2021年3月30日(火) 18:00
王者・川崎Fが今季も開幕から圧倒的な強さを示す。名古屋、鳥栖が堅守を武器に追いすがる【マンスリーレポート(2月・3月):明治安田J1】
2月26日に幕を開けた2021年の明治安田生命J1リーグ。昨季王者の川崎Fが今季も圧倒的な強さを見せている。
開幕戦で横浜FMを撃破すると、前倒し開催となった11節のC大阪戦では打ち合いを制して3-2と逆転勝利。その後も白星を積み重ね、5節の神戸戦では勝ち切れなかったものの、6節の浦和戦では5ゴールを奪っての大勝。ここまで7試合を終えて6勝1分と、記録的な勝ちっぷりを見せた昨季と同等の強さを保っている。
ここまで6得点のレアンドロ ダミアンをはじめ、小林 悠、三笘 薫ら昨季からの主力が安定したパフォーマンスを示す一方、新加入のジョアン シミッチもアンカーとして絶大な存在感を示す。攻守両面に隙のないチームは、今季も優勝候補の筆頭であることを証明している。
川崎Fに追いすがるのは名古屋だ。大型補強を敢行したチームは、開幕戦で福岡に競り勝つと、怒涛の6連勝を達成。2節からの5試合はいずれも無失点と、今季も安定した守備力を備えている。1点差の試合をモノにする勝負強さを示すチームにおいて、輝きを放つのは稲垣 祥だ。力強いボール奪取を売りとするボランチだが、豪快なミドルでゴールを量産。実に3試合で決勝ゴールを奪うハイパフォーマンスを見せている。日本代表にも招集されたこのMFが、連勝街道を突き進む名古屋を力強く牽引する。
鳥栖の躍進も、序盤戦のサプライズだ。開幕6試合で4勝2分けと無敗をキープ。6試合でひとつのゴールも許さない堅守が際立つ。守備だけでなく、林 大地を中心とした攻撃にも迫力が生まれており、この勢いはしばらく止まりそうもない。
クルピ監督を迎えたC大阪も好スタートを切った。失点が目立つものの、ここまでリーグ2位の13得点をマーク。好調の攻撃陣を牽引するのは、15年ぶりに復帰した大久保 嘉人だ。開幕からゴールを量産するリーグ史上最強ストライカーは、38歳を迎えてもなお、その能力はさび付いていない。
広島もここまで無敗と好調を維持する。先制しながらも勝ち切れない試合が続いていたが、徐々に攻撃が機能し始め、得点パターンに多様性が生まれているのは好材料。横浜FMも試合を重ねるごとに状態を高めている。ゴールを量産する前田 大然を軸に、優勝を果たした2年前の攻撃スタイルが蘇ってきた印象だ。
昇格2チームも健闘を見せている。福岡は4節の徳島戦で初勝利を挙げると、続く5節では鹿島を撃破。好調の鳥栖とも引き分けるなど、着実に勝点を積み上げている。堅い守りが備わるだけに、大きく崩れることはなさそうだ。
徳島は監督不在のなかで開幕当初は苦しんだが、6節の横浜FC戦で、J1復帰後初勝利を手にした。J2を席巻したアグレッシブなスタイルは、J1でも通用しており、垣田 裕暉、宮代 大聖ら攻撃陣が状態を高めているのも好材料。現状は12位に留まるが、今後の躍進が期待される。
一方でその徳島からリカルド ロドリゲス監督を招聘した浦和は苦戦が続く。新スタイルの構築には、しばらく時間がかかりそうだ。鹿島も1試合消化試合が少ないとはいえ、スタートダッシュに失敗し15位に低迷。昨季MVPのオルンガが抜けた柏も、得点力に課題を抱え、17位と苦しんでいる。
仙台は開幕戦で広島に引き分けたものの、その後に4連敗。横浜FCは開幕6連敗と苦しい戦いが続いている。今季は4チームがJ2に降格するレギュレーションだけに、早い段階で悪い流れを断ち切りたいところだ。
G大阪は新型コロナウイルス感染症の影響で、2節以降の試合をこなせなかった。困難な状況に陥ったものの、まだシーズンは始まったばかり。4月以降の巻き返しが期待される。
明治安田生命J1リーグ結果(2月)
明治安田生命J1リーグ結果(3月)