一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が連携する「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第25回会議が、8日に開かれた。
今回の会議の主題となったのは、外国籍選手らの入国について。現状では入国後、2週間の待機期間が義務付けられているが、合流の遅れによるチーム作りへの影響が懸念されている。そのためNPBとJリーグはこれまでのデータをもとに、政府に対して待機期間の緩和を求めていく考えを示した。
専門家グループの三鴨 廣繁氏は、「喫緊に解決していかなければいけない問題」と指摘。同グループの賀来 満夫氏は「検査を何日目で行えば安全性が高く入国できるのか。入国した後にどれくらいの期間で活動できるのか。そこをしっかりと議論していこうということ。一番重要なのは安全に入っていただき、人にうつさないということで、これはオリンピック・パラリンピックにもつながる。科学的なエビデンスに基づいてやっていく必要がある」と説明した。
今回の会議では、待機期間を10日から7日程度へ短縮することが検討されたという。Jリーグの村井 満チェアマンは、「短縮に関しては、ある程度のエビデンスが整いつつあります。昨年の今頃、PCR検査のめどが立たない当時に考えられていた2週間の期間と、検査体制が整いつつある現状では、エビデンスなどを考えれば短縮は具体的に説明できるものと思います。社会の生産性そのものを改善するためにも、合理的に期間短縮を働きかけていくことは一定の理があることだと思っています」と話した。
一方で、新規入国に関しては慎重に進めていく考えを示した。緊急事態宣言下において、ビジネストラックも停止しており、スポーツ界だけが特例を受けることは、現実的には難しい。村井チェアマンは「新規入国に関しては、スポーツ界単独で説明できるエビデンスはありません。もう少し、丁寧に議論を深めていかないといけない。二つの要請テーマがありますが、場合によってはステップを踏んで、期間短縮から入り、同時進行で新規入国の課題も議論していくことになる。(オリンピック・パラリンピックでは)外国からのお客様をお迎えするという議論もあるかと思いますので、この辺りはスポーツ界と連携して、一緒になって協議していくテーマと認識しています」と話した。
また村井チェアマンは、2月20日に行われるFUJI XEROX SUPER CUP 2021について、観客入場数の上限を5000人とする意向を示した。会場の埼玉スタジアム2002は緊急事態宣言の対象地域となるため、「Jリーグが主管の公式試合ですが、超厳戒態勢下での5000人をめどに準備を進めています」と話した。
一方で、リーグの開幕に向けては、柔軟に対応していく考えを明らかにした。
「(リーグが開幕する)26日の時点で緊急事態宣言がどのような状態になっているかを見極めながら、超厳戒態勢、厳戒態勢の両面で対応できるように考えています。開幕戦となると全国規模になりますので、エリアによっては緊急事態宣言ではなく、通常の50%運用ルールが適応できるチームもある。フレキシブルな対応ができるように準備を進めていきたい」と説明している。