2020年11月30日(月) 15:40
異次元の強さを見せた川崎Fが史上最速優勝を達成!ACL出場をかけた争いはさらに熾烈に【マンスリーレポート(11月):明治安田J1】
今季の明治安田生命J1リーグは、12月を待たずに決着がついた。開幕から異次元の強さを見せていた川崎Fが、4試合を残して2年ぶり三度目の優勝を決めたのだ。
優勝を目前にしてやや足踏みを強いられたが、25日に行われた2位G大阪との決戦を、家長 昭博のハットトリックなどで5-0とものにし、史上最速、史上最多勝点で頂点に立っている。今季30試合で79得点と圧巻の攻撃力を示した一方、失点もリーグ最少の25。家長、小林 悠らベテラン勢が結果を出し、三笘 薫をはじめとする若手も台頭。メンバーを入れ替えても力が落ちることはなく、まさに総合力の高さを見せつけての戴冠だった。
優勝は決まったものの、3位以内に与えられるACL出場争いは、さらに混沌としてきた。2位のG大阪は9月から10月にかけて快進撃を見せていたが、11月は川崎F戦の完敗も含め、2勝2分2敗と思うように勝点を伸ばせなかった。G大阪を勝点3差で追いかける3位の名古屋も、11月の5試合中3試合で無得点に終わるなど、得点力不足を露呈し、勝ち切れない試合が目立った。
一方で鹿島は11月に3勝1分1敗と好成績を残し、3位の名古屋に勝点1差に詰め寄った。上田 綺世、エヴェラウドら攻撃陣が好調を維持しており、残り2試合での逆転を目指す。C大阪は2連敗を喫するなど調子を落としていたが、直近2試合で2連勝を達成。現在は5位に留まるが、残り試合数が他チームよりも多いことを考えれば、十分に逆転可能な位置につけている。2位のG大阪から5位のC大阪までの4チームが、残り2枠となったACL出場権を最後まで争うことになりそうだ。
その他のチームを見ていくと、11月を無敗で乗り切ったのは広島だ。もっとも2勝4分と勝ち切れない試合も目立ち、上位浮上を実現できなかった。柏は新型コロナウイルスの影響で活動停止に追い込まれ、2つの試合とルヴァンカップ決勝が順延となった。3週間ぶりの試合となった28節の鳥栖戦はコンディション面に不安を覗かせて敗れたが、続く29節の鹿島戦では快勝を収め、復調をアピール。12月は6試合を戦うハードスケジュールとなるが、年明けに行われるルヴァンカップ決勝に向けて、弾みのつく戦いを見せたいところだ。
一方で11月は下位チームの健闘が光った。鳥栖、湘南、仙台は2勝を挙げ、清水は鹿島と並んで最多となる3勝を記録している。
ピーター クラモフスキー監督が退任し、平岡 宏章監督の下でリスタートを切った清水は、3勝したすべての試合で3得点を記録。攻撃面が機能し始めてきたことが、復調の要因だろう。現状はまだ17位に留まっているが、残り4試合でどこまで順位を上げていくのか。その戦いに注目が集まる。