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2021年度 社員総会後記者会見 発言録について

2021年3月17日(水) 14:30

2021年度 社員総会後記者会見 発言録について

2021年度 社員総会後記者会見 発言録について
2021年度 社員総会後記者会見 発言録について

第1回社員総会後会見

2021年3月8日

2021年3月8日(月)15:15~
Webミーティングシステムにて実施
登壇:村井チェアマン
陪席:組織開発本部 青影本部長

〔組織開発本部・青影本部長の説明〕
2020年度の公益社団法人日本プロサッカーリーグの決算についてご報告させていただきます。資料がいくつかありますので、こちらをベースに、かいつまんでご説明させていただきます。
決算の内容に入る前に、昨年12月の予算策定の際の説明資料を、少しだけおさらいさせていただきます。2020年は30億円程度の黒字となる見通しです、ということをご説明しましたが、これは一時的な黒字であって、翌年以降の赤字予算で相殺されるということをお伝えしました。この時はまだ着地見込みだったので、詳細はお伝えできませんでしたが、ほぼ30億円以上の黒字になる見通しが立っていましたので、こちらをベースに2021年以降どうすべきか、またクラブ支援やリーグ運営費の緊縮継続、その中でもリーグ価値の維持・向上をしていくためには、どういった予算措置がいいのか、ということを前提に、2021年度予算を策定しました。30億円の黒字について、結果的にどうなったのかというところが、本日皆様にお伝えしたい内容でございます。結果的にはプレスリリース『2020年度決算について』の2020決算(A)の列。当期一般正味財産増減額という聞きなれない公益法人特有の項目を見ていただくと、33億5,800万円。一般事業会社で言うところの利益に当たりますので2020年度決算におきまして、当法人としては30億円を超える黒字決算という形になりました。

33億5,800万円という数字を計上できたことにより、期末の一般企業で言うところの純資産、公益法人では正味財産期末残高というような表現をしますが、前年末が29億円ございましたので、33億円を足し込みますと2020年度末の公益社団法人日本プロサッカーリーグの期末の純資産は62億5,800万円で着地しております。こちらの内容につきまして、本日の社員総会でおはかりして承認いただきました。

■プレスリリース:「2020年度(令和2年度)決算について」

データ

内容につきましては、もう少し噛み砕いてご説明をさせていただきます。こちらは予算対比で見た時の実績についての説明をコンパクトにまとめた資料になります。予算上は経常増減、いわゆる利益でございますが、2020年は当初12億9,000万円の赤字予算を計上していました。DAZNからの収入、契約に応じて増減はございますが、経常収益の増加に伴いまして、計上費用も2019年と比べて上増ししまして、攻めに転じる年でしたが、あいにく新型コロナウイルスの発生を受けまして、事業活動の大規模な縮小停止によって、予算比40億円減少する形になりました。

これは昨年のゴールデンウィークから6〜7月にかけてクラブの皆様、Jリーグの理事会にて協議をさせていただき決定しましたが、この時にはまだ試合が再開できておらず、果たして2020年度中にどれだけの公式試合が実施できるのか不透明な状態でございました。リーグとしてはリスクヘッジのために、まずはコスト削減を実施し、コスト削減を上回る収入の減少が相まった場合には、当然経営危機に陥りますので、それを担保するために金融機関とコミットメントラインを締結し、いつでも200億円規模の金額を借り入れすることができる準備を、昨年のゴールデンウィークから夏にかけて実施してきました。

それらをふまえましてリスク対応を行いましたが、その後試合も再開でき、また様々なステークホルダーの皆様のご理解・ご協力もございまして、最終的にはほぼ100%に近い公式試合を実施することができました。結果的に収益自体は当初の291億円を上回る形で着地することができました。これは、個別のスポンサー様からの追加支援もございましたし、スポーツ庁、JSC(日本スポーツ振興センター)等、さまざまな団体から助成をいただいた結果でございます。

