで1勝2分と負けなしをキープ。攻撃力に定評のあるチームだが、今季は課題の守備に安定感が生まれており、結果を出せるチームとなっていきそうな気配を漂わせる。秋田 豊監督率いる岩手も3試合を終えてまだ負けがない。堅い守りが備わるだけに、今後も大きく崩れることはなさそうだ。
インパクトを放つのは鹿児島だ。昨季まで横浜FMのコーチを務めたアーサー パパス監督が就任したチームは、攻撃力を一気に高めている。ここまでの3試合はすべて2得点をマーク。もっとも、その戦いは不安定で、開幕戦では2点を先行しながら、3点を奪われて鳥取に逆転負け。逆に2節の熊本戦では、2点のリードを追いつき引き分けに持ち込んでいる。ただし、3節の福島戦では2-0と快勝を収めたように、試合を重ねるごとにスタイルは浸透している様子で、4月以降の戦いに注目が集まる。
J3に参入した宮崎は、健闘を見せている。開幕戦こそ岩手に敗れたものの、2節の長野戦では終盤に追いつき、勝点1を確保。3節の富山戦ではリードを守り抜き、うれしいJ3初勝利を挙げている。決して守りを固めるサッカーではなく、ボール保持を重視したアグレッシブな戦いを実現。J3でも十分に戦えることを証明しており、今後、さらに勢いに乗っていくかもしれない。
一方、YS横浜、藤枝、讃岐の3チームは、まだ勝利を手にできていない。藤枝と讃岐は1試合少ない状況ながら、讃岐に関しては2試合で0得点・6失点といきなり苦しい戦いを余儀なくされている。とはいえ、まだ2試合を消化したばかり。本当の戦いはこれからであり、巻き返しの時間は十分に残されている。