2020年7月30日(木) 15:30
勝負強さを示す長崎が無敗街道を突き進む。1年でのJ1復帰を狙う磐田と松本は早くも試練に直面【マンスリーレポート(2月・6月・7月):明治安田J2】
明治安田生命J2リーグは、J1よりも一足先に6月27日にリーグ戦が再開。7月に6試合を消化し、ここまで8節を終えた。
開幕から好調を維持するのは長崎だ。開幕4連勝とスタートダッシュに成功すると、5節に琉球と引き分けたものの、その後に3連勝。8試合を終えて7勝1分と無敗で首位を快走する。ここまで5失点と守備の安定が際立ち、その多くが1点差勝ちと勝負強さも光る。2年目を迎えた手倉森 誠監督の下で、確かなスタイルが確立されている印象だ。
その長崎を追う2位の大宮も、堅い守りが好調の要因だ。8試合でわずかに3失点。すでに5つの完封勝利を実現している。得点力にやや不安を抱えるも、このストロングポイントが崩れない限りは、今後も安定した戦いを続けていくだろう。
3位につけるのは福岡だ。昨季は16位と低迷したが、長谷部 茂利新監督の下で、大きく生まれ変わった。堅い守りをベースに少ないチャンスをものにするサッカーで勝点を積み上げている。こちらも大宮と同様に得点力が課題だが、フアンマ デルガドをはじめ質の高いストライカーが備わるだけに、今後は攻撃面に向上にも期待が持てるだろう。
興味深い戦いを続けるのは新潟だ。スペイン出身のアルベルト新監督の下で攻撃サッカーを実現。ここまでリーグ最多タイとなる16得点を挙げている。失点が多く勝ち切れない試合も目立つが、現時点で6位と上位をキープ。本間 至恩ら活きの良いタレントも備わるだけに、これから勢いに乗っていく可能性は十分だ。
尹 晶煥監督を招聘し、2009年以来のJ1昇格を目指す千葉だが、ここまではまだ安定した戦いを実現できていない。手堅いサッカーで結果を出す試合もあるが、あっさりと失点する場面も目立つ。攻撃パターンもまだ確立されていない印象で、新スタイルが機能するにはもう少し時間が必要かもしれない。
J1から降格してきた2チームも苦しい戦いが続いている。1年でのJ1復帰を狙う磐田は、すでに3敗と10位に留まる。ボール支配で上回りながらも守りを固める相手を崩し切れず、カウンターから失点する場面が目立つ。相手の対策をいかに乗り越えるかが、今季の磐田にとっての最大のテーマとなるだろう。
松本も16位と低迷している。布 啓一郎監督の下でリスタートを切ったが、得点力に課題を抱え、結果を出せていない。対戦相手によってシステムを変えるなど様々な形を模索するなか、最適解はまだ見いだせていない。飛躍が期待される榎本 樹ら若手の台頭が巻き返しのポイントとなるかもしれない。
一方でJ3からの昇格チームは、対照的な姿を見せている。躍進を遂げているのは北九州だ。連敗スタートとなったが、7月に入ると4勝1分1敗と勢いに乗った。ここまで5つのクリーンシートを実現するなど守備の安定が備わり、一方で攻撃面も試合を重ねるごとに迫力が生まれている。強度の高い守備とスピード溢れる攻撃はJ2でも十分に通用するもので、今季の台風の目となる可能性もあるだろう。
対して群馬は、ここまでわずか1勝で最下位に沈む。8試合中6試合で完封負けと、何より得点力に課題を抱えている。一方で失点の数も19とリーグワースト。攻守両面で課題を抱えるなか、今季より指揮を執る奥野 僚右監督はいかに立て直していくのか。その手腕に注目が集まる。
明治安田生命J2リーグ結果(2月)
明治安田生命J2リーグ結果(6月)
明治安田生命J2リーグ結果(7月)