リスクヘッジする形で先行しましたが、結果的に皆様の努力、クラブの努力によりまして収益は維持できましたので、大幅な黒字を達成することができたというのが今シーズンの実績の真実でございます。ただこの黒字は、読み違えないでいただきたいのですが、ビジネス上、我々が努力してお客様を前年よりも大変大きく呼び込むことができ大幅な黒字を達成できた、ということではございません。今回の決算において、一番お伝えしたいのは“当該黒字(経常増減)は、20年の緊急避難的なコスト削減による一時的な黒字であり、21年以降も継続するコロナ禍の悪影響に備え「クラブ支援」や「コロナ禍により発生する追加経費」、「最低限のリーグ機能の維持」等に充当される見込みである。”という、こちらの文章が一番のトピックスでございます。

昨年12月にご案内した通り「クラブの支援」、「コロナ対策」、「リーグ価値の維持・向上」これを施策の中心とし、2021年は赤字予算をすでに決定しています。17.8億円の赤字が見込まれています。この数字は、現状でもすでに目算で見込んでいますが、2022年もコロナが継続していることを前提にすれば、同じ規模の赤字予算が計上される見込みです。この33億円はほぼ2年間で消費されるということが、現時点でもすでに数字としてはあるということをご理解いただければと思います。

また先ほどプレスリリースでご案内させていただいた純資産の約60億。2020、21年の2年間で30億円を消費したとしても、期末の純資産はまだ30億円が残るということで、Jリーグは大丈夫だろうという見方も、数字だけ見るとそのような分析もあり得るのですが、実態は違います。今回たまたまコスト削減もうまくはまったので、収入も確保でき、黒字を計上することができましたが、業界全体としては、クラブの決算はこれから発表される予定でして、現状いただいている情報をベースにお伝えすると、多くのクラブで赤字決算となり、また債務超過に陥ってしまうクラブも少なからずあると見ております。まだ確定情報ではないので、本日は具体的な数字をお伝えできませんが、そういう状況でございますので、今回はあくまでリーグだけの決算でございまして、クラブを含めた業界全体では当然マイナス成長に転じる可能性が高い年になったと思っています。

よって、この33億円の持つ意味というのがより重要になってくるのですが、2021、22年度もコロナ禍が継続すると思われる中、できるだけ成長がとどまらないような、お金の使い方。またコロナへの対応も強化継続していく。そんなお金の使い方を、今年も来年も継続していきたいと思っておりますし、先ほどの66億円の差額の30億円につきましては、すでにご案内している通り、公式安定開催融資に活用するものです。クラブがリーグ戦開催中になにがしかの事情によって経営破綻した場合、期末に向けてリーグ戦を安定して運営できるようにクラブにお貸しできる費用として、いくつかメニューを考えています。そのうちの一つとして、リーグ戦安定開催融資の20億円を確保させていただきましたので、そちらも必要に応じて活用しないといけない、そういった状況が依然として続いていると思っているところです。それらをふまえながら、今シーズンの決算については、33億5,000万円の利益は、翌年、再来年に続くコロナの影響に伴いまして、継続して有効に使っていきたいと考えております。

データ

スライド2枚目は、前年対比の資料となります。冒頭でご案内した通り2019年から2020年はそもそも収入がアップする予定がございましたので、それに合わせて本来は経常費用も増加していくような予算を立てていましたが、コロナ禍の影響により、大幅なコスト削減を行いましたので、結果として収益は2019年よりも上ぶれましたが、費用については2019年よりも下ぶれるという結果になりました。それぞれ理由については、こちらにまとめさせていただいております。

この中で唯一管理費が2019年よりも上ぶれるような形で着地しています。この理由は当初、予算設定時にも固定費が増加することが分かっておりましたし、今回コロナ対応のために様々な経費を追加で使っており、これは予算外の支出です。検査費用やスタジアムでお客様を迎えるにあたって、安心安全なスタジアムを実現するために、サーモグラフィーを買うなど、様々な面で費用を拠出しております。それらの一部については様々な団体様から助成金を頂戴しておりますが、それを超えてかかっている費用につきましては、こちらで計上させていただいております。

