2020年8月31日(月) 19:15
過酷な真夏の連戦下で主役となったのは昇格組の北九州!新潟、磐田、東京Vに上昇ムードが漂う【マンスリーレポート(8月):明治安田J2】
ハードスケジュールとなった8月の明治安田生命J2リーグ。主役となったのは昇格チームの北九州だ。8月の7試合で全勝を達成。7節から続く連勝を9に伸ばしている。
ディサロ 燦シルヴァーノがゴールを量産し、コンビを組む町野 修斗もコンスタントに結果を残した。強度の高い守備からの素早い攻撃が機能し、8月の全試合で複数得点を記録。1点差をものにする勝負強さも身に付けつつある。“昇格請負人”の小林 伸二監督が求めるサッカーが機能しており、今後もこの快進撃が続いていく可能性は高い。
北九州の猛追を受けながら、首位をキープしたのは長崎だ。10節の徳島戦に敗れ無敗がストップすると、12節にも山形に惜敗。しかし。そこから引き下がることなく3連勝を達成し、息を吹き返している。安定した守備にくわえ、畑 潤基がエース格に成長。昨季逃したJ1に復帰に向け、順調に勝点を積み上げている。
3位の徳島も8月は5勝2分と無敗で乗り切った。長崎を撃破したのをはじめ、千葉、松本にも完勝。4年目を迎えたリカルド ロドリゲス監督の下で高い組織力を保っており、今後も優勝争いに絡んでいきそうだ。
上位3チームが一歩抜けだした感があるが、新潟、磐田、東京Vの3チームも徐々に調子を上げている。新潟は3勝3分1敗と安定した戦いを実現。勝ち切れない試合も目立つが、堅い守りを実現しており、大崩れすることはなさそうだ。今夏に積極補強も進めているだけに、9月以降の戦いにも注目が集まる。
磐田も8月は3勝3分1敗だった。攻撃面に良化の兆しが見られ、14節の金沢戦では大量6ゴールを奪った。小川 航基がエースとしての働きを見せており、さらなる浮上も期待できる。東京Vは4勝1分2敗と順調に勝点を加算。永井 秀樹監督が求める攻撃スタイルが機能しており、こちらも上昇ムードを高めている。
山形も調子を上げてきた。10節までわずか1勝だったが、11節以降は4勝1分と負けなし。直近の2試合では大量得点も実現している。石丸 清隆監督のスタイルが浸透してきた印象で、さらなる巻き返しにも期待が持てそうだ。
一方で京都、大宮、千葉、福岡、松本と、開幕前には昇格候補に挙げられていたチームが苦戦を強いられている。なかでも大宮は、2分4敗と8月は未勝利に終わった。課題の得点力不足をいかに解消していくかが、復調のカギとなりそうだ。
千葉は3連勝の後に3連敗と、不安定な戦いを露呈。京都もピーター ウタカの奮闘むなしく、なかなか結果を掴めていない。福岡も大宮と同様に、得点力不足の解消がポイントとなりそうだ。
松本は1勝1分5敗と結果を出せず、20位に低迷。まだシーズンは3分の1を消化したに過ぎないが、1年でのJ1復帰が厳しくなっている。失点が続く守備組織の改善が、何よりのテーマとなるだろう。