明治安田生命J3リーグは、開幕から無敗を続けていた秋田が、シーズン終盤を迎えても安定した強さを保ち、6試合を残して優勝&昇格を決めた。
優勝の要因は、何と言っても堅守に尽きる。30試合を消化した時点でわずかに11失点。およそ3試合で1点しか奪われない圧巻の守備組織を形成し、対戦相手の攻撃を封じた。28節のG大23戦で優勝を決めると、翌29節の富山戦に敗れ、シーズン無敗の記録は途切れたが、それでもその強さは圧倒的だった。2017年の初優勝時にはJ2クラブライセンスを持たなかったために昇格はならなかったが、あれから3年、文句なしにJ2の舞台へと上り詰めた。
一方で、残り1枠となった昇格争いは大混戦となっている。2位に浮上した相模原は16節から無敗を維持。11月に入り勝ち切れない試合が目立ったが、ここへきて2連勝と勢いを加速させている。守備の安定性を備えているだけに、このまま昇格を果たしたとしても不思議はないだろう。
長野は28、29節の連敗が響き、3位に転落。得点力に課題を抱えるなか、残り4試合での逆転を狙う。4位の岐阜は調子を落としていたものの、ここへきて3連勝と復調。1年でのJ2復帰に向けて、最後に底力を見せられるか。
一時は昇格争いから脱落したかと思われた富山も、終盤に来て勢いを加速させ、5位に浮上。11月は4勝を挙げて、秋田と並んで最多となる勝点13を積み上げた。2位の相模原とは6ポイント差離れているが、この勢いを保ち、奇跡を起こせるか。
6位の鳥取と熊本は、富山と同勝点ながら、状態は対照的だ。鳥取は3連勝と調子を上げながら、2連敗とトーンダウン。熊本は11月に1勝も挙げられなかった。それでも逆転昇格の可能性は十分に残されており、ここからの巻き返しに期待がかかる。
8位の今治、9位の鹿児島、10位の藤枝も数字上では昇格の可能性を残している。果たして残り試合でいかなるドラマが待ち受けるか。12月の戦いからも目が離せない。
下位チームではG大23、YS横浜、C大23が、11月は未勝利に終わっている。苦しい戦いが続くなか、残り試合で来季への光明を見出せるか。