管理費につきましては、そのような形で、上ぶれがあるものの、当然、コスト削減も行っております。まずオフィスの一部返却。また通勤手当等も含めて従前の固定費から様々な削減をしておりますので、それらを含めまして凸凹がある中でも、最終的にプラスになってしまっているということで、ご理解いただければと思います。

前年対比、予算対比については以上でございます。繰り返しになりますがパワーポイントP1記載の二つ目の文章が一番重要なメッセージとなりますので、改めてご確認いただければと思います。

〔質疑応答〕
Q:純資産として積み上げているものが十分かどうかというのは、クラブの救済にどのくらいの額が必要か、20億円で足りるのかという見通しが大事だと思います。現状、基金を使うクラブはないということですが、そのような状況は今期も変わらなさそうなのか、基金が出るときは一気に出そうな気がしますが、20億円で十分足りそうなのか、ある程度の見通しがわかれば教えてください。

A:青影本部長
昨年の4月、5月あたりだったと記憶しておりますが、コミットメントラインの契約を皆様にご説明させていただきました。リーグの運営において赤字のリスクに対応するためのコミットメントラインの締結と、クラブの支援も含めた外部資金の調達のためのコミットメントラインの契約の2本についてお伝えしました。それにつきましては、現状も当然継続しているところですが、コロナ終息の目途が立たない限り、リスクとしては1年前と大きく変わらない状況だと思っています。もちろん、20年の決算の数字を踏まえて、クラブの皆様とはさまざまな予算設定上の議論をさせていただきました。

その結果、20億円の安定開催融資を積み上げるということで当然クラブと合意をしているわけですが、この数字で足りるかどうかは正直わかりません。全く足りない可能性もありますし、杞憂に終わる可能性も十分あるかと思います。我々の財務戦略の中では必要最低限の数字ということで、20億円の数字を積むこととさせていただきました。

当然、その他のバックアップメニューとして、先ほど申し上げたコミットメントラインの契約もありますので、そのような準備は継続しながら、一方でクラブの決算状況がこれから固まってくると思いますので、その辺りの数字がどうなっているのか、今シーズンの予算や、進行状況も踏まえた確認をタイムリーに行い、その都度リスクに合わせた対応を我々が機動的に心がけていく、そういった状況が今後も続いていくと認識しています。

Q:決算の受け止めについて村井チェアマンからのコメントをいただければと思います。

A:村井チェアマン
ある程度長いタイムラインの中で明らかになっているもので、今日突然出てきているものではございませんが、思い返すとちょうど一年前、社内用語で「サバイバルモード」という宣言をして、徹底的にコスト削減に踏み切ろうという話をしました。最終的に予算で40億円のコスト減となっているわけですが、聖域なき、すべてのリーグ予算を圧縮して、生き残るために蓄えようと。何が必要になるかわからないですが、2021年に向けてそのような号令をかけてきたと思っています。

オフィスのスペースも半分くらい返却しました。様々対応してきた結果だと思っていますので、何かJリーグの価値が上がって、魅力的になって大きな収入増を得たのではなくて、本来は投資をしなければならないこともぎりぎり見極めながらコスト圧縮をした結果ですので、我々が成長を果たした利益ではないということです。ですので、緊張感をもって有効に使っていくつもりです。ある意味厳粛に受け止めているというのが正直なところです。

一方で、昨年は試合開催がこのタイミングでほとんど止まっていたわけですが、現時点ではお客様をお迎えできています。昨年と違って、各節スタジアムに足を運んでいますが、丹念にお客様の表示を見ていると、やはりサッカーがあってよかったな、と言いますか、皆さん、楽しまれている表情を見ることができたのが何よりの収穫で、しっかりこうした形でのサスティナブルな対応のためにこのような予算を使っていこうと思っている次第です。

 

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